幼いころからの英語への興味から、高校2年修了での渡豪、そしてUQ・ブリスベンへ
ー英語への興味や、高校時代の留学経験について教えてください。
幼いころから英語には興味がありました。都立高校に進学し、英語サークルでの活動に加えてニュージーランド出身のJETの先生と毎日放課後に会話をするようになりました。その先生の勧めで東京都の留学プログラムに応募し、合格し、研修を経てブリスベン北側(Burpengary)の州立高校で1年間留学(Year 10)しました。学校には留学生が数人ほどしかいなく、もちろん日本語を話す相手もいませんでした。
数か月して生活にも慣れてくると、このまま現地の高校を卒業したい気持ちが強くなりました。しかし、新型コロナの影響もあり帰国を余儀なくされ、結局卒業はできませんでした。その後一度は日本の高校に復学しましたが、夢をあきらめたくない気持ちが常に心の中にあり、オーストラリアの大学進学を決めました。
ー高校2年で退学し、単身オーストラリアへ渡ることを決めた際、周囲の反応はいかがでしたか。
両親には高校留学中からずっと現地で卒業したい旨を伝えていました。もちろん経済面やプランなどは入念に話をしました。中退に関しては、両親も「それがベストな方法なのであれば」と快諾してくれました。先生方も中退を止めてくることはなく、親戚や友人も応援してくれました。
ー数ある大学の中から、なぜUQ、そしてブリスベンを選ばれたのですか?
当時、どの大学に入るにも日本の高校を卒業後UQ CollegeやDiplomaの修了が必須だったので、必要最低限の準備だけをして渡豪することを決めました。UQを選んだ一番の理由としては、生活環境です。高校時代の友人やホストファミリーが近くにいることは心強かったです。あと当時は国際線が不安定な時期だったので、ぱっと決めてすぐに落ち着ける都市を考えたときにブリスベンが一番だと思いました。
UQ Collegeファウンデーションでの30週間、GPA6.6という結果
ーUQ Collegeのファウンデーションプログラムでの学びについて教えてください。
授業のスタイルは現地の高校とかなり似ています。グループワークやプレゼンテーションなど、実践的な科目が多かったです。授業内容の難易度は高くないですが、オーストラリアの授業スタイルに慣れるためには適切だったと思います。クラスではやる気のある生徒とそうでない生徒がはっきりと分かれていたように感じました。私は課題の締め切りが近づくと、先生とのコンサルテーションに行きフィードバックをもらうようにしていました。これによって、自分のやっていた課題がその趣旨とずれていないかを確認することができました。
勉強方法としては、授業をしっかりと聞き、先生の発言でスライドに乗っていない情報だけをノートに取るようにしていました。
私は常に紙のスケジュール帳を持ち歩いているのですが、授業や生活の中で知らない英語の表現があれば、メモ欄に記しておきます。そうすることで、スケジュールを確認するたびにその表現が目に入ります。暗記は、その表現に出会う回数が多ければ多いほど定着するそうなので、この方法を使って、出会った新しい表現を確実に覚えるようにしています。
ビジネスからジャーナリズムへ。専攻を変えた理由と、Bachelor of Journalismで学んだこと
ー専攻をビジネスマネジメントからジャーナリズムに変更された理由を教えてください。
元からジャーナリズムを学びたい気持ちはありました。ファウンデーションに応募した当時、正直どれくらいの成績が取れるかわからなかったので、ビジネスマネジメントに設定しました。ただ途中でジャーナリズム学部に入れる成績が取れそうな見通しがついたので、変更することにしました。高校の頃のホストシスターがBBCのジャーナリストで、当時から非常に興味がありました。
ーBachelor of Journalismでは、実際にどのようなことを学ばれましたか?
