【体験談】自分だけの「音」と「声」を見つけた!TAFE NSWで学ぶ音楽制作

Rinaさん | シドニー | TAFE NSW | Music - Sound Production

日本の大学で音楽を学んだ後、自分の音楽の原点となる海外で、より実践的なスキルを身につけるため、オーストラリア・シドニーのTAFE NSWに進学を決めたRinaさん



理論中心の「座学」から、徹底した「実践主義」の学びへ。言葉の壁などさまざまな試練を乗り越え、最新の音楽制作技術と「自分の個性を肯定する強さ」を手に入れた、Rinaさんの留学生活をご紹介します。



「将来、音楽に携わる仕事がしたい」「英語でクリエイティブなことを学んで、可能性を広げたい」と考えている方にお薦めの体験談です。




留学者情報 Rinaさん(シンガーソングライター)
留学先 オーストラリア・シドニー(TAFE)
コース1 Academic English
コース2 Certificate 4 + Diploma of Music (Creation and Composition)
コース期間 1年3ヶ月

留学のきっかけ|なぜJ-POP中心の環境から、オーストラリアへ?



幼い頃からディズニーチャンネルを見て育ったこともあり、海外で英語を話しながら生活することが私にとって一つの大きな夢でした。


日本の大学でも音楽を専攻していたのですが、そこでの授業は「J-POP中心のノウハウ」を学ぶものでした。でも、私が本当に惹かれていたのは洋楽のルーツや、英語の環境で作られる音楽でした。


自分の好きな音楽をより深いレベルで学び、英語圏の音楽シーンの空気に直接触れてみたいという思いが強くなり、思い切ってオーストラリアへの留学を決意しました。



シドニーでの学び|日本の大学と比べてどのような違いがありましたか?



学ぶ内容が全く違いました。日本の大学は理論重視の「座学」寄りでしたが、私が通ったシドニーのTAFEは「徹底した実践」でした。


「学んだことをすぐに使って課題をこなす」というスタイルの連続で、特に「Ableton Live」という音楽制作ソフトを使ったサウンドデザインや、ミキシング、マスタリングといった非常にニッチ(マニアック)で専門的な部分まで踏み込んで教えてくれたのが良かったです。



プロの音作り|具体的にどのようなプロ技術を学んだのでしょうか?



授業では、作った楽曲を世に出せるよう、様々な方法で曲を磨いて行く技術を学びました。


例えば、ただ音を入力するだけだと、同じ周波数(音の帯域)がぶつかりあってクラッシュしてしまうのですが、重なる周波数を適切に削って「音の交通整理」を行ったり、ボーカルの録音時に空気の振動特性も相まって、非常にノイジーで耳障りになってしまう周波数帯だけを適切にコントロールするなど、聞きやすく処理する技術を学びました。


こうした「自分の楽曲を世に出せるレベルまで美しく磨き上げるプロセス」は、日本の大学の座学では一切触れることのないものでした。

現地の第一線で活躍するプロから直接指導を受けられたことは、本当に贅沢で意義深い経験でした。



ユニークな課題|特にクリエイティビティが刺激されたアサインメントは?



下記の「ユニークな課題」は、私のクリエイティビティを刺激してくれました。



『スクリーン・コンポジション』(映像音楽)

学校から音の一切入っていない無音の映像データ(映画やCMなどのシーン)を渡され、「この映像の動きや世界観にぴったり合うサウンドトラックを自分で作る」という課題です。

私はシリアスな映画のオープニング曲や、ドラマの挿入歌のような作品を制作しました。「クライアント(映像)の意図やコンセプトに寄り添いながら、自分の感性を形にする」という、とても実践的な課題でした。



自分の世界観を『ソングライティング』で表現する

自分の頭の中にある世界観をどう音や歌詞に落とし込むかというロジックを学び、作品に落とし込む課題です。

例えば「I love you(愛している)」という感情を伝えたい時、その言葉を直接的に使うのではなく、ノートに「アイス(氷)」や「ファイアー(炎)」といった、その感情から連想される対照的なワードをどんどん書き出していきます。



そうして「連想ゲーム」のようにイメージを派生させていくことで、安易な表現にとどまらない、自分だけの深いオリジナリティを持った歌詞やメロディを構築していくアプローチは、非常に興味深く勉強になりました。



『オスティナート(Ostinato)』を曲に落とし込む

同じ音型やリフレインを何度も繰り返して曲を印象付ける音楽技法(オスティナート)を盛り込む課題です。

「デレレレ…」など、特徴的なフックになる音を曲中に繰り返し配置することで、リスナーに「あ、あの音だ!」と一瞬で自分の曲だと気づかせるための具体的なギミック(特殊方法)を、試行錯誤しながら曲に落とし込みました。



