| +++Yuさんの留学プラン+++ |
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■日本の大学で建築学の学士号を取得・卒業⇒日本の大学院(建築専攻)に入学⇒海外留学へ進路変更(自主退学)⇒実務経験を積みながらタスマニア大学への留学準備
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■2024年1月 English Language Centreにて語学コース(EAP / 20週間)を受講&修了
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■2024年7月 Master of Architectureに入学(ロンセストンキャンパス)
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■2026年6月 Master of Architecture 修了
※卒業生ビザ(Temporary Graduate visa)を取得
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■現在 ブリスベンへ拠点を移し、オーストラリア現地での建築家としてのキャリアスタートに向けて就職活動中 |
日本での学びからUTAS進学に至るまで
ー留学前のバックグラウンドと、オーストラリア留学を決意された経緯を教えてください。
日本の大学で建築学を専攻し、デザインを中心に学んでいました。卒業後はそのまま日本の大学院に進学したのですが、学部時代に全力で走り切った反動もあり、一度立ち止まって自身の進路を見つめ直すことにしました。
その中で「幼少期からの憧れだった海外留学に挑戦したい」という強い想いを再確認し、お世話になっていた教授に相談のうえ、留学準備へ踏み出すことを決意しました。その後約1年間は、旅行や自主的なリノベーションプロジェクト、建築事務所でのアルバイトなどを通して知見を広げながら、渡航準備を進めていきました。
ー 数ある大学の中から、なぜUTASを選ばれたのですか?

日本の大学時代の教授(イギリス人)がかつてオーストラリアで教えていた影響もあり、もともとオーストラリアへの留学は視野に入っていました。その中でもタスマニア大学(以下、UTAS)を選んだ最大の理由は、「サステナブル(持続可能)な建築設計」に非常に力を入れていたからです。サステナビリティをあらゆる角度から学べる環境に魅力を感じ、進学を決めました。
ー 出願に向けたポートフォリオや英語の準備はどのように進めましたか?
学生時代から建築関係のアルバイトを多数経験(5社以上)しており、応募の都度ポートフォリオを作成していたため、作品の準備自体はスムーズでした。苦労したのは英語化ですが、英語が得意な母の協力や大学時代の教授からの指導を受けながら完成させました。
また、Masterでの本科受講前には、UTASの付属語学学校で20週間の語学コース(EAP)を受講しました。日常会話はもちろん、論文の引用方法(Referencing)や言い換え(paraphrase)といったアカデミックライティングの基礎を学べたことは、その後の大学院での課題作成に大変役立ちました。
Masterが開始!少人数制と対話型の学び、恵まれた設備環境
ー 日本の大学&大学院とUTASでの学びには、どのような違いがありましたか?
一番の違いは「能動的な授業スタイル」と「少人数制による密度の高さ」です。日本の大学では1学期に約8科目を履修し、座学を中心とした受け身の講義が多い傾向にありました。一方、UTASでは1学期あたり約3科目に絞られており、1コマあたり最低3時間以上のまとまった時間が確保されています。講義を聞くだけでなく、ディスカッションを通して自分の意見を深め、課題に対して能動的に探求していくスタイルが自分には非常に合っていました。
また、日本の大学では1学年100人規模のことも多いですが、UTASの建築課程は1クラス10〜20人程度の超少人数制です。教授を独り占めできるような距離感で、質問や相談もしやすく、自分の考えや意図をしっかりと設計やデザインに反映させるプロセスを評価してもらえる点も大きな魅力でした。
ー キャンパスの設備や環境はいかがでしたか?
少人数だからこそ活用できる、非常に贅沢な環境が整っています。建築学科の建物(ワークショップ)の最上階には学生一人ひとりに固定デスクが割り当てられており、私物を置いたまま集中して模型製作や課題に取り組むことができました。

周りにはいつもクラスメイトがいて、声を掛け合いながら一緒に切磋琢磨できる雰囲気もすごく良かったです。
さらに、3Dプリンターやレーザーカッター、木材を加工する大型のCNCマシンといった先端機器も自由に利用できます。

日本の大学のように予約待ちでなかなか使えないというストレスがなく、使いたい時にいつでも制作に没頭できる環境は本当に恵まれていたと感じます。
サステナビリティの探求と、実務を見据えた実践的プロジェクト
ー タスマニアという土地柄、サステナブル建築の学びはどのように深まりましたか?
タスマニアは豊かな自然が身近にあるため、街全体にサステナビリティの意識が深く根付いています。授業でも単に建物のエネルギー効率を高めるだけでなく、使用する素材の製造工程で排出される二酸化炭素量まで議論するなど、社会面・環境面といったあらゆる角度からサステナビリティを学びました。
たとえば「Sustainable Culture」という授業では、オーストラリア先住民(アボリジニ)の価値観や文化の視点を建築設計にどう取り入れるか、ガイドラインや映像制作を通して試行錯誤しました。また、窓枠の断面詳細図(1/5スケールなどの精密なディテール図)を描き、どうすれば室内の暖かい空気を逃がさない構造にできるかを徹底的に検証するような、非常に実践的な授業もありました。
ー 大学院ならではの専門的な学びや、印象的だったプロジェクトを教えてください。

学士課程(Bachelor)では自由な発想やデザイン表現が重視されますが、修士課程(Master)ではオーストラリアの建築基準法などの法律を踏まえた、より実務的・概念的な設計が求められます。クライアントとの契約実務をはじめ、資金管理や時間管理など、将来独立した際にも直結する知識を深く学べたことは大きな収穫でした。
特に印象に残っているプロジェクトは次の3つです。
◇シリア・アレッポを題材にした都市計画・設計課題

