ワーキングホリデー後、なぜ留学しようと思ったのですか?
オーストラリアにもっといたいと思ったのが一番の理由です。
もう一回勉強したい、英語を使って、今後の活かせるスキルを身につけたいという気持ちも大きかったです。
18歳、高校卒業のタイミングで自分の進路を決める時、保育も英語もやりたいという気持ちでした。
でもその時に決めきることができずに、英語の方が役に立つかな?という理由で英語が学べる大学(英文科)に進学しました。当時は英文科で勉強したら英語が話せるようになるのでは?と思っていたけれど、実際は伸びませんでした。
大学を卒業してから教育系の仕事についたのですが、子どもが好きだな、保育士になりたいなというのはずっとあって、ワーキングホリデーが終わるタイミングで、せっかくだから英語も使って興味がずっとあった保育の勉強をしようと決断しました。
ワーキングホリデービザの期限が終わる半年くらい前に進路を決めて、様々なエージェントに連絡してみました。一番対応が良かったと思ったオーストラリア留学センターに決めて、進学に向けて準備を始めました。
この時ちょうどロードトリップ中で偶然Mackayにいた弊社代表の衛藤。詩織さんとカフェで直接、留学プランについてお話することができました。
TAFE Queenslandは沢山キャンパスがあるけれど、どうしてToowoombaを選んだの?
実は最初Toowoombaは考えていませんでした。ブリスベンキャンパスで勉強しようと考えていたのですが、衛藤さん(代表)に、
「MackayとToowoombaは似ているよ。ここの環境が好きならToowoombaも合っていると思うよ」とアドバイスをもらいました。私は広島の田舎出身で、都市よりも小さな街などの方が落ち着くし、好きです。
今まで都会に住んだこともなかったし、ワーホリでもMackayにいたし、都会への憧れというより、小さな所でこぢんまり住んでみたいという思いもあり、Toowoombaに決めました。
Toowoombaはブリスベンから公共交通機関で2時間半ほど、車で2時間ほどの場所に位置しています。
TAFE Queensland、チャイルドケアコースのカリキュラムを教えて!
座学と実習は半々くらいの割合です。
■実習
1月に入学し、5月から実習が開始しました。
まずは実習先を探すところから始まり、実際に保育園で働きます。
学内での実習はオムツ替えの練習、ベビーベッドを作る練習、何人かが子どもの役を演じてロールプレイングをして、オブザベーションを書く練習をします。
ゲーム感覚で遊べるアクティビティを学んで実習先の保育園へ持ち帰ったりもしました。
■座学
オーストラリアは多文化国家ということもあり、文化の勉強はしっかり行いました。
アボリジナルのバックグラウンドがある家族が来たらどうやって接するか。宗教的なこと、文化的なことで食べられないものなどを学んだりもしました。
■課題
クイズ形式の課題、ライティングの課題、実演やディスカッションなど色々とあります。
例えばライティングの課題では、今実習先の保育園でやっていること、アクティビティなどをまとめたり、オブザベーションを作ります。
オブザベーションというのは、子どもを観察して、どんな成長があったのか、どんなことができるようになったのかなどのレポートです。親御さんから写真使用の承諾なども得ながら課題を進めます。
最近の保育園では”サステナビリティ”の教育に力を入れています。リサイクルボックスを使った遊び
や、みみずを育ててコンポストをするとか…こんなことをまとめたりしました。
実演などではシナリオが色々あって、例えば英語が話せない家族がいた場合の対応や、そんな家族にどんなことができるか?(園内にその家族の国籍の国旗を飾ってあげるとか)など考えたりします。
一緒に学ぶクラスメイトについて教えて!
Certificate 3の時は15名程のクラスメイトと一緒に勉強していました。国籍やバックグラウンドはみんな様々で、半分がローカルの学生、もう半分が他国のバックグラウンドを持つ学生でした。
永住権を既に取得しているインド人などもいたので、”留学生”でいえば私も含め4名。日本人は私だけで、他の学生さんは台湾、フィリピン、ジンバブエの出身でした。
Diplomaは超少人数で、3名のクラスでした。台湾、ジンバブエ出身のクラスメイトと引き続きCertificate 3から一緒ですごく仲良くなりました。
先生はどんな人?
