Kengoさんの留学プラン 2021年3月 高校卒業
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2021年7月 ディーキン大学附属語学コース(DUELI)を10週間受講
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2021年10月 ディーキンカレッジにてFoundation Program受講
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2022年7月 ディーキン大学にてBachelor of Exercise and Sport Scienceコースを開始
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2025年6月 上記コースを修了
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2026年4月 勤務開始予定
私がディーキン大学を選んだ理由
ーオーストラリアへの留学、そしてディーキン大学を選んだ理由は?
日本の大学も受験しましたが、最終的に「Exercise and Sport Science」を学ぶなら、この分野が進んでいるイメージがあるオーストラリアの方がいいと考えました。
特にディーキン大学はオーストラリアの中でもスポーツ科学の分野でかなり有名ですし、実技に重きを置いているのが魅力でした。インターンシップが2回あるという点も大きかったです。
また、ファンデーションプログラムから学部(Bachelor)に進学する際の期間が比較的短いという印象もあり、ここに決めました。実際に通ってみて、やはり現地での知名度や信頼度は抜群だと感じました。
ー日本の大学と比較して、具体的にどのような違いを感じましたか?
日本ではある大学のスポーツ科学系の学部を目指していました。実際にその大学で教えている先生と話す機会があったのですが、どちらかというと「コーチング」よりは「体育」を学ぶイメージでした。
卒業後は体育教師になる人が多く、最先端のコーチングやスポーツ科学を専門に学ぶ人は少ない印象を受けました。
日本の大学は実技としての体育の授業が多いですが、オーストラリアでは体育の授業はありません。その代わり、座学や実技を通して「人にどう教えるか」を学ぶ授業が非常に多いです。将来スポーツ分野に関わりたいなら、自分にはオーストラリアで学ぶほうが向いていると確信し、ディーキン大学を選びました。

ディプロマとファンデーションの意外な違い
ー大学進学にあたって、Diploma(ディプロマ)とFoundation(ファンデーション)のどちらのルートを選ぶか迷う学生も多いと思います。どのように決断しましたか?
私が留学を決めた当時はまだコロナ禍で、入国制限がある状況でした。ディプロマをオンラインで受講することに少し不安があったため、まずはファンデーションプログラムから開始することにしました。
実際、英語コースとファンデーションプログラムからの半分は日本からオンラインで受講し、残りの半分でようやく渡航できたのですが、当時はまだ対面とオンラインが混在している時期でした。
ー実際にディプロマ経由の話も聞く中でどのような印象を持っていますか?
私の学年には日本人がほとんどいなかったのですが、下の学年の日本人学生と話す機会があり、ルートによる「手応えの違い」が見えてきました。
ディプロマ経由で進学する最大のメリットは、ファンデーションプログラムよりも卒業までの期間を1年短縮できることです。ただ、話を聞いていて感じたのは、ディプロマはBachelor(学部)の1年目に比べて、課題などの採点基準が少し「優しい」傾向にあるのかな、という点です。
もちろんスムーズに卒業できる良さはありますが、2年次からBachelorへ編入した際、急に大学本来の厳しい採点基準に切り替わるため、そのギャップで苦労する可能性はあるかもしれません。
ーファンデーションプログラムからBachelorの1年次に入ることのメリットは何でしょうか?
学部1年次(Bachelor)からしっかり入ることで、選択科目をより多く取れるというメリットがあります。ディプロマから2年次に入るより履修科目の柔軟性があるので、自分の興味に合わせて学びを広げやすいです。
もちろん、どちらのルートにもメリット・デメリットはあると思います。ただ、私のようにファンデーションから入ると、約8ヶ月間という時間をかけて(Kengoさんの場合)、英語での授業の進め方や友達作りにじっくり慣れることができます。大学1年次(Bachelor)に進む前に、現地の仕組みをしっかり理解した状態でスタートできる安心感は非常に大きかったです。
スポーツ科学の施設が充実。大学での実践&実験の日々
ー授業の内容はかなり専門的だと聞きました。特に印象に残っている講義はありますか?