1年次にはジャーナリズムの定義や倫理など基本的な科目を主に学びましたが、正直面白くはなかったです。やりがいのあったことは取材や執筆で、難しかったことは取材する人とのアポ取りです。計画から取材、スケジュールの設定、執筆、映像編集まですべて自分で行った課題もいくつかありました。3年次では、ゴールドコースト大学病院に努める四股麻痺の医者の方のドキュメンタリーを作成しました。このプロジェクトでブリスベン・ゴールドコースト間を車で合計5往復しました。
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髙橋さん自身がインタビューとディレクションを手掛けた作品です。
ー撮影や機材の使い方についても、授業で学ぶ機会はありましたか?
授業では、撮影やハードウェアの使い方も勉強しました。カメラやマイクのセッティングから、レコーディングブースでの機材の扱いまで、実際に手を動かしながら身につけていきます。お気に入りの勉強スポットとして挙げたJoyce Ackroyd Buildingのレコーディングブースでは、ヘッドホンをつけてミキシングコンソールに向かい、録音した音声の編集作業に取り組みました。
英語でジャーナリズムを学ぶ難しさと、AI時代の課題・試験
ー英語でジャーナリズムを学ぶ上で、難しかったことはありますか?
英語自体は自分で勉強すれば何とかなりました。難しかったのは現地のポップカルチャーについていくことです。グループでほかの学生が最近の芸能ネタについて話しているときに会話に入れなかったことが何度もありました。課題については、課題を進めるにあたって都度チューターからフィードバックをもらうようにしていました(チュートリアルの後など)。
ー課題や試験の形式、そしてAIとの向き合い方について教えてください。
エッセイやレポートを書いて提出するだけのような単純な課題は少なく、プレゼンや映像制作などが中心でした。映像編集も、業界で最も一般的に使用されているPremiere Proを使うことが義務でした。AIが広く使われるようになった今、オリジナリティが常に求められます。特にジャーナリズムでは新しいストーリーに常に切り込んでいくことが必要なので、辞書として使うこと以外AIの使い道が特にないです。自分で調べて足を運んで編集することが一番身になると思います。
UQのサポート体制と、お気に入りの勉強スポット
ーUQの大学からのサポート体制はいかがでしたか?
キャンパス内にあるStudent Centralに行けば大体の問題は解決します。各科目の質問はそのチューターが答えてくれます。メールでの質問も24時間以内に返答が得られることがほとんどで、そういった意味でのサポートは充実していると思います。逆に、自分から何もアクションを起こさないと置いて行かれます。
当時はWoolloongabbaに住んでいたので、St LuciaキャンパスはPA Hospital駅からバスで10分でした。キャンパス内の駐車スペースは場所にもよりますが1日で20ドル近く取られることもあり、そもそもスペースが見つからずに授業に出られないことも何度かありました。
私のルーティンはCentral Library下のBook Mark Cafeでコーヒーを買ってからUQ Collegeの建物の近くのJoyce Ackroyd Buildingに籠ることです。あまり知られていないスポットで静かです。Central Libraryはかなり混んでいてうるさいのでおすすめしません。
ブリスベンでの生活と、自分自身の変化
ーブリスベンでの生活や、留学を通してご自身が変化したと感じる点を教えてください。
住居探しはかなり苦労した覚えがあります。詐欺にあったこともありました。例えばボンドを払ったものの引っ越し当日に連絡がつかなくなったり、別の場所ではボンドを勝手に修理に使われたりもしました。
交通に関しては、バスが時間通りに来ないことが多かったため、ブリスベンで免許を取って車を買うことに決めました。メンテナンスやガソリン代など、費用の面では多くかかりますが、生活を大きく豊かにしてくれた一番の決定でした。
食事については渡豪前は少し心配もありましたが、日本食スーパーもいくつかあり、自炊で解決できた部分も多かったです。時間に余裕があれば週に1、2回、向こう4、5日分の昼食と夕食を作って冷蔵庫に入れておくこともあります。
9Newsでのキャリアと、次の挑戦・News24へ
ー9Newsで働き始めた経緯を教えてください。
大学3年次の2025年9月、9Newsでインターンシップをさせてもらう機会がありました。その際に自分から一人一人に自己紹介をして、学べることはすべてノートに記しました。
その年の12月ごろに電話をもらい、フルタイムのオファーがありましたが、学生ビザの関係で断らざるを得ませんでした。しかし翌年の1月にカジュアルのポジションのオファーがあり、面接を通して採用という形になりました。
ー学業と仕事を両立する上で、工夫されたことはありますか?
