オーストラリアでの大学進学を考えたきっかけを教えて下さい
高校3年生の12⽉の終わりまで、海外進学という選択肢をほとんど考えたことがありませんでした。元々、祖⽗の影響により⼩学⽣の頃から医師に憧れを持っており、⽇本国内の⼤学に進学して医師を⽬指そうと思っていました。ただ、⾼校に⼊学してから思うように成績がついていかず、医学部への進学はずっと絶望的でした。
何浪かの覚悟の上で勉強を続けていましたが、センター試験直前の時期に「このまま医師の道を⽬指していて本当に⼤丈夫なのか」とふと思ってしまい、勉強のモチベーションが⼤幅に下がってしまいました。
そのような時期に、勉強の合間にネットを⾒ていて偶然⾒つけたのが
「海外⼤学進学」という選択肢でした。
そこからはセンター試験への勉強は半分そっちのけで「どうしたら海外の⼤学に進学することができるのだろうか?」「⾏くとしたらどの国がいいのだろうか?」「半分⾮現実的ながらもこのまま海外で医師を⽬指してみるのか?」等を考え、たくさん調べてみました。
⾃分の中での最優先条件としては英語が使える国に⾏くことだったので、イギリス、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどの⼤学について基本的な情報を様々なサイトから⼊⼿しました。この時点では、両親には何も伝えておりませんでしたが、しばらくして軽いノリで「海外⼤学に⾏ってもいい?」と聞いたら「良いんじゃない?」というポジティブな⾔葉を有難いことにもらえたので、真剣に海外⼤学進学を考え始めました。
この時、⼤学受験まで⼀ヶ⽉を切っており、大幅な進路変更は多少反対されるかもしれないと思っていましたが、むしろ海外⼤学に⾏くことを後押ししてくれました。
両親からの後押しももらえたので、こうなったらもう⼀直線に進むだけでした。進学する国を相談したところ、僕⾃⾝は漠然と約15年前に2年ほど住んでいたイギリスの⼤学を⽬指してみたいと思っていましたが、「ちょうどBrexit などがあり情勢も昔の⾃分のイメージのままではないだろうから別の選択肢も検討した⽅がいいのでは?」や「医師にこだわる必要はないのでは?」とアドバイスを貰いました。
これまで⾏ったことのない南半球にあるオーストラリアも良さそうで⾯⽩そうな⼤学がたくさんあると⾔ったところ、賛成してもらえました。オーストラリアの⼤学進学について調べていたときに⾒つけたのが「オーストラリア留学センター」でした。
留学センターの⼤学進学のサイトを⾒ていると、
選びきれないくらいたくさんの選択肢があることに気がつき、⾃分ではどの選択肢が本当にいいか分からなかったのでメールを送りました。年末だったにも関わらず、短時間で返信をもらうことができ、カウンセラーの坂本さんが当時三重県に来ていたので、年明けには早速対⾯でも⾊々と相談をすることができました。
僕⾃⾝が医師の次くらいに昔から関⼼を持っていた「⾃然環境系」は、オーストラリアの⼤学の得意なエリアでもあり、学べることの選択肢も広いと教えて頂きました。また、メルボルン⼤学(University of Melbourne)、ディーキン⼤学(Deakin University)、タスマニア⼤学 (University of Tasmania)だったらより気候変動といった⾃分の興味関⼼に近いことが学べるということだったので、早速具体的な準備を始めることになりました。
⽇本の公⽴⾼校卒業後最短で7⽉⼊学が可能ということだったので、オーストラリアの⼤学の⼊学に必要となってくるIELTS の受験準備に取り掛かりました。7⽉⼊学に間に合わせるためには早急にIELTS のスコアが必要だったので、
周りはセンターが終わり⼤学受験の勉強をしている中、僕は必死で約⼀ヶ⽉後に迫っているIELTS の勉強を進めました。
