【体験談】QUTで学んだ実践力とオーストラリア留学生活

眞茅 幸成さん
クイーンズランド工科大学でビジネスを学んだ眞茅さん。実務経験を積み、国際会計を深く学びながら、ブリスベンでの充実した学生生活を送りました。EAPを経て英語力を高め、アルバイトやインターンシップを通じて実践的なスキルを磨く日々を送った彼の経験と、将来に向けたキャリアへの道のりをご紹介します。

オーストラリアでビジネスを学びたいと思った理由を教えてください。

英語圏の留学先をいくつか候補にはしましたが、自分が調べる中で教育水準が比較的高く、学業だけでなくインターンシップやアルバイトを通じて実践的なスキルを養える環境が整っている点に魅力を感じ、オーストラリアでビジネスを学びたいと思いました。

また、留学する上で「国際的な場面でも通用するスキル」を身につけられることを一番に考えました。

私はクイーンズランド工科大学(QUT)では、Bachelor of Business(Accounting)-会計学を専攻していましたが、オーストラリアは国際会計基準(IAS)や国際財務報告基準(IFRS)を採用している国の一つです。

大学のコース内容に目を通していく中で、学部のカリキュラムもこれらの基準をベースに構成されており、実用的かつ実践的な学びを提供している点が大変魅力的だと感じました。

QUTを選んだ理由を教えてください。


上でも書きましたが、「国際的な場面でも通用するスキル」を身に着けたいと考えており、その中で、学んだ知識を「実践的」に応用できる環境が多い点に魅力を感じ、最終的にクイーンズランド工科大学を選びました。

ただ、はじめから会計学分野に行くことを決めていたわけではありません。当初はMarketingやInternaitonal Businessにも興味を持っていましたが、自分で本当に学びたいことや将来のプランを考えた上で、Accounting(会計学)に進むことを決断しました。

ちなみに、クイーンズランド工科大学のビジネス学部では、1〜2年次にビジネスの一般科目から専攻に応じた基礎〜中級レベルの内容を体系的に学びます。課題では、実際のビジネス環境で起こり得るケースが取り入れられ、それらを踏まえて自分の意見をまとめることが求められました。

これによって、ビジネス環境で必要な知識や思考法を実感をもって学ぶことができたと感じています。

さらに、3年次には「キャップストーン」と呼ばれる授業で、1〜2年次に学んだ内容を応用する機会があり、実務に近いトピックをより深く学んでいきます。

海外の大学に進学するのは大きな決断だったと思いますが、どうでしたか?


実は、日本の大学進学もかなり真剣に考えていました。

地元の友人たちが次々と日本の大学に進む中で、「自分も同じ道を進むべきなのでは?」と何度も迷いましたし、日本の大学には安心感もあり、家族の近くにいられるというメリットも大きいので、そちらへ傾きそうな時期もあったくらいです。

しかし、自分のやりたいことや将来の姿を改めて考えたとき、「英語力を高めて、国際的な舞台で働きたい」という気持ちがどうしても残っていました。その目標に近づくためには正規留学が最適だと気づき、さらに海外での学びは文化や考え方の違いを肌で感じることができるので、自分の視野を広げるチャンスにもなると思ったのです。

もちろん不安もありましたが、挑戦しなければ後悔すると感じ、最終的に留学を選びました。今振り返ると、あのとき勇気を出して留学を決めて本当によかったと思っています。

留学する上で英語力に不安はありましたか?


日本にいる時点でDiplomaコースに直接入学できるだけの英語力は備えていました。ただ、不安がなかったわけではなく、Diplomaコース参加前までには、できるだけ伸ばしておきたいと思い、QUT CollegeのEAPコースを受講しました。

EAP(English for Academic Purposes)では、一般的な語学学校とは異なり、大学進学に必要なディスカッションやアカデミックエッセイの書き方を重点的に学ぶことができます。とくにアカデミックエッセイの書き方は独学では難しく、後の本科コース進学時に非常に役立ったと感じました。

EAPコースは1クラス10〜15人の少人数制で、先生方が一人ひとりに親身に対応してくれます。また、クラス内には「英語以外使用禁止」というLanguage Ruleがあり、英語を使う機会がとても多かったです。

私はDiplomaコースの英語要件をクリアした状態でEAPに入学しましたが、エッセイやアカデミックなプレゼンを英語でこなすのは大変だったので、EAPを受講しておいて本当に助かったと思います。さらに、大学生活が始まる前に現地の生活に慣れる時間があった点も非常によかったです。

ちなみに、英語力を高めるうえで特に効果があったのはシャドーイングだと実感しました。リスニング力や発音が向上し、会話の中で「このフレーズ、どこかで聞いたことがある!」と思う瞬間が増えました。文法の基礎を固めることも大切で、しっかり整理されていると自信を持って話せるようになりますし、間違いも減ります。最初は地味な作業に思えても、のちのちとても役立ちました。

さらに、映画やドラマを英語字幕で観たり、興味のあるニュースや記事を英語で読んだりして、日常生活に英語を取り入れる工夫も続けていました。楽しみながら英語力を伸ばせるので、「勉強」という意識が薄れ、無理なく継続できたと思います。

また、Diplomaコース開始時は、正直なところ、最初の学期は非常に大変でした。特に、課題の進め方や文献の探し方に戸惑いましたが、EAPで学んだことがレポート作成などに役立ち、比較的スムーズに対応できた部分もありました.