現役ミュージシャンへの『インタビュー&プレゼン』

フリーランスとして業界で自立するための科目での課題です。

私は最も信頼していたデイブ先生にインタビューをお願いし、アーティストとしてどう生きるか、タイムマネジメントやコネクションの重要性を聞き出し、デザインツール「Canva(キャンバ)」を使ってスライドにまとめ、クラスの前でプレゼンテーションを行いました。

技術面だけでなく、音楽家として生きていくための「マインド(気持ち)の保ち方」を深く学ぶ、大きな成長の機会となりました。



表現と個性の肯定|英語で歌う際の発音などで苦労することはありましたか?



実はそこが、音楽に対する考え方が大きく変わったポイントでした。英語で歌う時に、どうしても日本的な発音の癖が出てしまうことがあったのですが、先生や周囲の人たちは「それはあなたの『個性(オリジナリティ)』じゃない?」と言ってくれたのです。


完璧な発音の型に無理やりはめるのではなく、私自身の声やバックグラウンドを一つの魅力として肯定してもらえたことは、アーティストとしての大きな自信に繋がりました。



教員からのサポート|現役アーティストの先生方からはどんなサポートを受けましたか?



はい、本当に先生方に恵まれました。教えてくれる先生全員が、音楽教師であると同時に現役のアーティストとして活動しているんです。何を聞いても現場目線ですぐに答えが返ってきますし、技術面だけでなく「アーティストとしてどう生きるか」というマインドセットも教わりました。


タイムマネジメントの大切さや、セルフプロデュースの方法、コネクションの作り方まで具体的に教えてもらい、定期的に「自分を信じよう」とメンタル面をサポートしてくれたことも非常に心強かったです。



語学学校での試練|留学初期に直面した大きな壁をどう乗り越えましたか?



留学して最初の3ヶ月、語学学校に通っていた時期はメンタル的にも本当に大変でした。ある厳格な先生のプレッシャーに耐えきれず、悔しくて泣いてしまったことがあったんです。


以前の私は「人に頼らず強がるべきだ」「他人本位で生きてはいけない」と思い込んでいたのですが、その時にヘッドティーチャーに「助けてほしい」と正直に相談したことで、状況を打破することができました。


「自分が本当に苦しい時には、抱え込みすぎずに『助けて』と声を上げること、『誰かに頼ること』もまたやり抜くための大切な強さなんだ」と身をもって学びました。この心の成長は、留学生活で得た最も価値のある変化だったと感じています。



クラスの雰囲気と仲間|留学生一人というタフな環境で、周りはどんな雰囲気でしたか?



私の在籍した電子音楽制作コースは、最初は1クラス10人から15人ほどでスタートし、後期にはさらに半分ほどの少人数に分かれました。留学生は私一人で、日本人もクラスメートにはいなかったため、非常に厳しい英語環境でした。



クラスメートは多世代かつ国際色豊かで、初心者からすでにキャリアのあるプロまで多様な顔ぶれでした。特に刺激を受けたのは、デザイナーとしての本職を持ちながら長年プロDJとしても活動する年上の同級生です。卒業制作でAbleton Liveの音と自作の3D映像を完璧に同期させた圧巻のパフォーマンスを披露するなど、その作りの凄さに圧倒されました。



パフォーマンスコースの学生たちは、外向的で陽気なノリだったのですが、私たちの制作コースは基本的に内向的で、ノートPCの画面に向かってそれぞれが独自のサウンドを構築するために、自分の世界に入り込んで黙々と作業に没頭する「職人肌」のタイプばかりでした。その「静かだけれど、互いのクリエイティビティをリスペクトし合う独特な熱量」は、とても心地が良く、刺激的な空間でした。



アルバイトと休日|学業以外のプライベートな時間はどう過ごしていましたか?



