留学のきっかけ
実は小学校の頃から両親に勧められていたんです。
特に父が熱心で、自身の留学経験から、私にも是非海外で学んでほしいと考えていたようです。
中学の修学旅行先がオーストラリアだったことも、留学先を決定する上で影響しました。 実際にオーストラリアで2週間ホームステイを経験したので、留学のお試しのような感じになりました。
本格的に留学を決意したのは、高校で進路について真剣に考え始めた時期でした。
高校の3者面談でも「日本の大学を受験しないと決めたこと」が、本当に海外の大学へ進学すると覚悟を固める転機となりました。
留学先の決定理由
留学先でフリンダース大学の
Bachelor of Science - Animal Biology(動物生物学)を専攻することにしたのは、幼い頃から動物が好きだったことが大きな理由です。
日本の大学では、動物に関わる学問を専門的に学べるコースが少ないように感じ、その点、オーストラリアは自然が豊かで、動物について深く学べる環境だと感じたんです。
フリンダース大学を選んだのは、アデレードと言う都市が比較的日本人が少なく、自然に囲まれた環境だったからです。 シドニーやメルボルンの大学も検討しましたが、アデレードの自然環境が自分の希望に一番合致していました。
出発前の英語力
出発前の英語力についてですが、中学〜高校と部活動(ロッククライミング部)に力を入れていたので、正直なところ、英語の勉強はあまりしていませんでした。 実は高校の時に、部活でそこそこ良い成績を残し、このままスポーツ(ロッククライミング)の道で進むか? と思う時期もありました。しかし、最終的には 難しいこともあって、 部活動を引退する頃から、IELTSの勉強に集中したという感じです。
本格的にIELTSの勉強を始めたのは、高校2年生の時で、1年間 英語塾に通い、マンツーマンで指導を受けました。ファウンデーションコースに進むためのIELTSの基準は何とかクリアしていました。
ファウンデーションコース
ファウンデーションコースを受講した時期は、残念ながらコロナ禍で渡航できませんでした。
授業は全てオンラインでした。 オンライン授業はクラスメート間での友達ができにくく、授業も自ら積極的にコミュニケーションを取りに行かないと何もわからずに終了してしまうと思ったので苦労しました。
また、自宅で日本語で過ごす時間が長かったため、英語力の伸び悩みも感じていました。英語と日本語の切り替えになれずにいました。ファウンデーション中に苦労した科目としては化学です。 得意とは言い切れない教科だったので、毎回必ず予習をしっかりして授業に臨んでいました。
国境回復後の渡航とアデレードの印象

ファウンデーションを終えた頃、コロナ禍が明け、2022年2月に初めてアデレードに渡航しました。
現地に到着してまず、植物やカラフルな鳥など、日本のものとは全く違う自然に触れ、ついにオーストラリアに来たんだなという実感が湧きました。コレから大学で本格的に学びたいことを中心に開始できる喜びが大きかったです。
大学のキャンパスについて

