Sachieさんの留学プラン 2025年3月 ラ・トローブ・カレッジ(La Trobe College)へ入学(10週間)
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2025年6月 進学準備英語(English for Further Studies)コース修了
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2025年7月 ラ・トローブ大学のスタディー・アブロード・プログラムを開始
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2025年11月 スタディー・アブロード・プログラム修了
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2026年4月 大学復学予定
交換留学ではなく休学留学を選んだ理由
大学1年生のときから、在学している日本の大学が提供している交換留学への参加を目指していたのですが、残念ながら英語力などの必要条件を満たすことができませんでした。そこで、私費での休学留学をすることに決めました。
渡航前の英語力で直接入学できるオーストラリアの大学もあったのですが、「最初に語学学校で英語を勉強して、英語力のベースを整えてから大学に入ったほうが、より深い学びができるのは?」と考え、まずは10週間の進学準備英語コースで英語力を上げ、その後7月からラ・トローブ大学のスタディー・アブロード・プログラムに半年間参加するというプランにしました。
留学先にオーストラリアを選んだ理由
留学する目的の1つとして、「様々な国の人と関わりたい」という思いがあり、多文化な環境のオーストラリアはすごく魅力的でした。あとは、留学生活において生活しやすい環境は大事だと思っていて、その点でオーストラリアは他の国と比べて治安が良いことや清潔感があるということも大きかったです。

オーストラリアの中でも大きな都市に住みたかったので、メルボルンを選びました。また、メルボルンは世界で最も住みやすい都市のランキングでもいつも上位にランクインしているので、「いったいどんな場所なんだろう?」という好奇心もありました。

ラ・トローブ大学を選んだのは、いろいろな大学を調べる中でラ・トローブ大学の学生サポートがとても手厚いということを知り、興味を持ったのがきっかけです。大学のキャンパスがメルボルン郊外にあり、のんびりした環境で勉強に集中できるところも良いなと思いました。実際に、平日はキャンパスで勉強に集中して、休日はシティに遊びに行ってリフレッシュして、勉強と息抜きのバランスを取りながら過ごすことができました。
留学準備の流れ
もともと交換留学を目指して自分で情報などを集めていました。その後、目標を休学留学に切り替えて、大学3年生の9月頃にオーストラリア留学センターに問い合わせをしました。
最初の問い合わせ後には改めてTOEFLも受験しましたが、今の英語スコアで入学可能な大学のスタディー・アブロード・プログラムに直接参加するのか、英語コースを経由して今よりも高いスコアが求められる大学に行くのか、かなり悩みました。
担当カウンセラーの方にその辺りのアドバイスをもらい、最終的に進学準備英語コースを経由してスタディー・アブロード・プログラムに参加することに決めたのが10月くらいです。
留学前の英語学習 / 現地で受けた「オージー英語」の洗礼
もともと英語が好きで、高校時代から英検やTOEICに取り組んできましたが、大学入学後は留学に必要なスコアを取得するため、TOEFLの学習を軸に進めてきました。ただ、実際のオーストラリアの大学の授業で求められたのは、試験のスコア以上に「実践的な英語力」でした。
日本では教材での学習がメインでしたが、SNSやYoutubeなどをもっと活用して、現地の「生きた英語」に日常的に触れておけば良かったと思いました。

英語コースの初日に学校の受付の女性と話していて、オーストラリア特有の英語アクセントに驚かされたこともありました。私がメルボルンに到着した日の話になったとき、その方が「日曜日(Sunday)に着いたんだね。大学が閉まっていて大変だったでしょう」と明るく返してくれたのですが、その時の私の耳には「Sandai(サンダイ)」に聞こえて、「サンダイって何!?」と全く理解できず、パニックになってしまいました。
今では笑い話ですが、試験対策の勉強だけでは経験できない、現地ならではの「オージー英語」の洗礼を受けた忘れられない瞬間です。
基礎から力を伸ばせた進学準備英語コースでの学び
ラ・トローブ・カレッジの進学準備英語コースで10週間学びました。このコースは、基礎からゆっくり丁寧に教えてくれるという印象です。
大学の課題はエッセイが中心でしたが、参考文献の調べ方や、アカデミックライティング特有の文章構成、単語の選び方など、実践的なスキルをしっかり習得できたのが大きな収穫でした。先生は毎回的確なフィードバックをくださり、熱心に指導してくれたおかげで、学んだ内容を確実に自分のものにすることができました。

