【体験談】大事なのは行動力!オーストラリアでグラフィックデザイナーを目指す 〜QUTで大学留学〜

孫崎うららさん | ブリスベン | Queensland University of Technology | Design
日本で高校卒業後ブリスベンに語学留学し、そのまま現地で大学に進学した孫崎さん。CSSとHTML の基礎的コーディング、Adobe Illustrator、フォトショップ、UI, UXデザイン、Figma、p5js・・・など聞き慣れないグラフィックデザインの専門用語が並びますが、これらを基礎から学んでロゴやポスターからアプリやウェブサイトまで制作できるようになりました。

「コーディングやアプリのデザインなど、難しそうに聞こえるかもしれませんが、意外とできちゃいます」と仰る孫崎さんに、大学で学んでいる具体的な授業内容や、実際に制作した作品、将来のキャリア、更にブリスベンでの留学生活についてお伺いしました。

”私もQUTの学生になりたい”

QUT(クイーンズランド工科大学)に進学した理由をおしえてください

語学学校に通う間にブリスベンの気候や環境、文化が好きになり、ここで英語を使って自分の興味のあることを学びたいと思うようになっていきました。

大学を決めるにあたってはオープンキャンパスを訪れ、QUTの実践的な授業形式や、実際に自分たちのアイデアを物にし生き生きとした学生さんたちの姿がとても輝いていて印象的だったため、私もQUTの学生になりたいと思いました。
 

個性溢れる仲間に囲まれたDiplomaコース

まずはDiplomaコースからのスタート。どんな勉強をしましたか?

Diploma of Creative Industriesコースは(大学に入って)細かい分野に分かれる前段階で、デザインや、映像、クリエイティブな思考、また大学に進学してから必要になるエッセイやレポートのまとめ方、書き方などの基礎的知識を細かく教わりました。

QUTライブラリー(図書館)の使い方や、レポートをまとめた際の参考文献と引用の書き方など、大学に進学する前に学んでおいて良かったと心から思いました。

中にはインテリアや、ファッション、グラフィックデザインや、映像制作、ゲームプログラミングなどに興味のある学生など様々な個性溢れるメンバーが揃っていて、毎日たくさんの刺激を受けました。
 

グラフィックデザインの基礎からUI、 UX デザインそしてFigmaを使ったアプリ制作まで!


Diplomaコース修了後、Bachelor of Creative Industries コースに進学。専攻のInteractive and visual designではどんな勉強をしていますか?

大学1年目のグラフィックデザイン系科目ではデザインにおいて必要な色のバランスや、フォント、基礎的なイラストの描き方を学び、実際にクライアントの要望に沿ったキャンペーンポスターのデザイン、制作、発表を行いました。

また、ウェブデザインの科目では、CSSとHTML の基礎的コーディング知識を学び、実際に2つのウェブサイトを作りました。1つ目のウェブサイトは自分自身について。2つ目は少し応用課題となり、決められたお題に沿ったウェブサイトを作りました。私のときは小学生向けの「土地を利用したウェブサイト」というお題だったため、どんな時にどのように使われるウェブサイトにするか、子供向けの字体やデザインはどんなものか、を考えるのが大変でしたがとても楽しかったです。

自分でAdobe Illustratorを使って作ったアイコンやイラストをウェブサイトに起用したりなど、実力とクリエイティビティが試されました。

授業の中では、UI, UXデザインについてや、視覚障害を持つ方に向けてのデザイン、WCAGの基準を満たすウェブサイト作り、コンテンツや、フォント、文字と背景のコントラストを考えた色の選び方や使い方、バランス・・・など、Webサイトをデザインする上で重要なことを、たくさんの良い例・悪い例をもとに学びました。

また別の科目では、「現在使われていない土地を利用して地元を盛り上げる施設やイベント」を企画する任務を与えられ、グループメンバーと協力してプロジェクトを立ち上げ、発表しました。

1つ目の課題では自分のアイディアをまとめて、イメージ画像を用いてクラスメイトにプレゼンをします。そして各学生からの投票のもと選ばれたプロジェクトの中から、自分の取り組みたいと思うプロジェクトに集まり、集まった5人ほどのグループでそのプロジェクトの企画を実際にクライアントに紹介できるところまで持っていくというのが2つ目の課題でした。