2年生の選択授業で受けた「Advanced Sport Coaching Theory and Practice(応用スポーツコーチング理論と実習)」ですね。これは自分でスポーツを選び、メニューをゼロから作ってクラスメイトに実践させ、最終的にアスリート向けのフィードバックを行うというものです。私はサッカーを選びました。
今まではグループワークが多かったのですが、一人で全てを考え、相手の反応に合わせて臨機応変にアドバイスを変える必要があり、非常に柔軟性を鍛えられました。10分間の発表ですが、プレゼンとは違い、相手がどう動くかによってこちらの指示も変わります。大変でしたが、受けて本当に良かったと思える授業です。

あとは「Exercise Physiology(運動生理学)」。これは毎週実験があるコア科目です。4〜5人のグループで、自転車を漕ぎ続けて血糖値や心拍数、最大酸素摂取量の変化を測定し、レポートにまとめます。
ーディーキンならではの設備についても詳しく教えてください。
※写真提供:ディーキン大学
本当に凄いです。キャンパス内には温度や湿度を自在に調整できる環境制御室(Climate Chamber)があり、猛暑や極寒の環境がスポーツにどう影響するかを自分の体で測定します。
※写真提供:ディーキン大学
他にも巨大なジムがあったり、約1億円相当の「3D Dementional Motion」カメラが設置された部屋があります。カメラの下で動くだけで身体の動きが可視化されたり、パワープレートで地面反力や滞空時間を計測できたりします。
※写真提供:ディーキン大学
「Clinical and Sport Biomechanics(臨床およびスポーツ生体力学)」という授業では、これらの機材を使い、自分たちで実験内容を決めて研究します。私たちはスクワットの角度と滞空時間の関係を調べました。これほど高度な機材を使い、自分たちで研究を組み立てられる環境は、ディーキン大学ならではだと思いますし、日本の大学ではなかなか経験できないと思います。
ローカル学生が9割。助け合いながら挑む、ストイックな学習環境
ー学部(Bachelor)に進んでから、大変だったことはありますか?
やはり言語面です。学部に移った途端、周りはほぼネイティブのオーストラリア人。採点も一気に厳しくなり、パスするだけでも必死でした。
ちなみに、私の学年では日本人は私一人だけでした。留学生自体もクラスの1割程度で、教科によっては自分以外全員ネイティブということも珍しくありません。平均してクラスに1〜2人留学生がいれば「あ、他にもいるんだな」と感じるくらいの少なさでした。
ークラスメイトにはどのような人が多かったですか?
意外に思われるかもしれませんが、女性が非常に多いです。全体で見ても「女性6:男性4」くらいの比率ですし、クラスによっては8割が女性ということもありました。
オーストラリアではこのコース卒業後に「フィジオ(理学療法士)」を目指す人が圧倒的に多く、この分野は女性に人気があるんです。ローカル学生の約9割は、学部卒業後にさらに専門的な「Master of Clinical Exercise Physiology(臨床運動生理学修士)」へ進学することを視野に入れています。
ークラスの雰囲気や、学生たちのバックグラウンドはどうでしたか?
年齢層は18〜23歳くらいがメインですが、なかには20代後半でキャリアチェンジを目指して入学してくる人もいて、多様な背景を持った学生が集まっています。
また、「スポーツサイエンス」と「スポーツビジネス」の両方を学ぶ「ダブルディグリー」をとっている人も割といました。私自身が2学期(第2トリメスター)から入学したことや、こうしたダブルディグリーの学生が多いことも重なって、毎学期クラスメイトの顔ぶれがガラッと変わることもありました。
クラスメイトはみんな本当に親切で、先生の説明が聞き取れなかったときなどは快く助けてくれました。グループ課題でもお互いに協力し合える、とてもポジティブな雰囲気でした。
ー勉強の進め方はどうしていましたか?