受験の結果、運良く⽇本では⼀⽣⼊学不可能だと思われるレベルの⼤学であるメルボルン⼤学に⼊る条件を満たすことができたので、トリニティ•カレッジ(Trinity College)のファウンデーションコース経由で、メルボルン⼤学のBachelor of Science, Environmental Science専攻を⽬指すことにしました。
トリニティ•カレッジでの生活について教えて下さい
⽇本の⾼校では部活(吹奏楽)が⾃分の⽣活と頭の中の⼤半を占めていましたが、トリニティ•カレッジ(以下トリニティ)ではそのようなクラブ活動等に割ける時間はあまりありませんでした。⾼校の吹奏楽部では平⽇は毎⽇6時過ぎまで、週末も最低半⽇以上は練習し、定期演奏会などのイベント前はもっと遅くまで練習等がありました。ですので、学校から出された課題をこなすだけで1⽇が終わってしまうことの繰り返しとなってしまい、⾃ずとだんだん成績が振るわなくなっていくことのサイクルでした。
トリニティでの勉強開始早々、
日々の課題をこなすだけでは到底メルボルン大学のBachelor of Scienceの入学条件の平均80点(4科目)を満たすことができないかもしれないと感じました。高校での失敗を繰り返さないために、真剣に毎日勉強しました。
トリニティの時間割は⽇本の普通科の⾼校とは⼤きく異なり、全てのコマがぎっしりと詰まっていることはなく、朝も⽐較的空き時間があったので、なるべく早く学校へ行って課題のエッセイを進めたり、与えられた問題集をこなしたりしていくという⽣活でした。
トリニティの時間割
トリニティ•カレッジのクラスメートについて教えて下さい
トリニティは、オーストラリアの⾼校教育相当の内容を勉強していない⼈向けの学校なので、もちろん現地のオーストラリア⼈はいません。
多くはアジア⼈であり、出⾝地を聞くと、中国・台湾・韓国・マレーシア・カンボジア・ミャンマー・インドネシア・タイ・インド・シンガポールなどとかなり多国籍な環境でした。年齢も様々であり、尋ねてみると⼤⼈っぽくて落ち着いている友⼈が⾃分より2歳も若かったり、国の徴兵の影響で⼤学進学が数年遅くなって⾃分より少し上だったりと多様でした。
英語⼒も⾼い⼈が多く、マシンガントークのように次から次へと英語で話を振られた時は理解が追いつかず⾮常に苦労しました(笑)。また、⽇本で馴染みのあるアメリカ英語やイギリス英語は聞けたとしても、英語の発⾳は出⾝国によって⼤きく変わってくるので、初めて会って話す時は今でも結構何を⾔っているのか分からず苦労することもあります。ただ、
⼤学に正式に⼊る前にいろんな種類の英語に触れられるというのもトリニティの⼤きな魅⼒だと思います。
トリニティ•カレッジではどんなことに苦労しましたか?
トリニティで⼀番苦労したことは、やはり
英語を使った様々な科⽬の勉強です。メルボルン⼤学に進学するために必要な点数を取らなくてはならないというプレッシャーの中、未知のことを英語で学ぶことが⼤変でした。
そもそもトリニティではある程度英語の基礎は完成していて、それを使って⽇本の⾼校で習ったことや、少し延⻑した内容、はたまた全く新しいことを勉強するので、内容によっては理解にすごく時間がかかることもありました。ただ、
先⽣は質問さえすればものすごく親⾝に分かるようになるまでとことん教えてくれるので、その環境はとてもありがたかったです。
また、IELTSなどとは⽐べものにならないくらいの⻑⽂(多くて2000単語程度)を書かなくてはならなかったので、長文エッセイの書き方になかなか慣れることができず苦労しました。初めは書き出し⽅すらよく分からなかったり、書いていると辻褄が全然合わなくなってしまったりと苦労しましたが、卒業する頃にはだんだん慣れて、⾃分の好みのエッセイの書き⽅の型を持つことができるようになりました。
⽣活⾯でも苦労の連続でした。僕⾃⾝、⼀⼈暮らしをするのは⼈⽣で初めてであり、⽇々の買い物・洗濯・掃除を全部⼀⼈でしなくてはならなかったので、慣れるまで効率を上げるための試⾏錯誤の繰り返しでした。