また、大学の授業で必要となるディスカッションの練習も十分に積むことができました。例えば「相手の意見に対する返答の仕方」や、「反論する際にはまず相手の意見に理解を示すことの大切さ」など、実践的な議論の進め方やテクニックを学ぶことができました。
テスト形式のディスカッションもあり、こちらは評価の対象になっていたので、緊張感を持って取り組むことができたと思います。先生からのフィードバックを通して「ここまでできるようになった」という実感を得られたことが、自信につながりました!
大学の授業で感じた圧倒的なアウトプットの差
7月から予定通り大学の授業に参加し始めましたが、英語コースと違い、クラスメイトの「言いたいことをどんどん言う勢い」に最初は圧倒されました。エッセイなどの課題は自分のペースで取り組めますが、リスニングやスピーキングは相手の言っていることをその場で理解し、自分の言葉で考えや意見をアウトプットしないといけません。

日本の大学とは異なり、オーストラリアの大学ではディスカッションを通して「自分の意見を発信する」スタイルが主流です。
授業は少人数制のため、一人ひとりの役割や責任も自ずと大きくなります。単に席に座っているだけではなく、「クラスの一員として授業に貢献する」という強い自覚と、良い意味での緊張感を持って毎回の講義に臨む必要がありました。
1学期で履修した3つの授業
自分の関心に合わせてメディア・コミュニケーション分野を中心に3つの授業を履修しました。
「
Transforming Lives Through Care」
この授業では、介護などの「ケア」を、単なるお世話としてではなく「時代や文化によってあり方が変化するもの」と捉えて学びました。「昔と今では何が違うのか?」「国が違えばどう変わるのか?」といった視点で、日本を含むアジア諸国やオーストラリアの事例を比較します。
それぞれの国でケアがどんな仕組みで行われ、人々がそれをどう考えているのかという違いを深く掘り下げました。自分自身の身近な出来事と結びつけて考えることができたので、エッセイなども書きやすかった授業です。
「
Representing Bodies」
映画やアート、ドラマなどのメディア作品が、いかに社会のあり方や文化を映し出しているかを学びます。単にエンターテインメントとして楽しむだけでなく、作品の中の表現が「社会問題に対して意見をぶつける手段」になっているという考え方はとても新鮮でした。
ジェンダーやセクシュアリティなど、幅広いトピックに触れることができ、非常に印象に残っています。
「
Adaptations」
小説などの原作が映像化(リメイク)されるときに、どのような変化が起きるのかを比較し分析する科目です。
例えば、19世紀に発表されたH・G・ウェルズの小説『宇宙戦争』は、現代に至るまで何度も映像化された作品です。授業では、主に原作小説と21世紀に制作された映画版を例に「ここは原作と違う」「結末のアイデアは基本的に同じ」など、各作品を比較しながら、国や時代によって作品に込められたメッセージがどう変わるのかを読み解いていきました。「原作は同じでも、時代背景に合わせて作品の表現方法や舞台設定、制作者の伝えたいことは変化していく」という視点は面白く、興味深い授業でした。
特に印象に残っている授業:Representing Bodies
受講した中で特に楽しかったのが、「Representing Bodies」の授業です。「Male Gaze(男性のまなざし)」というテーマが議題になった時が特に印象に残っています。
「Male Gaze」とは、2017年頃のハリウッドを中心に注目された言葉で、映画などのメディアにおいて、女性がひとりの人間(主人公)としてではなく、「男性から見られるための対象(オブジェクト)」として描かれがちな現状を批判する考え方です。

「Male Gazeが現実社会にどのような影響を及ぼしているか?」をクラスみんなでディスカッションしました。テーマが難しかったので、「最近どんな映画を観た?」「どんな感じの映画だった?」といった話題からディスカッションを始め、自分たちが理解しやすいように内容を噛み砕きながら議論を進めていきました。
時には議論が少し脱線することもありましたが、結果的にクラスメイト同士の会話も盛り上がり、自分自身の考えもより深めやすかったと思います。「まずは自分の意見を口に出してみる」という、オーストラリアならではの自由で活発な授業スタイルを実感できた瞬間でした。
大学の授業で得た気づき
もちろん、最初からすべてが順調だったわけではありません。授業では先生の話を理解するだけで精一杯な時もありました。ディスカッションで今何がテーマになっていて、クラスメイトはどんなことを話し合っているのか、全体の流れを追いかけるためには高い集中力が必要でしたし、どうやって議論の輪に入っていけばいいのか悩むこともありました。

オーストラリアの大学では、学生一人ひとりが自分の意見を持っていることが当たり前で、常に発信することが求められます。先生の質問に対して、私がまだ考えをまとめている間に、クラスメイトたちはどんどん発言していきます。そのスピード感に圧倒され、自信をなくしそうになったこともありました。
のちに、「みんなが正解を言っているわけではなく、ただ自分なりの考えを伝えているだけなんだ」と気づいてからは、完璧を求めすぎず、等身大の言葉で話せるようになり、ずいぶんと気持ちが楽になりました。
それからは、まず議論全体の流れを読み、発言のタイミングを探ることから始めました。たとえ自信がなくても、勇気を出して口にしてみると、クラスメイトは決して否定せず「それ、いいね!」と受け入れてくれます。
完璧な英語や正解にこだわるあまり、沈黙してしまうよりも、まずは「自分の意見を伝えてみる」こと。それが何より大切だということを、日々の授業を通じて学ぶことができました。
自然に癒やされた濃密なキャンパスライフ
私はNorth and South Apartmentという、ラ・トローブ大学のバンデューラ・キャンパスにある学生寮に住んでいました。ラ・トローブ大学にはいくつかの寮がありますが、私の寮は比較的新しい建物で、とても綺麗で住み心地も良かったです。