2年間で3名の先生に担当してもらいました。先生たちは留学生の対応にもとっても慣れていました。
私の先生はキャリアが豊富で保育園でも園長先生までずっとやられていた方でした。その他TAFEで20年くらい教えているというキャリアの長い先生もいます。
先生はめちゃくちゃフレンドリーで、子ども相手の仕事っていうのもあるのかお母さんみたいな先生でした。
いつもしっかり助けてくれます。課題でどうしてもパスできず困ってしまっていた時、忙しい時期であるにも関わらず、先生が1時間個別にZoomしてくれたり、実習先を探す際も、ローカルのつてが何にもない留学生は見つけるのがハードルが高かったのですが、相談したら先生が知り合いの園に電話してくれて良いところを紹介してくれました。
”あなたの実習を受け入れてくれるから、自分でメールしてオリエンテーションの日時とか決めてね!”
…本当に助かりました。
実習先の保育園について教えて!
実習先は本当に大事です!
Toowoombaには保育園がいっぱいありますが、”TAFEで勉強している”というのは強かったです。実習先からの信頼や繋がりが既にあるからです。
私の園の園長先生はギリシャ人で、スタッフが20名くらいいる保育園です。とてもインターナショナルな環境で半数〜6割ほど、多国籍のスタッフが働いています。
このような環境なので、”多国籍””異文化”にとても理解がある園です。
週1で実習に行っていました。あくせく頑張って働いていたら、園からオファーがあって、Traineeとして働けることになり、今1年くらい働いています。Traineeになってからは、お給料をもらいながら実習時間をカバーすることができました。
チャイルドケア施設での時給の変化
▶︎初期の時給、A$25
▶︎Certificate取得後、A$27に!
▶︎Diplomaを取得後は、A$29〜
実習中は現場で色々なことに直面します。子どもでも私が新人だって分かったりして、言うことを聞いてくれなかったり、自信を無くしたりすることもあります。
こういうときどうしたらいいの?ということについては学校に持ち帰って、一人一人、実習先で困っていることをクラスで共有して先生にアドバイスをもらったりして、また頑張ります。
Certificate3修了時、コースのExcellent studentに選ばれ、表彰!
素晴らしいですね!選ばれた理由はなんだったのでしょうか?
先生ととても仲がよかったです。少人数だったと言うこともあり、授業中はたくさん発言をしていました。多分、積極的に授業に貢献したところをみてくれたのかな。と思います。
コースの卒業式にはクイーンズランド州上院議員でMinister of Child safety(児童安全大臣)のDi Farmerさんが来てくれて、壇上で卒業証書を授与してくれました。その後挨拶をしたり一緒に写真を撮ったりもしました!
※ABC Radio(Australian Broadcasting Corporation、日本でいうNHK)がTAFE Queenslandに取材としてきた時は、留学生としてインタビューもされました!
英語で勉強、実習するのは大変だった?
英語については、授業自体は問題なかったですが、課題で長文を書くのが大変でした。ついていけないということはありませんでした。
英語力はオーストラリア渡航前、TOEIC630だったのですがワーキングホリデーを終え英語力がのび、860点ほどまでスコアを伸ばすことができていました。
ワーホリ時代、どうやって英語力が伸びたの?