万が⼀寝坊してももう起こしてくれる⼈はいないし(笑)、何かトラブルがあっても⾃分で解決しないといけないので
基本的な⽣活スキルは凄く磨かれると思います。
料理も、お⾁の味が⾃分に全然合わなくて美味しく⾷べられなかったり、⽇本の調味料がなかなか安くは⼿に⼊らないので⾷べたいものが作れなかったりすることもありますが、それも海外暮らしに順応するためには必要な経験なのかもしれないと今は考えています。
追加で、トリニティの最後のセメスターについて少しだけ。
トリニティ卒業⽬前のセメスターでコロナがオーストラリアでも流⾏り出したせいで、突然「明⽇1⽇休み。翌⽇から登校禁⽌」というメッセージが届き、全てのクラスがオンラインに切り変わりました。
今まで全て対⾯で⾏われてきた授業やチュートリアルがオンラインになったので、突然クラスメイトや友達とは直接会うことができなくなりました。このような出来事は先⽣も含め全員初めての経験だったので、トリニティの重要な最後のテストも終盤の授業も半分混乱のまま終わってしまいました。
少し楽しみにしていた卒業式などのイベントも全てバーチャルで⾏われることとなってしまったので残念でした。ある意味貴重な体験だったのかもしれませんが、
メルボルンでの⽣活に慣れてきた頃に家からほとんど出ることが許されない環境での⽣活は結構メンタル的にもダメージが⼤きく苦労もありました。
ファウンデーションコースで大変だった科目を教えて下さい
とにかく⼤変だったのはEAPでの
アカデミックなライティングの習得です。
EAPとはEnglish for Academic Purposesの略称で⼤学に⼊ってから絶対に必要となるライティングやプレゼン等のスキルを学ぶ科⽬です。エッセイの課題が出る度に、書いていることの根拠を盗作にならないように出典を使って⽰さないといけないので、その⽰し⽅や何が信頼できる情報源なのかの判断⽅法の理解に苦労しました。
また、⽇本の英語の授業や⾃⼰流のIELTS の勉強では触れてこなかった
ディベートのスキルやアカデミックな英⽂の書き⽅を学ぶことができたので⼤変だったけど、今は⾮常に役⽴っています。
もう⼀つ⼤変だったのが化学です。
正直、化学が勉強時間の結構の割合を占めていました。⽇本の高校で学ぶ内容よりは⼈によっては多少簡単だと感じられるかもしれませんが、自分は⽇本で理系科⽬に⾮常に苦労していましたので、英語で全てやり直しとなると余計に⼤変でした。
しかし、先⽣がかなり親⾝で丁寧な⽅だったので、高い頻度でメールで質問をしたり、授業後に分からなかったことをもう⼀度解説をお願いしたりしていました。そのおかげで⽇本では全く理解できなかったことが分かるようになり、少し化学について興味を持つことができました。
努⼒した分いい成績を貰うことができましたが、⼤学に⼊ってからは⼀度も化学関連の科⽬を取っていませんし、残りのセメスターでも勉強する予定はありません。
トリニティの履修登録は⼤学での専攻科⽬をよく⾒て決める⽅が効率が良く、⼤学に⼊ってから余計な科⽬を取る⽻⽬にならずにすみそうです(笑)。ただ、⼤変で多くの時間を割いた分、思い出深い科⽬でもあります。
⾯⽩かった科⽬も⼀つだけ紹介しておきます。
それは環境問題について幅広く勉強するEDD(Environmental, Development and Design)という科⽬です。
世界中で起こっている気候変動・貧困問題・再⽣可能エネルギー・農業・⽔問題などについて勉強しました。まさに今、⼤学でそれらのより具体的なことについてより深く学んでいます。
地球上での環境問題に興味がある⼈にはお勧めしたい科⽬です。Field Tripとしてダンデノンの⽅へ⾏って⽊などの植物や、
オーストラリアの災害として必ず登場する森林⽕災の原因や対策を実際に⾒て学べるというのも⾮常に貴重な体験でした。
トリニティ•カレッジでの勉強は大学で役立ちましたか?