留学中の1日のスケジュール例を教えてください。


比較的時間に余裕がある日

時間 内容
8:30〜12:30 アルバイト
13:30〜17:30 授業
18:00〜20:00 自由時間
20:00〜22:00 勉強
22:00〜24:00 自由時間
学期の始めや課題が少ない週は、比較的余裕があります。勉強時間は授業の復習や課題の準備が中心で、自由時間にはアルバイトなどの時間に当てていました。

試験前や学期終盤

時間 内容
9:00〜13:00 勉強
13:00〜14:00 自由時間
14:00〜19:00 勉強
19:00〜20:00 自由時間
20:00〜2:00 勉強
学期終盤になると課題や試験勉強が重なるため、自由時間がほぼなくなります。図書館で長時間勉強する日々が続き、日中も夜もひたすら課題や試験対策に取り組むことが多いです。

週末に限って言えば、友人とカフェを巡ることが多かったです。オーストラリアはカフェ文化が盛んで、オシャレなカフェが多いので訪れるだけでも楽しいですし、その後は近くの公園でのんびり過ごすこともありました。

その他、アルバイトや学生団体のイベントに参加して忙しく過ごす日もあれば、一日中寝て体を休めるする日もありました。

また、留学生活は大変なことも多くありましたが、気分に合わせて好きなことをしたり、リフレッシュすることを忘れないように心がけました。

コース内で特に興味深かった、または苦労した科目を教えてください。

まず、特に印象的だったのは、Business Capstone、Accounting Capstone、Undergraduate Business Internshipの3つです.

BSB399(Real World Ready – Business Capstone)

実際のビジネス環境で起こる問題をケーススタディを通じて解決していく授業です。
私のクラスでは、オーストラリアF1スポンサー業界の一部であるAustralian Grand Prixをクライアントに見立て、「海外観戦者を増やしてメルボルン経済をより活性化するにはどうすべきか」をテーマに取り組みました。

問題解決のフレームワークやリサーチスキルを学び、最終的にはグループで20分間のプレゼンを行い提案をまとめます。ゲスト講師として企業の方が来てくださることもあり、非常に刺激的な授業でした。

AYB339(Accountancy Capstone)

Business Capstoneの会計版といえるクラスで、グループでのケーススタディが中心です。税務や財務会計に関するシナリオが二週間ごとに出題され、必要な情報をリサーチして解決策を見つけていきます。

クライアント役の教授に対する質問内容も「ビジネス目線」である必要があり、チームでの協力や工夫が求められました。学期末には個人課題として財務諸表や法人税務処理を行い、新卒会計士レベルの基礎スキルを磨くことができました。

BSB305(Undergraduate Business Internship)

QUTであれば、多くの学生が受講する、インターンシップ科目(Work Integrated Learning-WILです。

セメスターを通して100時間のインターンシップを行い、得たスキルや気づき、業界のトレンドをレポートにまとめます。LinkedInの使い方や履歴書(Resume)の添削など、卒業後のキャリアを意識したサポートも充実しています。
QUTが提携している企業からインターンシップの紹介を受けられる場合もあり、現地就職を目指す学生にとっては実務経験を積む絶好の機会でした。

AYB203(Taxation)

また、一番苦労したのは法律系の授業で、特に税法「AYB203(Taxation)」が難易度が高かったです。個人所得税から国際税務、法人税まで範囲が広く、英語の専門用語を理解するのに苦労しました。

期末試験は資料持ち込み可でしたが、300ページほどの講義ノートと自作ノートを使いこなすには、あらかじめ内容を深く理解しておく必要があります。

最終的に、講義の復習や教授への質問を徹底的に行い、自分で問題を解きながら応用力を身につけることで乗り切りました。
とにかく日々の授業や課題、また試験に付いての準備は、早めに着手することを心がけていました。課題でわからないことがあれば、すぐに教授に質問するようにしていましたし、質問するときには、下書きや疑問点をまとめておくと、より的確なアドバイスを得られてスムーズに進められます。

