【体験談】グローバルで活躍できる人材になるために〜メルボルン大学で学ぶ「マーケティング」〜

子安 順一郎さん | メルボルン | The University of Melbourne | Business and Management
日本の大学でマーケティングを勉強し、2021年に卒業された子安さん。大学時代に各国の外国人と接した機会を通して、グローバルな環境での生活や勉強をしたいと、修士号はメルボルン大学で取得することを決意されました。

子安さんの留学プラン
・日本の大学卒業
  ↓
・2022年2月〜 
メルボルン大学 Master of Management (Marketing)に入学 
  ↓
・2023年6月 卒業予定
  ↓
・2023年10月 専門商社の開発事業にて勤務開始

留学のきっかけ、大学選び、学業について、詳しくお話を伺いました。マーケティング学は修士号でも人気のコースとなります。

日本とオーストラリアでのマーケティングの概念の違いなど興味深い内容になっていますので、必見です!

オーストラリアで大学院に進学しようと思ったきっかけは?

関西出身なんですが、大学は東京の大学に通っていて、その時に国際学生寮に滞在していました。寮には同じ大学に行っている色んな国の人が住んでいて、日本人/外国人留学生、半分半分くらいの環境で生活をしていました。

その中でそれぞれの文化や価値観の違いが、生活、勉強、仕事の仕方、考え方に大きな影響や違いを及ぼすことを実感しました。

寮生活を通して、"将来グローバルな環境で活躍できる人は、文化や価値観の違いを理解しつつ、周りを巻き込みながら物事を進めていける人なのでは?”、と思い、そういった力を身につけたいと思い留学を決断しました。

もともと海外で生活したいという想いがずっとあったので、ちょうど大学院に行くタイミングにしました。

メルボルン大学に決めた理由は?

どこで勉強するかを考えた時に、都市から選ぶより、大学を基準に選びました。国籍のバランスや多様性を重視し、いろんな国からバックグラウンドを持った人が集まると考えた時にメルボルン大学が候補に挙がってきました。その後大学の情報、メルボルンの都市を調べて、自分の求めている環境に一番近いと感じました。


オーストラリアは人種のるつぼと呼ばれていて、住んでいる人の4人に一人は海外のバックグラウンドがあると書いていたので、そういう環境に身を置くことで自分が求めているグローバルスキルが身につくのではないかと考えました。

メルボルン大学ではどのような学習スタイルでしたか?

日本の大学では学士課程でMarketingを勉強していて、マーケティングの一連の理論だったり枠組みを学びました。将来的にマーケティングを武器にして仕事に就きたかったので、修士課程では実践力、応用力を身につけることができる環境を提供している大学を探していて、メルボルン大学はまさにそれでした。

修士号なので、日本の学士号で勉強していた時より遥かに実践に近い環境に身に置ける環境でした。そこで起きている問題を解決していくような授業スタイルです。マーケティングの即戦力を身に着けて、就職ですぐに活かせる人材創りにフォーカスされています。

現実に起こりそうなケースの分析や検討を通じて、実践力を身につける授業がメインになっていて、時には実際の企業が抱えている問題点をマーケティングの視点から考え、実際に企業にプレゼンして提案するような授業もあったので、そこで実践力と応用力を磨くことが出来ました。

マーケティングの理論や枠組みをすでに理解している状態で参加し、授業内の課題は事例研究から分析して解決していく、の繰り返しでした。

ディスカッションが毎日のようにあって、その締切に向けてグループで取り組んでいました。メルボルン大学では、課題は個人課題より、グループワークで取り組む課題のほうが多かったです。これは実社会において、グループで取り組むことが多いからという理由で、こういうことからも実践的な内容になっていると感じました。

授業では企業との関わりはなかったですが、選択授業でインターンシップを選ぶこともできるようです。

私はコロナウィルスの関係上、3学期間(1年半)の最初の1学期はすべての授業がオンラインでした。22年7月からは大分緩和されましたが、レクチャーはオンライン、チュートリアルは来れる人はキャンパスで受講という感じでした。

国籍ですが、インドが5割程占めていましたが、中国、その次に東南アジア(マレーシア、シンガポール、タイ)、その他アジア、ヨーロッパ、南米系など色々な国籍の中で学ぶことが出来ました。