ディーキン大学はタイムテーブル(時間割)の選択肢が多く、非常にフレキシブルです。私は週3日の午前中に授業をまとめ、午後はジムでのトレーニングや野球の練習、そして課題を終わらせる時間に充てるなど、自分なりのリズムを作っていました。
履修のペースも自分に合わせて調整できます。1学期に4教科を履修していましたが、現地学生の中には「4教科は負担が大きすぎる」と3教科に絞っている人もいました。こうした柔軟な調節が効くのも、3学期制を採用しているディーキンならではの良さだと思います。
また、ファンデーションコースで8ヶ月間じっくりと「英語での課題の書き方」や「授業の仕組み」を学べたことは本当に大きかったです。いきなり学部の授業に飛び込むのではなく、基礎を固めた状態でスタートできるファンデーション経由のルートを選んで正解だったと感じています。
現場で掴んだ自信:2度のインターンシップ経験
ーインターンシップについても教えてください。
実習は2回あり、1回目は80時間、2回目は140時間の経験を積みます。
1回目は大学のサポートを受け、「PACE Health Management」という、慢性疾患の管理やリハビリを包括的に行うヘルスケアクリニックで行いました。ここは年間200人ものディーキン生を受け入れているクリニックで、「ディーキンの学生なら間違いない」という強い信頼関係のもと、仕事を任せてくれていた感覚がありました。
月〜金の朝6時半から実習をこなし、その後に大学の授業に出るというハードな生活でしたが、医療的な視点を持つプロの現場を肌で感じられたのは大きな収穫でした。
ー2回目はどのようなところで経験されましたか?
2回目は民間のトレーニングジムを選びました。大学のプラットフォームを使って自ら応募し、お客様のフォーム修正やプログラムのサポートを担当したのですが、大学で学んだ理論をそのまま現場で活かせる感覚がとにかく楽しかったです。
何より嬉しかったのは、実習の最後にスーパーバイザーから「今まで見てきた実習生の中で、君が一番良かった」と最高の評価をいただいたことです。
実習中は指示待ちをせずに「今、自分にできることは何か」を考えて主体的に動くことを心がけ、実習期間の3ヶ月間、朝4時50分からの勤務や夜5時から8時までのシフトでも、一度も休まず遅刻もせずにやり遂げました。当たり前のことかもしれませんが、その積み重ねと一生懸命な姿勢を認めてもらえたことは、大きな自信になりました。

野球チームという完全ネイティブ環境で見つけた、英語上達の最短ルート
ー留学中に直面した最大の困難は何でしたか?
やはり、最初の「言語面」は本当に大変でした。留学前に想像していたよりもずっと、相手の言っていることが理解できなかったんです。自分が話すときも、簡単な単語ですら通じないことがあって、そのときはかなり苦労しました。
ーその状況をどのように打破しましたか?
とにかく「喋り続ける機会」を自分から作りに行くことが、英語を伸ばす鍵だと思いました。ネイティブが実際に使っている言い回しを意識して使ってみたり、会話の場を絶やさないようにしたり。その一環として、元メジャーリーガーや豪州代表もプレーするような名門クラブの地元の野球チームに入団しました。
ー野球チームに参加することでどんな変化がありましたか?
自分の興味があること(野球)を通じてなら、自然と会話が生まれました。16歳から50代まで幅広い層が一緒にプレーする環境だったので、社会人やリタイアした大人の方々とも繋がりができたこともいい経験になりました。
またボランティアで12歳以下の子どもたちに教える機会もあり、野球仲間と日常的に会話をしていたことが、結果として英語を伸ばす一番の近道になったと感じています。

スポーツ科学から「海外営業」への挑戦
ー卒業後の進路はどのように決めましたか?
日本の企業から内定をいただき、4月から「海外営業」として働きます。
当初は現地での就職も考えましたが、オーストラリアでもこの業界は人手が溢れていて、ネイティブでも仕事を探すのが大変な現状があります。
なので、日本の新卒採用の選択肢の広さを活かし、まずはスポーツ業界に絞らず、一般職を中心にビジネスの世界で勝負しようと考えました。面接では、スポーツ科学という異分野を学んだことは全くネックになりませんでした。むしろ「海外の大学で何を学び、どう行動したか」というプロセスや英語力を重視してもらえました。将来は海外勤務を希望しているので、それが叶う企業を選びました。
ー最後に、これから留学を考える方へアドバイスをお願いします。
英語で専門分野を学ぶのは簡単ではありません。でも、地元のコミュニティ(私の場合は野球チーム)に飛び込んで、好きなことを通じて会話を増やすなど、自分なりに楽しむ工夫をすれば道は開けます。
ディーキン大学で得られる最先端の知識と、現場で通用するスキルは、将来どの業界に進むとしても、今後揺るぎない自信になるはずです。