実際にそのプロジェクトが、どのようにして今の問題点を解決に繋げるのか、自分たちのターゲットオーディエンスやその土地にどのような利点を生み出すのかを調査し、レポートにまとめ、プロジェクトの大まかなスケッチや、必要な道具や作業の見積もり、小道具を使った模型で、プロジェクトの実現に向けた準備を進めました。また、プロジェクトの設置期間から開催期間など細かいプラン作りも大きなポイントとなりました。



大学2年目はレストランやレコード会社などの選択肢の中から、自分の選んだ企業のロゴ作成、イラストレーターやフォトショップを使った企業のキャンペーンポスターの制作を行いました。

そのロゴやポスター制作では、どんな用法を用いて見る人の心を動かしたか、起用したフォントや色のタイプや組み合わせ、ロゴのスタイルが自分のコンセプトとターゲットオーディエンスへのアプローチにどう繋がっているのかをレポートにまとめました。

また、アプリのUI、 UX デザインを学習、実践する科目もありました。そのセメスターのテーマに沿ったアプリのデザインをするのですが、アプリのプロトタイプとして使ったプラットフォームがFigmaです。

Figmaは、自分が作ったアプリのデザインをブラウザ上でデザインができるツールで、デザイナーのほか、ディレクターなどの制作に関わる様々な役割の人とデータを共有することもできます。

実際、これ一つでユーザーが操作できるレベルまでの画面に仕上げることができ、特にUI、UXデザイナーにはとても便利なプラットフォームですが、このようなツールについても授業で学ぶことができたのは、実践的かつ将来に役立つ知識を学ぶことができたと実感しています。

もう1つはp5jsというプラットフォームを使いコーディングで絵を描いたり、マウスやキーボード、音によって動かせるアニメーションのデザインを勉強しました。

決められた操作とコーディングを起用して課題をつくるのですが、それ以外は自分のクリエイティビティーとアイディア、参考にしたアート作品やアーティストが重要な採点ポイントで、アイディアが浮かばないうちは大変でしたが、自分の考えに向けてコーディングを調節して、至難を達成していくのはとても楽しい時間でもありました。



大学3年目は押す、引く、捻るなどの動作を利用したカラクリ仕掛けの制作を行いました。自分のアイデアに基づき、押す力が別の力に変換されて物が動いたりする、医療や介護施設の場ではもちろん、遊びとしても注目されるタンジブルメディアを学びました。

自分たちのアイディアをコーディングと電球を使ってカラクリに変換するという課題では、カラクリのコンセプトや、ターゲットオーディエンス、アイディアとカラクリの繋がりが重要視されました。

また実際に道具を使い、ハイクオリティなカラクリの制作をグループのメンバーと連携をとりながらやり遂げました。


また別の科目では、自分のレジュメやポートフォリオ制作、卒業からその後に向けての具体的なプラン制作を進める一方で、決められた団体の活動を向上させるイベントや企画の提案を行いました。

私たちは動物愛護団体のために野生動物探検隊というスマートフォンを利用した動物キャッチゲームを考案し、着せ替えなどのオプションから得たお金を活動資金にあてる企画を発表しました。

他にも基礎的なデザインの理論を学び、その理論が実際の広告ポスターや絵画でどう使われているかの分析や、会社の店舗ごとにどう使われているか、ターゲットオーディエンスはどう選ばれているかなどの分析をしたりしました。

苦手なコーディングに夢中になれた/Figmaでアプリ制作

特に興味深かった授業を2つおしえてください

1. Creative Coding
教授の授業がとても面白く、学んでいくうちに興味が湧き、自分の思う通りのアニメーションを成功させるために苦手なコーディングに夢中になれました。

授業内容は、コーディングを使って図形や文字、色を操り、画像や、アニメーションを作っていくというもので、週ごとに新しいコーディングを学び、キーボードやマウスキーを使って自分のテーマに沿った作品を作りました。

2. Principles of Interaction design and UX Design
この授業ではアプリをデザインできる面白さを知りました。実際にアプリを制作する会社で使われているワイヤーフレームの作成や、Figmaの使い方が身につき、将来に役立つ科目だと感じました。

授業ではクライアントの要望にあったアプリをワイヤーフレームなどのスケッチでデザインを考え、Figmaを使って実際に作ってみる。何度かユーザーテストを行い改良してアプリを完成させました。

苦手なコーディングもオンライン授業で克服!

