留学を決めたきっかけを教えてください。
10年ほど前、20歳のときに初めてオーストラリアに7ヶ月くらい留学をしていました。そのときに
「オーストラリアが大好き、また絶対来たい!」って思ったんです。
それから、社会人として働きながらも、ワーホリか留学でもう一度オーストラリアに行きたいなってずっと考えていました。
ちょうどその頃、大阪で行われていた留学フェアで加藤さん(東京オフィスカウンセラー)と個人面談をする機会があって、大学進学について相談もしました。
でも、その直後にコロナが流行してしまって…一旦保留にせざるを得なくなってしまったんです。
ただ、諦めたわけではなくて、「国境が開いたら絶対に行こう!」と決めて、そのためにしっかり貯金をすることができました。
未経験の業界へ!
日本でしていた貿易事務の仕事は好きだったのですが、母が保育士をしていたこと、また姪っ子が生まれたのをきっかけに「赤ちゃんって本当にかわいいな」って思うようになって。
オーストラリアは保育士が不足しているという話を聞いて、長期滞在できるという点も魅力的だったので、保育の道に進むことを決めました。
保育業界は自分にとって初めての分野だったので、まずは英語コースと、その後Certificate III in Early Childhood Education and Careに進学することにしました。
留学前の英語対策について教えて!
まず留学したい時期を決めて、加藤さんに相談しながら、「いつまでにIELTSのスコアを取る」という目標を立てました。
洋画を英語字幕付きで見たり、英語学習にまつわるYouTubeを見たりしていました。
あとは、英検が好きで勉強を続けていたのと、仕事の合間にIELTSの対策もしていました。
特にスピーキングとリスニングの向上が大変でしたが、コロナ禍では毎日IELTSの公式問題集や参考書に向き合っていました。
本科進学に向け、進学英語コースで英語力を鍛える
進学英語(EAP)コースではどんな勉強をしましたか?
グループディスカッション
EAP(English for Academic Purposes)コースは、毎日英語漬けで過ごしました。
とにかくグループディスカッションが多かったです。本科コースでもディスカッションをする機会がとても多かったので、ここでの経験はとても役立ちました。
プレゼンテーション
特に大変だったのはプレゼンですね。人前で話すのが苦手だったのですが、合計3回やりました。
2回は個人、3回目はグループでの発表でした。
クラスメイトとはみんな仲が良かったので、授業以外でも集まって資料を作ったり、何度も練習したりしました。社会人になってからはそういう経験がなかったので、貴重でとても楽しかったです。
アカデミックライティング
本科ではレポートなどの課題もたくさんあるため、ライティングにも力を入れていていました。
特にアカデミックライティングでは主語に「I」を使わないような表現や書き方を学びました。
あるテーマについて、賛成・反対の両方の視点を入れてエッセーを書いたりもしました。
リスニング
TEDやニュースなど、取り扱うテーマがアカデミックで、最初はとても難しく感じました。
先生がリピートしてくれたりもしましたが、自分でも授業外で英語でニュースを見るようにしたり、アプリでTED Talkを聞くようになったりしました。
一緒に勉強していたクラスメイトたちについて教えて!
クラスではAzusaさんが唯一の日本人
私のクラスには日本人はいませんでした。他の学生さんたちはモンゴル、台湾、タイ、ベトナム、パプアニューギニア、ロシアなど、本当に世界の色々な国から来ていました。
クラスは18人くらいでみんな本科コースを目指していて、カーペントリー、クッカリー、ビジネスなど、それぞれ色々な分野での勉強を控えている学生ばかりでした。
クラスのみんなでBBQ!
