旅行&観光学を学ぶ理由
私はもともと日本の大学の文学部で京都学を学んでいました。大学で勉強している中で、外国人と接する機会がたくさんあり、将来観光業界で外国人と関わる仕事がしたいと思ったのがきっかけでした。
観光学と言っても、学ぶ内容はそれだけに限らず、人とのコミュニケーションの方法、マーケティングスキル、お金の管理まで様々です。
現在はカフェで仕事をしていますが、このコースで学んだ色々な知識を使って仕事が出来ています。例えば、オフィスでのお客様の旅行計画のプランニングの実務練習をしたのですが、ここでは話し方のテクニックやコミュニケーションスキルを学びました。これらのコミュニケーションスキルやマーケティングやファイナンスの教科で学んだことも今のアルバイトに活かすことが出来ています。
ロックダウンの中、コースがスタート
2021年の8月から授業が始まったのですが、ちょうどこの時期メルボルンは最後の長いロックダウンがまた始まったばかりでした。なので最初の学期からオンライン授業となりました。
Provide advice on international destinationsとProvide advice on Australian destinationsの教科は、旅程を組むという教科です。授業全体のイメージがつかめていない状態で旅や場所について全てネット検索して、計画して進めないといけませんでした。
授業はオンラインなので、先生を質問攻めするのも難しくて、クラスメイトの協力もあまり得られないまま、自分で調べてわからないとことは先生に聞く、という感じで開始しました。最初から頼る人もいなかったので、自分なりに専門用語も理解しながら受ける授業は簡単ではありませんでした。
観光業界はその業界だけで使う専門用語が多く、また出てくる土地もローカルの方には馴染みがあっても留学生の私達には初耳である場所や用語もたくさん出てきます。専門用語の表は授業中にもらいますが、それらを完全に理解した状態で授業を受けられないので、馴染むのに時間がかかりました。課題の量も他の学期と変わらなかったと思いますが、オンライン授業が始まってすぐに課題が出たので、要領も掴めてない中、何よりそれを家で一人でやるのは、苦労しました。
2学期目からようやく対面授業開始
2学期目からは、予約システムを使う授業【Use a computerised reservations or operations system】が開始されました。これはガリレオを使う授業です。ちょうどこの時期からロックダウンも緩和されてきたので、2週目位から対面授業で出来ました。
予約システムの授業は比較的苦手な人もいるようですが、私は比較的楽しめた授業でした。この教科はひたすらコマンドをタイピングしていくのですが、私はクラスの中でも比較的早く打てていたと思います。この教科は課題提出もなく、正しく予約出来、システムが使えているかの実践が評価になるので、その点では楽でした。
オンライン授業になると、自分のPCのタイピングボードで打ち込みながらシステムを使うのでキーボードの配置など変わるので、この時期に対面に戻れたのはラッキーでした。
クラスメイトとの交流
この時はまだ国境が開いていなかったので、留学生はもともとオーストラリアにいる子達のみとなり、インパクトから一緒に入った子も含み何人かいるだけでした。
私のクラスは10人ほどで、1クラスだけの開講でした。ローカルの学生のほうが多く6−7割。お母さんだったり、違う業界でキャリアを長く積んでいたり、経験豊富な年上の方が多かったです。
私の親世代の方も何人かいて、とても親切にしてもらいました。みんな面倒見がよくて、「わからないことある?」といつも声をかけて気にかけてくれました。
グループ課題でペアになったらリードしてくれて、調べものも私の倍調べてくれたり、プレゼン資料なども英語の文章を書き直してくれて簡潔にまとめてくれたりと、彼らには助けられました。
一人、ローカルの学生でツアーガイド志望の方がいて、彼はオーストラリアの歴史が大好きでその分野にすごく詳しかったです。一緒にツアーガイドの授業を受けているときもみんなが知らないエピソードを教えてくれて、それらを知るのはいつも興味深かったです。
留学生しか知らない知識やローカルしか知らない知識をお互いに共有できる場があったのはよかったです。
選択教科について
2学期目には選択授業があり、3つの中から選べます。

コロナ渦中だったのでプレースメントは選べなかったのですが、今は選べると思います。私はツアーガイドを選びました。
この科目では、ある観光名所のガイドとして自分でツアーを企画、その後ツアーガイドを行います。Geelong行ったり、Yarra Valleyのワイナリーツアーに行きました。