⼀つ⾔えるのが、トリニティなしでは今の⼤学で単位をしっかりと取ることができていなかったのでは?と思えるくらい
⼤学で必須となるスキルをトリニティの約⼀年で学ぶことができました。
アカデミックライティングも、⼤学に⼊学していきなり1500単語程度のエッセイを⼀ヶ⽉で書けと⾔われても到底不可能な気がします。それだけトリニティでは⼤学に⼊った後に必要となるサバイバル術を得ることができたと思っています。
また、トリニティにいた時は「⼤学に⼊ったらもう少し楽になるのかな」と思っていました。化学の先生から「
大学では授業数は減るけど課題がより難しく期限も短い」と聞いており、実際その通りで、トリニティで少しハードな勉強習慣をつけておいたおかげで今もなんとか⼤学でもやっていけていると感じています。
⾼校での勉強についていけなかった分、トリニティでやり直しのチャンスをもらえたおかげで、もう⼀度勉強の基礎固めができたのも感謝している経験です。
メルボルン大学でどんなことを学んでいますか?
今年(2022年)の7⽉から最終学年(メルボルン⼤学3年⽬)となり、メジャーとしてEnvironmental Science ‒ Climate Change について勉強する予定です。
⼤学の⼊学時期がmid-year であったこともあり、半年先取りで既に気候変動のメインとなる授業も履修していましたが、具体的には例を挙げると、環境問題を対処するためのリスク評価・天気のシステム・地球の過去の46億年分の気候・⽣物・統計・ベクトル・線形代数・⽣態学などを勉強しています。
2022年2月学期の時間割
具体的な科目について教えて下さい
Environmental Risk Assessment
Environmental Scienceのメイン(major core)の科⽬でした。主に環境問題に対処するときに必ず伴うリスクやトレードオフを、さまざまなツールを⽤いて客観的・統計的に分析するスキルを⾝につけるための科⽬でした。
これまで習ってきた統計の⽋点や客観的にリスク評価をすることのメリット・デメリットを学ぶことができました。現実世界でも判断を下すときは多くのトレードオフが伴うと思うので、この経験は環境問題だけではなく⽇常⽣活に関わる⾝近なことにも使えそうです。また、世界中の環境問題がどのように対処されている過程を知ることができ、多くのジレンマが存在することにも気がつくことができたので、⾃分にとって⾮常に興味深い内容が多かったです。
Extreme Weather and Climate
前セメスターで最も⾃分が⾯⽩いと感じた科⽬です。この科⽬は必須ではなかったのですが、勉強できて本当によかったと思っています。なぜなら、これまで勉強してきた気候変動系の科⽬とは少し違ってより⾝近な事象である天気・気象に焦点を当てており、なぜこの天気になったのかといった具体的なことについて学ぶことができたからです。
等圧線・⾼層天気図・Skew-Tlog-P図を⾒るだけで、分からないなりにもどの地域が晴れていそうか、⾼温になっていそうかといったことが予想できるようになり、この科⽬を取って良かったと感じています。
気候は天気を⻑期的に⾒た事象なので、天気についての知識を得ることができたことで、より専⾨の気候変動についてこれまで得てきた知識の理解が深まりました。セメスターが終わった今でもたまにオーストラリアや⽇本の天気図を⾒て、その⽇の天気や雲の発⽣⾼度を予想したりして楽しんでいます。
次のセメスターで取っているメジャーの科⽬は天気と気象の融合なので、習ったことが⽣かすことができそうです。
Human Behaviour and Environment
この科⽬では⼈間と環境の⼼理的な繋がりについて勉強しました。今まで⼼理学についてほとんど考える機会がなかったので貴重な体験となりましたが、全く知識のない分野だったので、理解するのに苦しむことにもなってしまいました。
与えられたテーマに沿ってインタビューをし、その内容を分析して理論に当てはめることの繰り返しでしたが、例外もかなり多く、提出したエッセイが添削され結果が出るまで「全然違ったことを書いていたらどうしよう」とかなり不安になる科⽬でもありました。
ただ、気候変動と⼈間の⾏動は切り離せない関係でもあるので、「なぜ多くの⼈は環境にいいと分かっていても特定の⾏動をしないのか?」など、これまであまり考えることのなかった⼈間の⼼理について学べたので、結果取って良かったと思っている科⽬でもあります。