試験勉強も同様に早めに取りかかり、範囲を繰り返し復習します。オーストラリアの大学では応用問題が多いため、暗記だけでは対応できない問題も多いです。「なぜその答えになるのか」をしっかり理解して、自分の言葉で説明できるようにしておくことが大切だと感じました。

留学期間中のインターンシップやアルバイトについて詳しく教えてください。

留学中、私は経理関連のアルバイトと会計のインターンシップを経験しました。

アルバイトではアパレルショップの経理担当を務め、仕入れ先への支払いやデータ処理、発注依頼、不正利用の調査など幅広い業務に携わりました。これにより基礎的な経理スキルを実務を通じて身につけられました。

さらに5つ星ホテルの財務部で行ったインターンシップでは、データ分析や予算管理、取引先との交渉など、より専門的な内容に挑戦できました。データを活用した意思決定プロセスを体験できたことは大きな収穫で、実務上の責任感やプロ意識も高まったと思います。

就職活動を開始した時期や、特に意識した点、苦労した点を教えてください。

私は2024年12月卒業予定でしたが、オーストラリアでの就職をメインに考えていたため、日本の就職活動を始めたのは2024年中頃とやや遅めでした。

シドニーで毎年8月に開催されるJCF(Japan Career Fair in Sydney)に参加し、希望していた職種の内定をいただきました.

短期間での就職活動だったので、就活の軸を明確にし、業界が求める人材像を意識するよう努めました。また、「なぜその業界を志望するのか」「将来は何をしたいのか」を明確にして、面接時にしっかりアピールできるよう準備しました。専攻している内容もよく聞かれるので、どんな学びがあったのか、それが就活の軸にどう活きているかをまとめておくと良いと思います.

グループディスカッションやケース面接など、特殊な形式の選考がある業界も多いので、早めの準備が重要だと感じました。私は短期間で仕上げる必要があり大変でしたが、これから挑む方はぜひ余裕をもって取り組んでください.

その他、留学生活で「良かったこと・楽しかったこと」や「逆に困ったことや・苦労したこと」があれば教えてください。


まず、ブリスベンはもとよりクイーンズランド州を選んで良かった点は、年中温暖な気候です。冬でも日中は薄着で過ごせる日が多く、寒さが苦手な私には快適でした。

一方で、お店の閉まる時間が早い点は最初カルチャーショックでした。日本では夜遅くまで開いているお店が多いですが、オーストラリアでは20〜21時には閉店するところが少なくありません。祝日はそもそも営業していない場合もあり、慣れるまでは不便に感じました。

これからブリスベンに留学する学生さんになにかメッセージがあれば、ぜひお願いします。

オーストラリア留学中には、メルボルンを含めいくつかの都市に足を運びました。ブリスベンは、他都市と比べると娯楽が少なく感じられるかもしれませんが、その分ゆったりとした環境の中で自分のやりたいことをじっくり見つけられる街だと思います。アルバイトやインターンシップ、クラブ活動など、さまざまなことに挑戦すれば、新しい発見や成長のきっかけを得られるはずです。また、オーストラリア全体に共通することでもありますが、さまざまなバックグラウンドを持つ人々と交流できるのは大きな魅力です。

語学や勉強だけでなく、多様な文化や価値観に触れることで幅広い視野を得られます。日本にいるだけでは体験できないことばかりなので、留学中は思い切っていろいろなことに挑戦してみてください!

スタッフからのコメント

2021年に眞茅さんから初めてお問い合わせをいただいて以来、留学のご相談や出願手続き、そして現地スタッフとしてのサポートを担当させていただきました。
お互いの家が近いこともあって、私が仕事に出かけるときにアルバイト帰りの眞茅さんとばったり会ったり、コーヒーを買いに並んでいるとすぐ前に眞茅さんがいたりと、ちょっとした偶然が重なることがよくありました。

そんななか、時間があるときにはカフェでキャッチアップして近況を聞いていたのですが、印象的だったのは、留学中に不満や愚痴を一度もこぼさなかったことです。実際にはここには書ききれない苦労もあったはずですが、彼はいつもポジティブに物事を捉え、やるべきことをきちんとやり遂げる姿勢を貫いていました。

留学を通じて大人になっていく眞茅さんの姿をそばで見られたのは、私にとっても嬉しい経験でした。これからは社会人としてさらなる活躍をしてくれることを、心から楽しみにしています。
豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号I008)
2025年現在ブリスベンで生活中。主に長期留学、専門学校留学、大学留学などの相談を担当させていただいており、留学中のサポートはもちろん、生徒さんのキャリアを考慮し進学プランをお伝えしています。また、社内一のコーヒー好きなため、カフェ情報もお伝えしています。出来るだけ多くの方に有意義な情報が提供できる&ムードメーカー的な立ち位置に滑り込めるよう、日々奮闘中です。 このカウンセラーに質問する

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