先生も生徒も、もちろんみんな英語で話すので、ぼーっとしているとついていけなくなります。
特にパプアニューギニア出身のクラスメイトはとても英語力が高く、圧倒されることもありました。
でも逆に周りのクラスメイトの英語力レベルが高いことが良い刺激にもなりました。
黙っていてもだめだって思って、少しずつ話すようにしていくうちに、抵抗がなくなっていくのを感じました。
だんだんと英語でのコミュニケーションがスムーズになっていったのを実感しましたし、メンタル面でも強くなったなと感じます。
EAPの最終課題!街頭インタビューからレポート作成
最終課題は、自分の進むコースの業界について、問題点を挙げ、一般の人たちにインタビューをしてレポートを作成するというものでした。
私の場合はチャイルドケアだったので、「保育園に子どもを預けるべきか?それとも自宅保育が良いか?」というテーマにしました。
まずはアンケートを作って、街ゆく人々にインタビューをします。キャンパス近くのラグーン(人工ビーチ)でリラックスしている人たちに声をかけて、アンケートに答えてもらいました。
ドキドキしましたが、恥ずかしいとか言ってられないので、勇気を持って話しかけるとみんなちゃんと答えてくれました。
20名くらいにインタビューし、アンケート結果を集計してスライドにまとめて、クラスで発表しました。カンペを見ながらだと評価が下がってしまうので、事前にたくさん練習しました。
保育園に預けることのメリットとして、プロが見てくれることや母親の負担が減ること、デメリットとして、子どもに目が届きにくくなることや事故が起こる可能性を挙げ、どう解決していくかを考えました。
答えがあるわけではないので難しかったですが、とてもやりがいのある課題でした。
チャイルドケアコースがスタート!
コースが始まったときの気持ちはどうでしたか?
ワクワクが大きかったです!最初のオリエンテーションでは自己紹介などを行いました。私のクラスは20名弱で、もう一つのクラスは30名ほどでした。
先生との距離が近いので少人数で良かったです。日本人は私を含め、クラスに8名いました。
授業ではどんなことをしましたか?
週に3日学校があって、そのうち2日はがっつり理論を学んでいきます。主にスライドを使って、基礎知識から始まり、栄養学や子ども向けのアクティビティ、発達についてなどを学びました。
0〜3歳くらいの子どもを対象にした内容が中心でした。粉ミルクの作り方なども学びました。人生で初めておむつ替えも経験しました。
センサーで反応する赤ちゃんの人形を使って、オムツ替えやミルクをあげるなどのデモンストレーションをしました。実際に泣き声がするんです!笑
子どもたちに向けた、モーニングティーをグループごとに作りました。授業でも、このようなアクティビティがあって楽しいです!
在学中2つの保育園で実際に働く経験
コース開始後すぐに始まるインターンシップ!
コース期間中に
160時間以上のインターンが必要です。最初のオリエンテーションのときに「実習先は自分で探してね!」と説明を受けました。何軒か行っても見つからなかったら先生がサポートしてくれるという流れでした。
履歴書を持って「仕事を探しています、TAFEで勉強しています」と伝えると、3軒目ですんなり決まりました。
インターン先には指定があり、国家機関がチャイルドケアセンターを5段階で評価する”Excellent rating”のmeeting(真ん中)以上の保育園を選ぶ必要があります。
1軒目の保育園では半年くらい働いたのですが、規模が大きくて雑用が多く、子どもと密に関わることが難しかったです。
そこで、「もっと子どもと関わりたい」と思い、学期が変わるタイミングで、家の近くの別の保育園に変えることにしました。
保育園によっても環境がうんと違う!理想の保育園に出会う
2軒目は、こぢんまりとした雰囲気の、私が想像していたような理想の保育園でした。
ウェブサイトで見た時から素敵だなって思っていた場所で、実際思った通りのとても良い現場でした。
園では環境や自然を大切にしていて、エコにも配慮していました。
例えばおやつにりんごを食べた後の生ゴミはちゃんと集めてコンポストします。
また手を洗った後に使い捨ての紙を使うのではなく、清潔な布を使って洗って再利用したりと、無駄がないです。
ここの保育園で絶対働きたい!と思ったので、履歴書は2回持っていきました。
事務のスタッフの方にも覚えてもらい、熱意が伝わったのかな、採用された時はとっても嬉しかったです。
結果的に、タイプの違う2つの保育園を経験できたのは本当に良かったです。
チャイルドケアセンターの父の日のイベントのセッティング
授業と現場の経験がリンクする!