フリンダース大学のキャンパスはとても広く、実は 在学中にも行ったことがない場所や入ったことがない施設があったくらいです(笑)。
メインキャンパスのBedford Park Campus の中心にはStudent Hub と中庭と池があり サイエンスの学生はその周辺の施設内のクラスルームを利用することが多かったです。
大学1年生
大学1年生の時は、基礎科目が中心で、私にとっては最初は どの授業もそれなりに大変でした。
Science の学生は、留学生は殆どおらず、ネイティブの学生ばかりだったため、1学期目は スピーキングもリスニングも苦労したと言う記憶しかありません(笑)特に ディスカッション形式で進む科目(
Communicating STEM)は本当に苦労しました。実は1学期目の最初のレポートで不合格になりかけた経験から、精神的に追い詰められましたが、諦めずに努力を続ければ、必ず道は開けると言う事を身を持って知ったのも大学1年次の1番最初です。
楽しかった授業は、動物系の基礎を学ぶ実習形式の授業(
Introduction to Animal Behaviour)でした。動物行動学の基礎科目ですが カモの行動観察など実践的な授業が印象に残っています。
また、セメスター2では生物多様性の進化について学ぶ授業(
Evolution of Biological Diversity)で、実践的なグループワークとして外来種と在来種の「蜂の行動観察」をいろいろな場所で観測し、レポートにまとめてプレゼンテーションを行いました。
大学2年生
大学2年生で特に印象に残っている授業は、動物の扱い方を学ぶ「
Animal Handling and Husbandry」でした。 鳥類、爬虫類、哺乳類、昆虫類、サメと魚、動物管理のお手伝い、の6つの中から3つを選択し、学校で飼育している動物の観察や世話、フリンダース大学のサイエンスキャンパスの地下水槽で飼育している
サメ(Port Jackson Shark)の生態調査も行うなど 実践的な内容で学びました。
また、特に印象的だったフィールドトリップは
生態学(Ecology)の爬虫類についてです。実際にハレットコーブに赴き野生のマツカサトカゲ(Sleepy lizard)を捕獲し観察するのですが、一時間以上探してやっと捕まえることができました(笑)
大変だった授業は、生物統計学「Biostatistics 2」の授業でした。 実験で得たデータを統計ソフトで解析するのですが、日本語でも難しい内容で、パソコンのアプリケーション操作に不慣れな頃は授業についていくのが本当に大変でした。ただ不慣れだった分、わからないことはすぐに先生に聞く、クラスメートとも協力し合いつつ乗り切れることができ、成績評価も良いものを得られました。
大学3年生
3年生になると、より専門科目が増えますが、楽しかった授業は
Marine Mammals, Birds and Reptilesと言う授業です。フィールドトリップで 代表的な海洋哺乳類イルカを生態を実施で観察し、同じく大型の海洋哺乳類のクジラなども含めて、海洋哺乳類の生態について学びを深めました。
また爬虫類や昆虫類の観察などのフィールドトリップもあります。
少し変わった授業では
Zombie Apocalypse: Microbes and Toxinsと言うのもあります。ゾンビが発生した状況でどう生き残るかを科学的に考えるというユニークな授業ですが、実際には トイレの配置による感染症予防策や、微生物と有害物質の関係性など真面目な内容です(笑)
3年生の時は、常にレポートの締め切りに追われる日々でした。 締め切りに間に合わない場合は、延長することも可能でしたが、できる限り 計画的に進めるようにしていました。ただ不思議なもので、好きなことを学べていると思うと大変だったんですがちゃんと成績にも反映され、最終学年の成績評価は満足が行く結果でした。
大学生活、どのくらい勉強した?
大学3年間を通じて、勉強をしなかった日はありません(笑)
1日の勉強時間は、課題の締め切り前は8時間以上、普段は2〜3時間は勉強時間を確保していました。特にテストと課題の締め切りが重なる時期は、時間管理が大変でしたが、その分、タイムマネージメント力は鍛えられたと思います。
滞在先はホームステイ!
たぶん珍しいタイプだと思うんですが、3年間、同じ家庭でホームステイをしました。
・大学の勉強時間の確保(食事の用意をしなくて良い)、
・英語力向上
なども理由ではあるんですが、1番の理由は、、、
・
ホストファミリーと良好な関係が築けたことで快適に過ごすことができた
ことが1番大きいです。
いくつか留学生用の部屋がある家庭なので、短期間滞在する学生も多くいましたが、私は長期滞在をすることに決めたので、家族のように迎え入れてもらえました。
基本的に自由に過ごさせてもらいましたが、週末など 日常のショッピングからちょっとした遊びや遠出の旅行まで連れて行ってくれたり、本当の娘のように接してくれて、オーストラリアの家族と言っても過言ではありません。
写真↓:ホストが連れて行ってくれた ナラコーテ洞窟(鍾乳洞)国立公園。SA州にある世界遺産です。
写真↓:マクラーレンベールのワイナリーCUBE前で
食事面も基本的には口にあう料理が多かったし、美味しかったです。
ただホームステイ滞在中の「あるある」だと思いますが、バーベキューで出される肉は塩コショウだけの味付けなので、日本から持ち込んだソースをかけて食べていました(笑)
ホームステイ先から大学までは 徒歩圏内ではないですが、バスで通学するのに苦労はありませんでした。
大学生活を振り返って

2024年12月、卒業式に出席後、日本に帰国しました。
大学生活を振り返ってみて、勉強は決して楽ではありませんでしたが、その分、以前よりも勉強することへの抵抗感はなくなりました(笑)
説明が少し難しいのですが、自分の中で
勉強に対する熱意と知識欲がココまで大きくなるとは予想外で、それが
1番 大きな収穫だったかもしれません。
現在の目標
前述の通り、留学前と変わった点でもありますが、勉強への熱意と知識欲が勝っていて、今後は日本の大学院に進学することを目標に8月の 大学院入学試験に向けて勉強中です。
大学院では、
生物の分子系統学の研究分野に進みたいと考えています。
高校生へのメッセージ
これから留学を考えている高校生の皆さんには、もし
英語に自信がないのなら、英語の勉強をしっかりしておきましょう。大学を開始したら、まず間違いなく1度は英語で躓きます。
ただ、そのハードルの高さは中学・高校時代にどれだけ勉強してきたか? にかかってきます。もしIELTSスコアがギリギリの状態だとしたら、もっと勉強してきましょう。
あとは 留学中はつらいこともあるので
どんな困難にもくじけない強い心を持ってください。
最後に、将来
何を学びたいのかを明確にしておくことをお勧めします。 日本の大学は、大学名で選ぶことが多いかもしれませんが、海外の大学はコースが細分化されているため、何を学びたいのかをしっかり考えて選んでください。
私は動物好きで動物生物学を選択しましたが、苦労する科目はあるにせよ、好きなことが中心にある学びだからこそ、頑張れたと思います!
スタッフからのコメント
日本帰国後にオンラインにてインタビューさせて頂きました。
Harunaさんとお母様から最初にお問い合せ頂いた際に、「中学から大学は海外でと決めてたんです」とおっしゃられてたのを今でも覚えています。
高校卒業時にはコロナで渡航できずでしたが、無事に大学進学をされ、卒業されたことをとても嬉しく思っています。
インタビュー中、大学で楽しかった授業、大変だった授業など教えてくれましたが、最後に「勉強への耐性(体制)ができたと言うか(笑)、、実は、研究したい分野があって、今は 院試に向けて勉強しているんです」とおっしゃられた Harunaさん。
どうやら、オーストラリアの大学を卒業したことは学びたいことの最初のハードルをクリアしたに過ぎなかったようです。 日本での院試に向けて頑張ってください!引き続き応援しています。