街の再建をテーマに、学生が「ビジネスオーナー」や「環境大臣」などの役割分担をして議論を行いました。都市計画の方向性を固めたうえで、各自が担当する敷地で設計を具体化させていきました。
◇オートランズ(Oatlands)を題材にした敷地模型と建築提案

タスマニア州に実際にあるOatlandsという町を題材に、大型の木製立体敷地模型を自分たちで削り出し、そこに3Dプリンターで作った建築提案を配置して発表しました。少人数だからこそ実現できた、とても贅沢な課題です。
◇ブッシュファイア(森林火災)をテーマにした卒業制作・課題(Proposition Studio)

タスマニア州で頻繁に起きるブッシュファイアをテーマに、既存の建築法規(BCA)を分析することからスタートしました。従来の法規が「人間の命や財産を守ること」のみに焦点を当てている点に着目し、「人間だけでなく、地域に生きる野生動物の生命も守る建築法規があったらどうなるか」という新たな視点を提示し、自ら考案した法規とコンセプトをベースに、人と自然・野生動物が共生しながら学べる「ワイルドライフ・ラーニングセンター」の設計を卒業課題として仕上げました。
また、UTASでは少人数制を生かし、半年に一度の学生展示会や年度末の大展示会にて、全学生が自分の作品を発表・展示できる機会が用意されていたことも大きな財産となりました。
多様な価値観に触れるキャンパスライフと、タスマニアでの自然豊かな暮らし
ー クラスメイトの雰囲気や国籍のバランスはどうでしたか?
オーストラリアのローカル学生(タスマニア州出身者やシドニーなど本土からの進学者)と留学生の割合がちょうど半々くらいでした。留学生の国籍はマレーシア、シンガポール、イラン、バングラデシュ、カナダなど非常に多様で、日本人は私一人という環境でした。
また、学士号からのストレート進学だけでなく、数年〜10年ほど実務経験を積んでから学び直しに来た社会人学生も多く、さまざまな価値観やキャリア背景を持つ仲間から多くの刺激を受けました。
※仲間とは寿司パーティーもしました!
ー 設計の考え方や授業での学びにおいて、日本との違いを感じた点はありますか?
南半球にあるオーストラリアでは太陽が北側を通るため、日本とは日当たり設計の考え方が真逆になる点など、環境面での新鮮な発見がありました。また、設計において「なぜこの形や配置にしたのか」というコンセプトや論理的背景(ロジック)を根拠立てて説明することが強く評価される点も、日本との違いとして非常に印象的でした。
ー インターンシップではどのような経験をされましたか?
コースの科目の一環として、ホバートにある3人規模のアットホームな個人建築事務所で2週間の実践インターンシップを行いました。実際のクライアントとのミーティングに同席させていただいたり、工事現場へ直接足を運んだりと、オーストラリアにおける建築実務の具体的な流れを間近で体感できる貴重な機会となりました。
ー キャンパス周辺の環境や、大学からのサポートはいかがでしたか?
キャンパスのあるロンセストンは静かで自然豊かな素晴らしい環境です。近くにある「カタラクト・ゴージ(Cataract Gorge)」へ足を延ばせば、野生のワラビーやポッサムに出会えるなど、タスマニアならではの魅力を日常で感じられます。
※マリア島(Maria Island)では、野生のウォンバットがたくさんいます!
課題が多い時期はハードでしたが、休日は友人たちとハイキングやサーフィン、ピクニックを楽しんでリフレッシュしていました。
なんとロンセストンでオーロラを見ることができました!

大学側のサポートはとても充実しています。留学生向けに無料の食料支援を行っていたり、学内コミュニティガーデンで栽培した野菜を配布していたり、格安で参加できるブッシュウォーキングなどのツアーを企画してくれたりと、生活面でのサポートが非常に手厚かったことも印象に残っています。
今後のキャリア形成と、留学生へのメッセージ
ー 2026年6月に大学院を修了されましたが、現在の活動と今後の展望について教えてください。
無事にMaster of Architectureを修了し、現在は卒業生ビザ(Temporary Graduate visa)を取得してブリスベンへ拠点を移しました。まずは現地の建築事務所で就職し、実務経験を積みながらオーストラリアでの建築家登録(Registered Architect)を目指したいと考えています。
UTASで学んだサステナブル建築の知識や、さまざまなバックグラウンドを持つ仲間ととことん議論し合った経験は、これから現地で建築家として挑戦していくうえで、間違いなく自分自身の大きな強みになると感じています。
ー 最後に、オーストラリア留学やUTASへの進学を検討している方へメッセージをお願いします。
社会人を経験したり、日本の大学院を途中で離れたりして留学を目指す場合、「本当にこの選択で合っているのだろうか」と不安になることもあるかもしれません。私自身も一度立ち止まって悩んだ時期がありましたが、思い切って自分の「やってみたい」という気持ちに正直に行動したことで、素晴らしい環境と最高の仲間に出会うことができました。
UTASは、少人数だからこそ教授やクラスメイトとの距離が近く、サステナビリティをはじめとする最先端の視点をとことん深められる素晴らしい大学です。もし挑戦したい想いが少しでもあるなら、ぜひ自信を持って一歩を踏み出してみてください。