学生ビザであればフルタイムの就労はできないので、カジュアルやパートタイムでの採用になると思います。実際に9Newsからカジュアルのオファーをいただいた際には、水曜日に確実に入れることが条件だったので、それに合わせて大学の時間割を調整しました。
現地の会社に就職することは簡単ではないと思います。理由としては、市民や永住者を優先する企業が多いこと(ビザの問題)、求められる英語力が高いこと、インターンなどの経験に欠けること、などです。
ー卒業後の進路について教えてください。
大学を卒業してすぐ485ビザを申請しました。その後すぐにフルタイムの仕事の応募を始め、先週、News24でフルタイムの仕事を獲得することができました。その仕事のために来月からシドニーで生活します。そこでしばらく働き、スポンサーを狙っていこうと考えています。
これからオーストラリアの大学進学を考えている方へ
ーこれからオーストラリアの大学進学を考えている方へ、アドバイスをお願いします。
アドバイスは2つです。
1つ目は経済面です。学費は上がり続けている上、ボンドなど予期せぬ出費もあります。私自身、ボンドを払った直後に引っ越し当日で連絡が取れなくなったり、別の物件ではボンドを勝手に修理費に使われたりする経験もしました。こうしたトラブルに巻き込まれても対応できるよう、予算は多めに、かつ余裕を持って組んでおくべきだと思います。また、キャンパス内の駐車場は1日20ドル近くかかることもありますし、車を持てば維持費もかかります。学費だけでなく、こうした生活の細かい出費まで見込んでおくことをおすすめします。
2つ目は英語です。学校の英語に加えてIELTSの勉強をできるだけ早く始めてください。そして英語に毎日触れてください。UQ Collegeのファウンデーションプログラムは、最低IELTS5.5から入学できます。ただ、それはあくまで入学できる最低ラインです。実際に授業についていき、友人と自然に会話をし、生活を心から楽しむには、7.0くらいは欲しいというのが実感です。入学基準を満たしたからといって安心せず、そこからさらに英語力を伸ばし続けてください。
専攻や進路は、留学の途中で変わることも珍しくありません。自分自身、最初はBachelor of Business Managementを目指していましたが、途中でジャーナリズムへ専攻を変更しました。もし同じように迷うことがあれば、一人で抱え込まず、担当のスタッフになるべく早く相談してください。早めに動けば、専攻や進路の変更は問題なく解決します。
スタッフからのコメント 髙橋さん、ご卒業おめでとうございます。9NewsからNews24へ、新しい挑戦が決まったとのこと、本当に嬉しく思います。
先日、シドニーへ移る前に、ブリスベンで一緒にコーヒーを飲みながら、これまでの4年間を振り返る時間をいただきました。
高校2年を修了したタイミングでの単身渡豪。正直、最初は驚きました。ただ、ご本人の意志は最初からとても固く、ご両親も「それがベストな方法なのであれば」と背中を押してくださったと伺いました。
ファウンデーションの途中で、ビジネスマネジメントからジャーナリズムへ専攻を変更。成績が読めない段階での志望変更は、リスクにも見えます。しかし、その選択が2025年9月の9Newsでのインターンシップ、2026年1月のカジュアル採用へと、まっすぐつながっていきました。
2025年12月には、フルタイムのオファーを学生ビザの都合で一度見送らざるを得ませんでした。それでも1ヶ月後にはカジュアル採用が決まり、卒業後には485ビザを取得してNews24でのフルタイムの仕事へ。
インターン中、一人ひとりに自己紹介をして、学んだことをすべてノートに記していたと伺いました。今回の結果は、運ではなく、その積み重ねの先にあるものだと思っています。
これからシドニーでの新しい生活が始まります。ブリスベンに戻ってくる機会があれば、また一緒にコーヒーでもいかがでしょうか。今度は卒業後の話を、ゆっくり聞かせてください!