Karenさんは、語学留学で英語力をしっかり身につけた後、自分が最も興味を持つ分野を学ぶためにTAFEでフラワーデザインを学びました。
現在はフローリストとして活躍しているKarenさんに、留学に至るまでの想いや、語学留学・TAFE留学での経験について詳しくお話を伺いました。
+++Karenさんの留学プラン+++
2020年3月 高校を卒業
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2022年4月 インパクト・イングリッシュ・カレッジへ入学
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2023年2月 インパクト・イングリッシュ・カレッジのコース延長(39週間)
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2024年1月 インパクト・イングリッシュ・カレッジを卒業
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2024年1月 Holmesglen(TAFE)のCertificate III in Floristryを開始
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2024年12月卒業
両親がもともとアメリカに留学していたこともあり、その影響で子どもの頃から「いつかは海外に行くもの」と自然に思っていました。高校生の時には交換留学で1年間海外生活を経験し、その時に海外の楽しさや魅力を強く感じました。
そのため、高校卒業後すぐにアメリカへ語学留学する予定でしたが、コロナの影響で2年間延期になりその間のアメリカの治安の変化もあり、留学先を改めて検討し直しました。
カナダやイギリスも候補に上がりましたが、「治安の良さ」「自然と都会のバランス」「留学生への寛容さ」という条件がそろったオーストラリア・メルボルンが候補に上がりました。さらに、母がコーヒー好きだったこともあり、カフェ文化が盛んなメルボルンは自分にとってもピッタリの留学先だと感じました。
渡航前は「都会と自然が共存する街」というイメージを持っていました。実際に生活してみると、想像以上に都会的でありながら、公園の多さにも驚かされました。留学生が非常に多く、劣等感を感じることもなく「自分も頑張ろう」と思える環境です。図書館も多いのも学生には嬉しいポイントです。
私はコーヒーは飲めませんが、メルボルンにはカフェがたくさんあり、飲み物の種類も豊富です。友達とおしゃべりを楽しみながら、ついつい長居してしまうこともしばしば。こうした環境が整っているおかげで、改めて暮らしやすさを感じています。
最初は学生ビザで1年間、語学留学としてインパクト・イングリッシュ・カレッジに通いました。高校時代の留学経験から「文法が多少間違っていても話せる」という自信はありましたが、いざ授業を受けてみると、自分の文法力の低さに気づかされました。クラスは中級レベルでしたが、文法は初中級レベルからのスタートでした。
発音は高校時代にネイティブの音をある程度身につけていたためスピーキング力には自信がありましたが、クラスのレベルと自分の話す力のギャップが悩みの種でした。「なんでそんなに話せるのにこのクラスにいるの?」と聞かれることもありましたが、「まずは文法の構造をしっかり理解することが英語力向上の近道」だと実感し、基礎から学び直すことを決意しました。
その後、TAFE進学を意識するようになり、さらに英語力を伸ばしたいという思いが強くなって39週間延長しました。結果的に約2年間インパクトに通い、一般英語コースとIELTSコースでは共にアドバンスレベルまで、ケンブリッジ検定試験コースではFCEレベルを修了し、ほとんどのコースを網羅することができました。
とにかく文法の構造をしっかりと教えてもらえたことが大きな収穫でした。英語で関係代名詞などの文法用語すら知らなかった私が、すべてを英語でいちから学び直し、最終的にはその仕組みをきちんと理解できるようになりました。特に苦手だったライティングは、IELTSコースで何度も大量に書く練習を重ねたことで、大きく伸びたと感じています。
スピーキングもより自然になりました。オーストラリアに来て一番変わったのは、「間違いを気にしなくなった」こと。日本では質問することに恥ずかしさを感じたり、間違うことを恐れていましたが、こちらでは全く気にせず話せるようになりました。授業中に分からないことがあれば、すぐに質問する――そんな“分からないことを分からないと言える力”は、こちらで身につけられた大切なスキルだと思います。
留学して最初の1年を過ごす中で、「もっと長く滞在したい」という思いが強くなりました。学びたい分野を考えた結果、「やりたいことを学ぶ」という意味でTAFEへの進学を選びました。
フラワーデザインと園芸学のどちらに進むか迷いましたが、実家が花屋で、実際に手伝いをしていた経験から、より知識を深められると考えてFloristryを選択しました。インパクトでしっかり英語の基礎を固め、上級レベルの英語力を身につけてからの進学だったので、自信を持って新しい学びに挑むことができました。
このコースは、将来フローリストとして活躍したい人のために設計されています。開講当初は約30名が在籍しており、そのうち留学生は4名ほどでしたが、途中で人数が減り、最終的には私を含めて2名になりました。アジア出身者はローカルを含めても7〜8名程度で、ほぼオーストラリア人環境でした。