逆に、苦労した科目もありましたか?

1. Theories and methods of visual communication
論理を学びその論理が実際の企業でどう使われているかを実際に訪れて写真を撮り、分析して、論理とつなげ合わせたレポートと感想をまとめ、提出し、それをビデオにまとめるという授業でした。

この科目で苦労したのはチューターと教授との意思疎通がうまくできておらず、指示が曖昧で、クラス全員が混乱していました。推奨されている文献や本のリンクが開けなかったりアクセスできなかったりとマネージメントが行き届いていませんでした。

また、課題の内容が、グループメンバーとの協力の難しい内容で、こだわりのあるメンバー、全く授業に来ないメンバーとの調和をとりながら分析やレポートを進めるのがとても大変でした。

2. Introduction to Web Design
HTMLとCSSを使ったウェブサイトのレイアウトデザインや、ウェブサイトへの画像やフォント、色の挿入を学ぶ授業でしたが、もともとコーディングの知識のない私にとってはチャレンジングな科目でした。

チューターの言っているパソコンのキーの呼び名やスペルが一つ聞き取れないと追いつけなくなってしまい、チューターのパソコンの画面が見えればよかったのですが、プロジェクターに映された画面はぼやけていて何も見えず、リスニングだけに頼りながら手を動かしてコーディングしていくのはとても大変でした。

次のセメスターでのCreative Codingの授業はオンラインを選択し、チューターの画面を間近でしっかり見て理解できた上にすごく楽しめたので、正しい判断だったと思います。

普段からアンテナを張ってアイデア集めを欠かさない

授業や課題にはどのように取り組んでいますか?

授業や課題には次の点を特に心がけて取り組んでいました。

✔ 疑問に思ったことや明確に理解できていないことはチュートリアルで納得のいくまでチューターに聞く

✔ アイディアをざっとマインドマップに書き出す

✔ アイディアを最低3つは用意しておき、1つのアイディアや考えがうまく行きそうにない場合はすぐに次のアイディアに切り替えて取り組む

✔ 常日頃から、面白いなと思ったアイディアや、作品、文書などはいつか作品のインスピレーションとして使えるのでメモや、保存しておく

✔ Grammarly を使って単語や文法のチェックを欠かさない

✔ レポートやエッセイの表紙のデザインまで気を抜かず、また他のページとフォントや文字サイズなどをきちんと合わせること

✔ レポートを書く際には、一旦書籍などの文章を理解して、元の文章をできるだけ見ずに自分の覚えてることを自分の言葉でパラフレーズとして書く

✔ 未完成でも一旦はできたものを提出しておく

支えてくれる人たちの存在


QUTで出会って良い刺激や影響を受けた人はいますか?
自分の夢や目標を常に周りの人に伝えてコネクションを作り、夢を実現させながら常にキャリアアップをしているお世話になった先輩。

卒業して、現地の会社でバリバリ働いている語学学校で出会った友達。

授業ノートを毎回すごく可愛くデザインして描いている友達や、思いついたことをすぐに絵にして表現していたクラスメイト。

いつも大丈夫、なるようになるとポジティブに一緒に課題を頑張ってくれた親友。

このように、QUTで出会って刺激を受けている人は周りに大勢います。

孤立から挽回・・・作品を認められるまでに成長!


大学生活で特に印象に残っていることは?

大学に入って初めてのセメスターはコロナの時期でもあり留学生が自分1人だったため、英語に自信が持てず、誰ともペアが組めずに孤立してしまったことがありました。

その時はとても落ち込んでいましたが、その後は諦めずに自分のできる範囲で積極的に発言したり、友達を作ることによって、最近のグループワークでは、自分の出したアイディアが採用され、それが実際に作品となり、クラスメイトの前で発表し、チューターに褒められるまでに成長できたことが嬉しく、とても印象に残っています。

また、友達と朝まで図書館にこもり課題を頑張った日々は辛かったりもしましたが、学生らしくて、楽しかったです。

勉強だけじゃない!リフレッシュ満載のブリスベン生活

ブリスベンでの生活についておしえてください。勉強以外の時間はどのように過ごしていますか?