Mackayで英語漬けになったのが大きかったと思います。
でもMackayで生活することを最初決めていたわけではなく、最初はブリスベンに渡航しました。でもその時期が丁度大学生のホリデーと被ってしまっていたからか、なかなか仕事が見つからず、ワーホリの目的の一つは貯金することでもあったのでとにかく仕事を求め、動きました。
セカンドビザを取得するため、ファームやファクトリージョブを狙いアデレードに行ってみたのですが…。なかなか見つからず、仕事がない!!という状態になり、X(Twitter)でMackayのお仕事を見つけたのをきっかけに移動、3ヶ月仕事を頑張りました。
MackayではMining Job(採掘)をするMining Campでのハウスキーピングやキッチンハンドの仕事をしていました。3000人分の食事を準備したりしていました。ひたすら野菜を切ったり、パックに詰めたり、2週間ガッツリ働いて、1週間オフを楽しんで、また2週間ガッツリ働いて…というようなスケジュールでした。
そこで友達になる人は、チリとかアルゼンチン出身で、周りに日本人じゃない友達がたくさんできました。またMiningの仕事はオーストラリア人の人が多いです。普段接しないようなゴリゴリのアクセントのある人たちにも囲まれて、本当に鍛えられたと思います。
ちなみに一人部屋での住み込み3食付きだったので、家賃食費も随分節約と貯金ができ、学費の準備もできました。
ワーホリは実は2カ国目で以前はカナダにいました。シャイで最初は話すのが怖かったけれど、語学学校に行ったりして、英語を話す、英語で働く、海外に友達ができるのが楽しいって思ってオーストラリアに来たんです。その経験も大きかったかもしれません。
お休みの日は美しいMackayの自然を思いっきり堪能!
オーストラリアの幼児教育についてどう思う?
■自由な教育
私は日本での保育士の経験はないので、全て初めてのことばかりだけれど、自由でいいなって思います。
子どもがやりたいことができる環境があり、強要することがありません。
例えば子どもが木に登り始めると、すぐ危ない!って止めたり、怒るのではなく、頑張れって見守ります。
ただ、縛られない分、なかなか言うことを聞かない子どもたちも。保育園の隣に馬がいるのですが、おもちゃを投げたりして困ります。これは止めます。笑
■意外と多いペーパーワーク!
・保育アプリ
0歳児のクラスで働いているのですが、今は保育のアプリもあり、”一日こういう日を過ごしたよ”というデイリーレポートを、写真とともにアプリを通して子どもたちの家族に共有します。これに対して親もコメントができます。
・オブザベーション
月一で担当の子の”この1ヶ月でこんなことができるようになった””こういうことに興味がある”、”長所”など親と共有できるレポートを出します。
まだ親御さんに何か伝えるときは緊張することもあるけれど、色々報告します!
■アクティビティ・イベントが多い!
毎日のアクティビティの内容を考えています。ペインティング、粘土など。
保育園は結構イベントが多いんです。例えば毎週金曜日は保育士たちが花柄の服を着る”フローラルフライデー”や、クレイジーヘアデーでは子どもたちが面白い髪型で登園したり、ブックウィークは子どもたちそれぞれヒーローやプリンセスなど自分の好きなキャラクターになりきって過ごす…など。
これ以外にもハロウィンだったら園内を本格的にデコレーションして、ハロウィンのアクティビティをしたり…!
インドのディワリ、中国の新正月など、いろんな文化をお祝いするのは面白いです。
■子どもに対してのサポートが多い
Diplomaで学んでいる時に思ったのですが、一人一人の子どもへのサポートが多いなと感じました。例えばDisabilityのある子どもへセラピストの専門家が子どもと1対1でセッションしたり、言うことをなかなか聞かない子とかは、例えば”こういうのがきっかけで癇癪が出るからこうしていく”などのサポートプランというのを作って、他機関の方とも協力して子どもをサポートする体制が整っているなと感じます。
オーストラリアでチャイルドケアを勉強する意義
様々な文化の中働ける、学べる点だと思います。いろんな文化を持つ人と働く、いろんな国のバックグラウンドを持つ子どもと接せれる経験ができます。これは日本ではなかなかできない保育の体験かなと思います。
Toowoombaについて教えて!