クラスメイトは働いていた経験がある人が多く、自分が経験してないことをビジネスの現場で経験している人からたくさん教わり、吸収することが出来ました。


子安さんが「特に面白かった」と思う科目について教えてください


Neuromarketing
選択科目の一つですが、マーケティングの理論と実践を脳科学の視点から検証する内容になります。前半は、五感、感情、についてどういう風に脳が作用して、人間が感じ、考えているのかを脳科学的に学び、後半はこの知識をマーケットとしてどう活かせるのかを考えていく科目になります。

例えば、パン屋さんは、店の前を通る人にパンのいい匂いを送っています。脳科学的にいうと、嗅覚は人間の本能にダイレクトに響くので、嗅覚を利用して販売促進できるいい例となります。

他にも、レストランに入った時に、耳から入ってくる情報と目から入ってくる情報、そして口で感じる情報がすべて一致した時にお客さんの経験がポジティブになるので、お店の雰囲気と音楽がマッチしているということがお客さんの印象に大きな影響を及ぼすことなど、過去の実例と共にマーケッターやオーナーが五感からの情報をどうやってコントロールするかを勉強しました。

B2B Marketing
こちらは必修科目になりますが、Business to Businessの略で、対お客様ではなくマーケティングを企業間取引で考える授業となり、B2Bにおけるビジネスの発展と衰退、ビジネス・ネットワークへの組込みや力関係について学びました。

大学時代を含めて今までマーケティングはずっと学んでいましたが、そこではB2C(Business-to-consumer)、最終の商品をどうやってお客さんに売るのかという考え方でした。

ですが実際にビジネスの世界や経済では80%がB2Bで成り立っています。例えば車であれば、いろんな部品があって、部品を作っている会社、他の買い手会社があって、その根底との関わりの勉強となります。

企業は実際自分の製品を法人向けに売ることが多いので、ビジネスやマーケティングをB2Bベースで考える必要があり、今まで学んできた理論ややりかたと全く別だったので、根本から考え方を変えなければいけませんでした。

父親が会社経営をしているのですが、将来的に継ぐと考えた時にどういう視点からビジネスやマーケティングを考えればいいかという身近な例を想像しながら、没頭して勉強することが出来ました。金属加工の会社なので、売る相手は法人で、メインで考えないといけないのは、買い手と売り手の関係性となります。

例えば、B2C視点だと、自分がお客さんと考えると気に入らなかったら他のメーカーにスイッチできますが、B2B視点だと一度に大量に仕入れすることが前提になる世界なので、損失の違いは大きく異なります。そこで失敗すると、お客さんから大量の受注を失うことになるので、長期的に買い手先との関係性の構築と維持の観点からマーケティングを考える勉強が出来ました。

マーケティングに興味を持った当初は広告がマーケティングだと思っていましたが、その考え方自体がB2Cだし、マーケティングは最後の1ピースであって、広告の前に市場調査(ニーズの分析)から始まり、そこから製品ができるということを知りました。

商品を作る前のマーケティング手法を知りたくて修士号を勉強しようと思ったので、この教科やMarketing Researchの教科で、販売にいたるまでのプロセスと知識をしっかり身につけることが出来ました。

Capstoneついて教えてください

2年目の最終学期にCapstone(最終科目、総仕上げ課題)があります。Capstoneとして必修で「Marketing Strategy」を履修し、選択で私は「Marketing Metrics」を履修しました。選択ではインターンシップを選ぶことも出来ます。

Marketing Metricsではマーケティング(広告など)をうった後に、その成果を測るための指針を測る公式を勉強するクラスです。

Marketing Strategyはシュミレーションゲームのような科目で、クラス内でグループにわかれ、そのグループを一つの会社(自転車を売っている)とし、その中でマネージャー、ファイナンス担当、ブランディングマネージャー、人材や広告担当等の役割に分かれます。

ネット上のシュミレーションゲームに登録して、それぞれのグループがみんなライバル会社となり、どの地域にお店を開くかを人口やニーズのデーターから分析して、他のグループがどう動くかを予想しつつ、最終的には一番利益をあげたグループに最高の成績が与えられるというものでした。シュミレーションの中の個々のパフォーマンスによっても成績が決まりますが、ゲーム感覚で授業を受けることが出来ました。

6人位が1グループとなり、合計10グループくらいありましたが、グループ内でデーター分析をして、会議ではみんなで意見を出し合ってまとめていくので、とても実践的な経験となりました。

特に印象に残っていることはありますか?