私は花業界の経験者でしたが、受講生の多くは初心者でした。そのため基礎から丁寧に学べるカリキュラムだったため、経験の有無に関わらず学びやすい内容でした。最終的な目標は「自分で花屋を運営できるレベル」に到達することで、そのために必要な知識と技術が一通り身につく構成になっています。
学習内容は、色彩・デザイン・バランス・花材の活かし方といった理論から、フラワーアレンジメント、ブーケ、葬儀用の花など実践的スキルまで多岐にわたります。実技試験も複数回行われ、個性を表現する前にしっかりと基礎を固めることが重視されました。
さらに、在庫管理や原価計算、売上・利益率の算出といった店舗運営に欠かせないビジネススキルも学ぶことができました。
このコースでは、実技とセオリー(理論)の両方を学びました。実技は授業内で行いますが、セオリーは持ち帰り課題が中心で、週に3つほどのアサインメントが常にあり、何かに追われているような日々でした。
特に文章を書く課題は難しく、薬品の名称を理解するにも時間がかかりました。それでも、先生が「スペルミスは気にしなくて大丈夫」と優しく声をかけてくれたおかげで、少しずつ取り組みやすくなりました。
後半になると、実技では1日に4つのテストが行われることもあり、休んでしまうと追いつくのが大変でした。
授業は月・火・金の週3日で、月火は必修、金曜はキャッチアップデー(任意参加)でしたが、留学生はビザの関係で参加が必須です。そこで休んだ日のテストや課題をこなしたり、花のアレンジを練習したり、先生に質問したりできたのは良かったです。ただ私が少し学校まで遠い距離に住んでいたので、通学は少し大変でした。
実技では時間制限があり、ブーケ制作は花がすでにトリミングされている状態で20〜30分以内に仕上げます。制限時間内に終わらなければ再挑戦となります。作った作品は持ち帰ることができ、花が家に溢れることがあったので、駅で通りすがりのおじさんにあげたこともありました(笑)。
この科目はコースの最後に履修するもので、筆記と実技が融合した内容でした。7〜8人のグループに分かれ、テーマ(例:「アバター」)を決めて、その世界観をどのように表現するかを企画・制作しました。
私たちのチームは雰囲気が良く、テーマもすぐに決まり「傘を使ってクラゲを作る」というアイデアにまとまりました。展示が長持ちするよう工夫したり、道具の使い方を試したりしながら取り組みました。
役割分担も明確で、チームリーダー、費用計算担当、ムードボード作成担当、構成担当などに分かれ、私はムードボード作りを担当。メンバー全員から「アバター」のイメージを集め、それをまとめて提案しました。チームの柔軟性と意見を尊重する姿勢に助けられ、スムーズに作業を進められました。
クラスには18歳から50歳まで幅広い年齢層の学生がいて、価値観や育った環境の違いもさまざまでした。そのため、意見の食い違いから衝突が起こることも多く、時には授業を途中で抜けてしまう人もいました。特にローカル出身の学生は自立心が強く、意見をストレートに伝える傾向がありましたが、そんなときは先生がうまく場をまとめてくれました。
この授業を通して、フローリストとしての表現力だけでなく、多様な価値観を持つ人たちと協働しながら成果を出す難しさと面白さを実感しました。
授業と実技で担当の先生が異なり、メインの先生は3人(実技2人、セオリー1人)でした。特に印象的だったのは、実技を担当してくれた2人の先生です。
Andreaは、生徒の話をしっかり聞き、間に入ってサポートしてくれる優しい先生でした。褒めて伸ばすスタイルで、アドバイスはあっても否定はなく、そのおかげで自信を持って取り組むことができました。
Valは、とても素直で誠実な先生で、質問には真っ直ぐ答えてくれます。良い点も改善点もきちんと伝えてくれるため、自分の成長につながりました。
授業中は不明点があればすぐに挙手して質問でき、その場で解決できたのも良かった点です。後から疑問が浮かんだ場合でも、先生に直接メールを送れば丁寧に答えてくれたので安心感がありました。
また、私がプライベートでトラブルに遭い動揺していたとき、先生はすぐにアドバイザーにつないでくださり、さらに園芸部門のトップの方にも連絡してくださいました。その方から「メンタル的にしんどいなら休んでも大丈夫」と助言をいただき、1週間お休みを取ることになりました。復帰した際には、先生やクラスメイトが温かく迎えてくれ、そのことが今でも心に深く残っています。
フローリストは、多くの人にとって憧れの職業だと実感しました。お花に囲まれるだけで幸せな気持ちになれますし、自分でブーケを作れる自信がついたことは、大きな収穫です。
留学から2か月ほど経った頃、学校でアルバイト募集の案内を見つけ、興味本位で「Daily Blooms」に応募しました。当初は母の日限定の短期雇用で、母の日用のラッピング作業からスタートしましたが、その後も継続して雇ってもらい、フラワーアレンジメントにも携われるようになりました。
仕事は朝5時起きで7時出勤、母の日当日は5時出勤というハードスケジュールです。冬は特に寒く、20〜30キロもある水入りバケツを運ぶなど、力仕事も多くありました。会社は大量生産型のスタイルで、常に時間に追われながら作業する日々でしたが、その分スピード感と手際の良さが身につきました。
もっと働きたい気持ちはありましたが、ビザの制約により勤務時間が限られていて、思うように経験を積めなかったのがもどかしかったです。
現在はパートナービザを申請中で、引き続きメルボルンに滞在しています。
アルバイトを続けつつ、いろんなことに挑戦していきたいです。今はその一環として、ピラティスインストラクターの資格取得を目指してコースを受講中です!
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