Toowoomba、私ははめちゃくちゃ好きです!もともと田舎出身なのもあって、都会に住むのが嫌だったので、小さすぎず、大きすぎないToowoombaはわたしにとってベストサイズでしたMackayよりも少し大きめです。
少し車を走らせると、自然や山、滝とかがたくさんあります。
私は車を持っていますが、車がない場合はバス移動がメインになるかと思います。自転車を買ってアルバイトにきている同僚もいます。
わりと大きめなショッピングモールがあって、なんでも揃うし、ちょっと都会が恋しくなったら車やバスでブリスベンに1時間半で行けるのもいいです。
仕事についても、ホスピタリティの仕事でしたら結構募集があります。
毎年9月に行われる”Carnival of Flowers”(フラワーフェスティバル)もよかったです!
これといって何もない田舎でも大丈夫なら、Toowoombaはおすすめです。
治安も悪いと思ったことはないですし、もうちょっと美味しい日本食レストランがあったらなぁくらい。です。
ハナロマートもあるから日本食も手に入ります。
Toowoomba留学の魅力を教えて!
日本人があまりいないので、英語環境が作れます。
大学もあるので学生は実は結構いるんです。
都会ではなく小さな町なので、オーストラリアらしい一面も見られます。ゆったりした雰囲気です。
100年前の建物や、煉瓦造りの建造物があったり、高い建物はないので夕日とかとっても綺麗ですよ。
自然が好きな人、海より山派の人。都会にこだわりがない人、アクティビティがなくても大丈夫と言う方にはおすすめです。
留学が詩織さんにもたらしたもの
保育の勉強は自分にとって新しいことでした。英語で勉強できたのはすごく良い経験だったし、実際に保育園で働いて経験できたし、職場の同僚など新しい人にたくさん出会えて、本当によかったなーって思います。
留学前に準備しておけばよかったこと
結構忘れてしまっていたので、子どもの歌のレパートリーを増やしておけばよかったなーと思います。あとは手遊びとか。日本の絵本とか送ってもらったりして読んであげたりもしました。
保育業界でのやりがいを教えて!
今は0歳児のクラスで、生後3ヶ月〜15ヶ月の子たちを見ているのですが、成長を見守っていく過程にはたくさんのやりがいがあります。子どもが立ち上がったり、できることが増えていく姿を見るのは感動しました。
あと、私の名前、Shioriって発音がこっちの人には慣れていないのか言いにくいと思うのですが、1-2歳の子どもが頑張って名前呼んでくれたりするのはとっても可愛いです。
日本とオーストラリアで働いてみて …
私は日本で5年間働いていましたが、日本はルールが多いし、なんとなく目立っちゃいけない、みたいな雰囲気があったように思います。私はキャラクターが好きなのですが、例えば日本でスヌーピーとかポケモンのTシャツを30歳を過ぎて着ていたら、「えっ」って言われるかもしれないですよね。
でもオーストラリアだったら誰も気にしないし、何も言われないし、全然みんなそれぞれでいいと思うし、服装、体型、メイク、生き方、自分らしくいられるなと感じます。
みんなと一緒じゃないとダメ、みたいなことは全くないです。
あと、働く環境も随分違いがあると感じます。特に時間の面です。
働く時間もしっかり決まっているし、例えば長期で休みを取る時とかも、普通に理解してくれます。日本だと1週間の休みを取るのも大変だったな…。
物質的な楽しさとかではなく、豊かな心でいられるなと思います。
今後のご予定は?
コース卒業後、来年から今いる園でフルタイムで働き、卒業生ビザを取得する予定です。園からはその後スポンサーしてくれるとお話をいただいているので、今後もしばらくはこの園で頑張っていく予定です!
スタッフからのコメント
詩織さんとのご就学中でのメールでのやり取りから、頑張りや、何より楽しみながら留学生活を送っていらっしゃることがひしひしと伝わっていました。
その結果としてTAFEからの表彰も受けられ、そして勤務先からのスポンサーにも繋がっていらっしゃり本当に素晴らしいです。
詩織さんのToowoombaでのご留学経験から、自分にとってベストな留学地を選ぶことって本当に大事だなと改めて感じました。
詩織さんのこれからのオーストラリアでのご活躍も、変わらず応援しております!!