生活費をまかなうことと社会経験のために、週3〜4日ほど家から近い場所でウェイトレスとしてアルバイトをしています。

最近はローカルのレストランで働き始めたところで、日本人が自分1人のため不安もありましたが、優しい方が多く、楽しく働けています。

お休みの日はアルバイト先で仲良くなった友達と旅行に行ったり遊びに行くことが多いです。海やテーマパーク、動物園に行ってリフレッシュすることもあります。

大学生ならではのballにドレスを着て参加したり、時間ができた時はラジオのボランティアもしてみました。

住まいは、現在はアパートを借りて電気やガス、Wi-Fiなどは自分で繋ぎ、仲のいい友達とシェアをしています。生活環境がしっかり整っていないと精神が安定せず、学業に集中できないため、自分の部屋は絶対に持つようにしています。

ブリスベンで気に入っている場所はたくさんありますが特にニューファームパークと、ウエストエンドにあるHarris Farm Marketのあたりと、カンガルーポイントにあるChristian Jacques Bakery というクロワッサン屋さんが大好きです。

「自分軸で生きるようになり、気持ちが楽に」

留学してから自身が変わったところ、成長を感じるところはありますか?

オーストラリアで過ごす間に様々な考えの人や、文化がすんなり受け入れられるようになったこと。そして環境問題を改善したいという強い意志でベジタリアンになった友達などから少しずつ影響をうけ、環境にやさしいものや、自分の体にやさしい洗剤や食品を意識するようにもなりました。

また、周りの友達や先輩方の支えなしでオーストラリアで生きていくことはできなかったので、何にでも常に感謝をするようになりました。細かいことや人の目を気にすることが減り、自分軸で生きるようになり、気持ちが楽になりました。

それから、アルバイトと両立させながら大学の課題をこなしていくことにより、日常生活で困ったことやハプニングが起こった時に落ち着きながらすぐ解決策を考え、実行する力が身につきました。思考も自然とポジティブな方向に向くようになった気がしています。

目標はオーストラリアでグラフィックデザイナー

卒業後はどのようなキャリアを考えていますか?

次のセメスターでのインターンシップで、自分の勉強していることを仕事にすることはどんなものか、それは自分にあっているかを確かめたいと思っています。

その際に作ったコネクションで就職活動もできたらそれが理想だなと思っていますが、LinkedInや、SEEK Jobなどを使いブリスベンに限らず卒業ビザのある間はオーストラリア内で、UI,UXデザインやグラフィックデザインのデザイナーとして、会社にアプライしてみようかなと思っています。

「とにかく行ってみる、やってみる、勇気を出してみる」


最後に、これからオーストラリアの大学でInteraction and visual designコースを目指す方たちへアドバイスをお願いします。

Interaction and visual designのコースはこれからの時代に欠かせないことを学ぶことができます。コーディングや、アプリのデザインなど、難しそうに聞こえるかもしれませんが、意外とできちゃいます。

自分の発想やオリジナルの絵や模様を使って存分に作りたいものを作ることができ、チューターの方々はそれを喜んでサポートしてくれます。自分の持っているものを表現したい人、絵やデザインが好きな人にはうってつけのコースです。

とにかく行ってみる、やってみる、勇気を出してみることが大切だと思います。自分の思っている以上に自分って意外となんでも出来ちゃいます。大事なのは行動力だと思います。アルバイトも友達もすぐ見つかりますし、オーストラリアでの生活もすぐに慣れると思います。ぜひ楽しんでください。
豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号H318)
13歳でのメルボルン短期留学をきっかけに「英語」と「海外」に目覚め、その後カナダ(語学留学)とアメリカ(大学留学)にも留学。卒業後、ワーキングホリデーでオーストラリアへ再渡豪し、オーストラリア留学センターでワーペリ。帰国と同時にオーストラリア留学センター日本窓口が開設され現職へ。留学生を現地オーストラリアで「迎え入れる立場」と日本から「送り出す立場」、両側での勤務経験を通して、双方の視点からアドバイスすることを心がけています。 このカウンセラーに質問する

サイトのご利用について

当サイト記載の情報の正確性には万全を期しておりますが、当社はそれらの情報内容に関し、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。また、情報は予告なしに変更となる場合がございますので、随時ご確認ください。

お問い合わせはお気軽に! 平日24時間以内にご返信いたします

無料メール相談

平日24時間以内にご返信いたします

お電話での留学相談はこちら