私が選んだのは、6つの部屋がアパート内にあり、キッチンやバスルームを共有するシェアタイプです。入居する前は「散らかっていたらどうしよう」と少し不安でしたが、実際に住んでみるとシェアメイトたちは綺麗に共用スペースを使っていたので、快適に生活することができました。学生寮を選んで良かったと思っています。
大学では、日本が好きな人が集まっているサークルに参加していました。実は、日本が少し恋しくなってしまった時期があり、そのときに初めて参加したサークルだったのですが、メンバーには現地の学生(ローカル生)もいれば、他の国からの留学生もいました。みんな本当に優しい人ばかりで、すぐに打ち解けて仲良くなることができました。
あとは、授業内のグループワークやペアワークも、友達を作る絶好のチャンスでした。一緒に授業を受ける中で距離が縮まり、気軽に連絡を取り合って授業の合間に図書館で一緒に勉強したり、ご飯を食べに行ったりする仲になりました。勉強は大変でしたが、友達との繋がりのおかげで楽しく学生生活を送ることができました。

平日は授業に出るか、図書館にこもって勉強する毎日で、課題はもちろん、授業の予習や復習をこなしていると、あっという間に1日が過ぎてしまうほど濃密な時間でした。
その分、休日には息抜きのためにシティまで出かけてショッピングを楽しんだり、友達とおしゃれなカフェやランチに行くなど、オンとオフを切り替えてリラックスするように心がけていました。
また、ラ・トローブ大学のキャンパスは自然豊かで緑がいっぱいです。学生寮からスーパーへ買い出しに行くだけでも、ちょうどいい散歩になります。勉強に追われて切羽詰まったときには、キャンパスの自然に触れることでリラックスすることができました。私にとって、緑の多いバンデューラ・キャンパスはとてもいい学習環境だったなと思います。
サポートも充実!ラ・トローブ大学に留学して良かったこと
実際に通学してみて、ラ・トローブ大学の学生サポートは本当に手厚いなと感じました。特に心強かったのが、図書館に常駐している学生サポートスタッフの存在です。エッセイの書き方といった学習面から、授業登録のやり方まで、どんな小さな悩みでも親身になって相談に乗ってくれました。

大学のプログラムが始まって間もない頃、慣れない授業登録に苦戦して少し落ち込んでいた時期がありました。その時、スタッフが「全然大丈夫!また何かあったらいつでもおいで」と明るく声をかけてくれ、気持ちが楽になりました。日本とはまた違う、いい意味で楽観的でポジティブな姿勢にとても助けられたなと思います。
また、学生生活がより楽しくなるイベントも充実しています。例えば、キャンパスに無料のキッチンカーがやってくるイベントが定期的に開催されており、友達と一緒に参加してランチを楽しんでいました。月に数回、サンドイッチやハンバーガーが無料で配られることもあり、学生としてはありがたいサービスの1つでした。

私は大学3年生を終えたタイミングでの留学だったので、日本にいる同期は先に卒業してしまいます。その点では少し寂しさを感じることもありますが、卒業が1年遅れること自体への不安はそれほどありません。むしろ、自由に使える時間や選択肢がたくさんある大学生のうちにチャレンジして良かったと思っています。
就職活動については、帰国後すぐにスタートする予定です。日本の「夏のインターン」に参加できなかったことへの焦りが全くないわけではありませんが、留学で得た経験を糧に、今は気持ちを切り替えて取り組もうと考えています。
休学留学を考えている人へのメッセージ
現地での日々は、まさにチャレンジの連続でした。でも、勇気を出して毎日挑戦を続けていく中で、どんどん自分に自信が持てるようになりました。日本にいた頃よりも、今の自分のほうがずっと好きだなと感じます。この留学を通して、新しい考え方、そして「新しい自分」に出会うことができました。

また、社会に出る前に、一度自分が「マイノリティ」になる環境を経験しておくことは、とても大切なことだと感じました。言葉が通じないもどかしさや、孤独を感じる瞬間も確かにあります。でも、最後にはその全てが自分の財産になります。
大変なことも楽しいことも含めて、とてもいい経験ができました。私はこの道を選んで本当によかったと思っています。もし少しでも留学に興味があるなら、絶対に一歩踏み出したほうがいいと思います!