Geelongでは私は
ウールミュージアムを、Yarra Valleyでは
Soumah Winesを担当しました。
先生から場所の振り分けをされたら、まずはその場所について検索をして、どのように説明するか文章を考えました。ガイドをする時はその場所にって説明する時もありますし、ワイナリーの場合は到着前にバスの中でマイクをつけて10分くらい事前説明をします。
本当は何も説明文を見ずに話せたらいいんですが、それが難しかったので、予め文章をまとめて見ながら話しました。
ガイドとして説明する前に、アグノーレッジメントという先住民やこの土地をリスペクトしてこれから説明しますという宣誓文を言わなければいけなくて、これらの定型文をもらい最初に宣誓します。そういった宣誓は、先住民をリスペクトするオーストラリアならではのもので、とても大事なことだし、先住民の方々が差別されてきた歴史もあるからそれを認識してツアーを行うということは素晴らしいことだなと思いました。
この科目の最後の方に一時間ウォーキングツアーを自分で手配するという課題がありました。これは実践で行い、市内の自分の案内したい場所を自分で選んでアレンジします。
私は
Fitzroy Gardensと、
Treasury Gardensを選び1時間のツアーを考えました。
まずはランニングシート(計画表)を作らないといけなので視察に行きました。そのガーデンにはコテージや記念碑など注目スポットがあるので、それをまずは目で見たり、インフォメーションセンターで地図もらって、そこから計画表を作って提出しました。
最終的にはクラスメイトを連れて、ガイドツアーを行いました。それぞれのガーデンにあるポイントに着くたびにマイクつけて説明をします。この選択授業は4人だけだったので、4つのツアーが行われ、自分以外の時はクラスメイトのツアーに参加しました。ただ、他のクラスの人もツアーに参加したのでツアー参加者は10人以上となり、自分のツアーでは結構緊張しました。
ツアーガイドとして説明する前に自分がその場所についてしっかり理解している必要があります。オーストラリア人なら知っているであろうことも留学生は知らないことが多いです。それらのことをいちから調べないといけないのは大変ではあります。
ウェブサイトやツアー会社のサイトなどを検索して、勉強しました。ツアー会社だと旅程の情報もWEBに載せているので、これらは旅程を作る時やどうやったら一時間で収まるかを考えるときに参考にしました。
苦労したことや楽しかったこと
苦労したこと
アセスメントの量が多いです! 毎月出るというよりは学期の後半にまとめ出るので、期日が被ることもありました。多いときは4-5個同時に取り掛かっていることもあり、一つ終わってもすぐに次の課題にとりかからないといけないこともあり、寝不足状態でした。最後の方はアルバイトも出来ないくらい忙しかったです。
授業内ではわからないことも多かったのですが、メールで質問したら先生は丁寧に教えてくれるのでそれは助かりました。
楽しかったこと
対面になってからは同じ時期の入学者だけじゃなく、パートタイム受講者や、1学期遅く開始した人などと同じ授業になったりすることも多く、オーストラリア人を含めて、いろいろな国の人ともいっぱい知り合えました。国境が開いてからいろんな国の人が戻ってこれたので、様々な国の人と出会えたのが楽しかったです。
帰り道にクッカリー(調理)のクラスの横を通るのですが、その子達が作った焼きたてのパンを無料でもらえることがあって、それはひとつの楽しみでした。
ウィリアム・アングリスで学んでみて…
私のコースはTravelとTourismを両方勉強するコースでしたが、私の受講時は割合的にツアーガイド希望者の方が多いようには感じました。ローカルの人たちは卒業時にはみんな就職が決まっていました。
最初はオンライン開始で大変なこともたくさんありましたが、ウィリアム・アングリスで学んでよかったと思います。学校も市内にあり施設も大きく、綺麗で使いやすいです。
予約システムはガリレオを学んだのですが、ガリレオでフライトチケットが簡単に取れてしまうため、ガリレオを使うことを許可されている学校は少ないそうです。ウィリアム・アングリスはそれを許されている数少ない学校の一つとなり、学校内でシステムを実際に使用して学べたことは大きかったです。
今はワーキングホリデービザで滞在しているので、ひとまずはバリスタで経験を積んでいきたいと思っています。観光業に将来進むかどうかはまだ今はわかりませんが、最終的にバリスタで培ったホスピタリティの知識とツーリズムの知識を使い、それをいい形で日本で活かせたらいいなと思っています。ホスピタリティとツーリズムは通じるところがたくさんあります。