休日の時間は、アルバイトに費やしていました。シドニー市内の日本の和食居酒屋でウェイトレスをしていたのです。


慣れない仕事でクタクタになることもありましたが、そこはご飯がどれも本当に美味しくて、働く一番のモチベーションは「美味しいまかない(ご飯)」でした(笑)。お昼のシフトが終わると、みんなで温かいカレーを作って食べたりしていましたが、お店の方がとても優しくて。お腹いっぱい食べた上で、さらにタッパー(コンテナ)にまかないを詰めさせてもらって大切に持ち帰り、毎日の生活の大きな癒やしと支えにしていました。


長期の休暇が取れた時には、少し足を延ばして自然の豊かなウロンゴンへ出かけたり、静かでローカルな雰囲気が漂う大好きな「マンリービーチ」に行って素晴らしい景色を眺めながら、制作で張り詰めた心と体を深くリフレッシュさせていました。



コラボと卒業ライブ|現地学生とのセッションやライブでの挑戦について教えてください



ある日の授業の合間、キャンパスで素敵なギターを弾く学生を見かけ、エントランスですれ違った際、「すごく素晴らしかったです。一緒に何かやりませんか?」と思い切って自分から声をかけました。


その小さな一歩をきっかけに意気投合して制作を重ね、卒業の日には有名なライブハウス「Lazy Bones」で彼をギタリストに迎えて共演を果たすことができたのです。


当日は事前のリハーサルが一切できないぶっつけ本番となり、自分の歌声が聞こえなくなるトラブルに見舞われましたが、「現場の音響エンジニアの方と連携することの大切さ」を身をもって学ぶ貴重な機会となりました。


自分から声をかけたあの一歩がなければ、あのステージに立つチャンスは訪れませんでした。内向的な自分が殻を破って行動を起こすことで、言葉の壁を超えて音楽で繋がれるという確信を得られた、生涯忘れられない経験です。



今後のビジョン|留学を経て見据えている、未来のキャリアやゴールは?


来年の3月にビザが切れるタイミングで、一度日本に帰国する決断をしました。日本で1年間、集中して「日本語教師」の国家資格を取得するためです。


私の強みは、日本語と英語の両方で感情を乗せて歌い、表現できることです。ただ単に発声や歌唱の技術を教えるだけのボイストレーナーではなく、音楽という共通言語を通して、「英語の文法」と「日本語の文法」の双方を曲の歌詞を通じてシームレスに教えられる、これまでにないハイレベルなボイストレーナーになることが、私の長期的なゴールです。


オーストラリアでの生活の中で、日本語と英語の歌詞の対比について深く考えるようになりました。英語の歌詞はストレートでダイレクトに心に突き刺さる強さがある一方で、日本語の歌詞は言葉の選択がとても複雑で、まるで「多様な感情を内包する深い器」のような面白さと深みがあります。


日本語教師の勉強を始めてみて、非母語話者の目線から日本語を捉え直すことがとても新鮮で、言葉を掘り下げていくことの面白さに引き込まれました。この「両言語のカルチャーの良さ」を、音楽というフィルターを通して世界に伝える指導者になりたいと考えています。


そのために、家賃を払うためのアルバイトに多くの時間を奪われてしまう海外での生活から一度距離を置き、実習なども伴う資格の勉強に向けて、日本でしっかり自分自身の未来のために時間を投資しようと決めました。



未来の留学生へ|これから音楽留学に挑戦する人へメッセージをお願いします



洋楽のサウンドスケープ(音の風景)が好きな人、あるいはAbleton Liveを用いた本格的なDTM(音楽制作)の技術、サウンドデザイン、エンジニアリングを極めたい人にとって、オーストラリアでの学びはこれ以上ないほど素晴らしい環境です。


教材や課題の参照元はすべてビリー・アイリッシュなどの現代的な洋楽がベースであり、それを自分で解体してリミックスするような、最先端の実践的でエキサイティングな課題を楽しむことができます。


私にとって、シドニーでのこの1年間は、多くの葛藤や孤独、言葉の壁を乗り越えて進む、まさに人生の「修行」そのものでした。


しかし、現役アーティストの先生方との出会いや、多世代の職人たちとの静かな切磋琢磨、そして自分から行動を起こして勝ち取ったライブステージなどを通じて、自分自身のやりたいことが驚くほどクリアになりました。


勇気を出して一歩を踏み出せば、そこには完璧な型に自分をはめ込むのではなく、あなたにしか表現できない、新しく磨き上げられた「個性」との出会いが必ず待っています。



【Rinaさんの卒業ライブです!】

豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号G176)
留学カウンセラー歴19年。 日本の大学卒業後、社会人を経てオーストラリアへ。ワーホリ、語学留学を含めさまざまな経験を重ねてきました。 長年シドニーで留学生を見てきて感じるのは「留学で本当に大切なのは、入学することではなく、現地で勉強を無事にやり遂げ、その先に繋げること」だということです。 留学カウンセリングでは、私自身の経験と知識をシェアしながら、あなたにベストな留学プランを一緒に考えていきます。そして、留学中、思いがけない壁に直面した時も、現地シドニーでいつでも頼れる存在として、無事コース修了までしっかり見守り、サポートします。 このカウンセラーに質問する

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