インターンでの経験とTAFEでの授業はしっかりリンクしていました。
現場で困ったことについては授業に持ち帰ってみんなでシェアして対策を考えたり、逆に授業で学んだことを現場で活かしたりと、実践的な学びがが多かったです。
初めての業界ということもあり、言うことを聞いてくれない子どもがいたりして、どうやったら分かってもらえるかなと悩むこともありました。
そういうときは、インターン先の先輩にアドバイスをもらったり、授業のときに先生に聞いたりしました。
先生は現場のことをよく分かっているので、的確なアドバイスをくれました。
クラスメイトも、実習先での経験を元に授業でフィードバックをするので、「やっぱりそうだよね、みんな同じことで悩んでいるんだな」と分かって、安心しました。
課題は大変でしたか?
課題は毎週提出があったので、どこまで前もって頑張ったとしてもとにかく追われている感じでした。
レポートを書いたり、クイズに答えたり、子どもに合わせたアクティビティを考えて実践したりと、たくさんありました。土日は休みですが、課題も頑張っていました。
水曜日は課題について先生にしっかり質問できる日だったので、分からなかったことを聞いたり、内容を確認したりしていました。
先生たちはどんな人でしたか?
月水木に授業があったのですが、それぞれ毎日2名の先生が担当してくれていて、もう一つのクラスでも別の2名の先生が担当されていました。また、チュートリアルの先生が1名いました。コース中は大変でしたが、総合的に楽しい!って思えたのは先生たちのおかげというのもあります。
Marry先生
時々自作のおかし作ってもってきてくれるような優しい先生で、お母さんのような先生でした。
いい意味の厳しさもあり、メリハリがあって楽しい授業をしてくれました。
Jade先生
とっても優しくて一番好きな先生でした!リラックスしていて、いい意味でのオージースタイルです。
授業はコーヒーを片手に持ちつつ雑談からスタート!課題について相談しても、一緒に考えよう!って言ってくれて、とても聞きやすかったです。
課題を提出した後も、レポート内の文法までしっかり訂正してくれたりと、細かく見てくれました。
日本とオーストラリアの保育現場の違い
日本の社会人経験があるからこそ気づいた違いはありますか?
日本と比べて、オーストラリア
”イージーゴーイング”だなと感じます。
「仕事が終わったらすぐに帰る」という文化に最初はびっくりしました。
5時までのシフトであれば、4時48分には帰る準備ができているんです!笑
個人的にはそれが好きなんですけど、私はどうしても周りを気にしてしまう性格なので、同僚に「ここは日本ではないよ!」と言われたりもしました。
同じく日本人のコースメイトも同じような悩みを持っていて、「文句を言わないから良いように使われてしまう」という話も聞きました。
未経験だったからこそ、謙虚な気持ちで学ばせてもらおう、という気持ちが強かったのですが、それでも「自分の意見を主張しなければいけない」と思うようになりました。
オージーはオンオフの切り替えが本当に上手なので、この点は勉強になりました。
無料で参加できるヨガのクラス。ヨガが趣味なので、毎年参加してます!
無料でできるのが、さすが健康志向のオーストラリアだな!と思います。
チャイルドケア留学を考えている人へ
最後に、これから保育留学を考えている人にアドバイスをお願いします!
特に初めての分野に挑戦する人には、「興味があったら挑戦するべき!」と伝えたいです。きっと得るものはたくさんあります。
日本で元保育士として働いていた友達は「逆に自由すぎて難しい」と悩んでいましたが、未経験の方がすんなり順応できることもあると思います。
せっかくお金も時間もかけてオーストラリアに来ているのだから、良いことも悪いことも、全てを経験として捉えて、吸収できるものは全部吸収してほしいです。
子どもが好きなら、きっと楽しい経験になると思います!
スタッフからのコメント
Azusaさんとお話する中で、「もう一度オーストラリアへ行きたい」という夢を叶えるまでの強い気持ちと、未知の分野に挑戦に対する前向きな姿勢がとっても素敵だなと思いました。
様々な国籍の学生さんたちと一緒に、保育という全く新しい分野での学びとたくさんの実践を通して、自分の可能性を広げたAzusaさん。
現在Azusaさんは留学期間を終え、ワーキングホリデーで滞在中!
どんな時間になっていくのか、またお話する日が今から楽しみです。
これからのAzusaさんのご活躍も変わらず応援しています!