どの授業もグループワークが基本で、その中で文化、価値観の違いから衝突する場面は多くありました。例えば、毎日グループミーティングがあるのですが、時間設定時に、「明日の午後3時からミーティング」と決めても、私は2時50分には席に着きますが、次の人が来るのが3時半だったりと予定通り始まりません。それが自分の海外での初めてのミーティングだったので、大きな衝撃をうけました。

最初は怠惰だと思っていたのですが、色々締切が迫ってくる中で続いていたので、集合時間について話し合う機会を設けたら、怠けているのではなく、時間の捉え方が各自で違うことに気が付きました。

いつも「Around3」と言っていたのですが、3時頃の捉え方が、人種や文化によってそれぞれだということがわかりました。

次からは何時何分から何をして、という細かいスケジューリングをしようという話になり、無事解決しました。

また、面白かったのが、日本人は始まる時間には厳しいが、終わる時間はダラダラ話すと言われたことです。よりいいものを提出しようとするなら時間をかけるのが当たり前と思っていたのですが、他の人にとっては長時間話す事がストレスと感じるということがわかり、そこから、始まる時間も終わる時間もしっかり決めよう、となりました。この経験を活かしてほかの科目でもスケジュールを組めたので、いい気づきになりました。

これから海外の人と働く機会もあるので、この経験を出来たことは大きな学びになりました。

嬉しかったことはありましたか?

日本人の素質を周りの友人から評価してもらったことです。グループワークの中でリーダー的な存在になることが多かったのですが、周りを俯瞰的にみれるスキルを、一般的な日本人の素質としてみんながかってくれていました。

多くの国で言うリーダーは先陣きって突っ走るリーダーと考えられると思うのですが、みんなの意見を聞いて、まとめることができるのは子安だと言われたのはとても嬉しかったです。

メルボルン大学のキャンパスライフ



留学生がとにかく多い大学なので、国ごとのクラブがあったり、アジア学生団体があったり、常にホームシックにならないような、安心して勉強できる環境はあったと思います。

特に私の時はオンライン授業が半分だったので、対面の交流関係を作るためにアジア学生団体、コーヒークラブなどに参加していました。

ライティングのサポートなどはありますが、私は利用していませんでした。
授業では常に図書館のリソースを参照することを推奨されますし、課題の中でも評価されます。図書館は学部ごとに分かれていますし、リソースがとにかく豊富で、司書の方に研究内容や知りたい内容を説明しお薦めの本を紹介してもらえる環境はいつでもあります。

図書館は夜中の12時位まで開いているので、学期中は朝7時に起き、8時には学校に着き、夜の11時半くらいまで勉強という生活でした。グループ向けのミーティングルームもあるので、そこでクラスメイトとミーティングすることもよくありました。

お休みの日はどのように過ごしていましたか?

いろんな国の友達ができたので、ブレークの時は、その国の子たちとその国の料理(タイ、台湾など)を一緒によく食べに行っていました。


ドライブやハイキングで、グランピアンズやモーニントンに行き、キャビンに滞在したこともあります。アルバイトはする時間がなくてほとんど勉強に費やしてました。


コースが終わってからは、タイ人の友達と一緒にタイにも3泊4日で旅行に行き、地元を紹介してくれました。今度は自分も日本を紹介したいと思っています。


就職活動について

2学期目の中盤から就職について考え始めて、2学期目が終わった12月頭から2月までの夏休みを利用して就活に時間を費やしました。東京で就活イベントがあったので、参加するため帰国もしました。

その間に内定をもらったんですが、決断できず3学期を迎え、オンラインで何社か面接を受け、5月位に最終的な就職先が決まりました。

2023年10月から専門商社で、海外での住宅開発事業に配属されています。経営学に近いことだったり、会計や海外の企業の買収プロセスに今後携わっていく予定です。

豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号I138)
メルボルンは、市内に行くとおしゃれなカフェやレストランがたくさんあり、少し車で走ると自然が広がるオーストラリアのいいところを凝縮した街です。様々な国籍の方と一緒に学んだり、働いたりできる機会がたくさんありますので、是非一度いらっしゃってください! このカウンセラーに質問する

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