Cities: From Local to Global
メルボルン⼤学には他学部の授業も少し取らなくてはならないプログラム(Breadth)があり、この都市計画系の科⽬はそのBreadthとして取りました。
世界中の都市の良いところや問題について議論するのが主であり、⾃分⾃⾝はセメスタ
ーを通してロンドンについて研究しました。最初は公共交通機関について、次に環境問題についてのエッセイを書きました。そして、最後にまとめとしてポスターを作って簡単なプレゼンをするという流れでした。
トリニティのEDDで習った都市問題をより具体的に掘り下げて学ぶことができたので、曖昧だった知識をより深めることができました。さらにメルボルン⼤学近辺はどのように開発されてきたかといった⾮常に興味深いことも学ぶことができた科目でした。
勉強スタイルや勉強を乗り切るコツを教えて下さい
僕⾃⾝がトリニティから続けている勉強スタイルとして「
徹底的に分からないことを全て潰していく」ことが挙げられます。
基本的には与えられた課題でいい成績を納めれば単位取得となるので、習ったことで理解できなければ先⽣やチューターに質問をして確証が得られるまで粘って勉強しています。それを12週間のTeaching Periodで繰り返すと、テスト期間は復習のみで済みますし、習ったことが定着しやすいのかなと思っています。
先⽣たちもかなり根気良く教えてくださるので、「分からなくて、⾃分で調べても納得がいかず理解できない」ときは
とことん先⽣に頼るのが⼤学⽣活を乗り切るコツだと思います。
毎授業スライドをダウンロードすることができるので、そこに書かれている内容を基に⾃分のノートを後から検索しやすいように⼀つのドキュメントにまとめ、そこにGoodnotes 等を使ってメモや追加で調べたことを書き込んでいくスタイルが今のところ個⼈的にベストです。
また、1セメスター当たり4科⽬しかないので、科⽬あたりの授業数が多く、結構なスピードで進んで⾏ってしまうので、
分からないところはなるべく早めに対処し、こまめに復習するのがお勧めです。
あとは根気と気合いです(笑)。
⼤学⽣活で印象に残っていることを教えて下さい
コロナの影響もあり、これまでのメルボルン⼤学⽣活の約半分は⽇本で過ごしてきました。さらに、今年に⼊るまではトリニティの最後のセメスターからずっとオンラインだったので、同級⽣と直接会うことができないまま淡々と勉強をし、単位を取得してきました。
ですので、⼀年半⽬にして初めて対⾯で授業を受け、クラスメイトや先⽣達と対⾯で直接話すことができたことがとても嬉しく印象的でもあります。⽇本でオンライン授業を受けているときは良い意味でも悪い意味でもセメスター中は勉強ぐらいしかすることがなかったので、
その分⾃分の興味のある気候変動や環境問題などについてたくさん学ぶことができました。また、⼤学⼀年⽬は苦⼿な数学地獄で単位を本当に取得して卒業することができるかが本当に⼼配だったので、その苦しかった期間が凄く印象的です。
まだまだオーストラリアに居たら経験しておくべきこともたくさんあると思うので、残り⼀年をもっと充実させていきたいと思います。
プライベートはどのように過ごしていますか?
セメスター中は、⼟⽇も課題を進めることや、授業に追いつくのに必死なので、ほとんど遊びに⾏くことや、ゲームなどの娯楽は極⼒控えています。たまに友達とご飯を⾷べに⾏ったりすることが数少ない息抜きとなっています。
前セメスターもエッセイやレポートがたくさんあり、少しでも良い点数を取りたかったので、なるべく早起きをし、
起きている時間のほとんどを勉強に捧げました(笑)。
セメスターが終わったら趣味のカメラを持って良い景⾊を求めて友達と出かけたり、メルボルンの美味しいお店を巡ったりしています。メルボルン近辺でもまだまだ知らない良いところがありそうなので、次の最後の休みも満喫したいと思います。
※インスタグラム(@k.sawada_)に、Kazukiさんが撮った写真をアップしています。また、ブログ「
らってぃー's Blog」もご覧ください。
メルボルン⼤学の良いところ・悪いところを教えて下さい
良いところ
毎セメスターどの科⽬を取るべきか⾮常に悩むくらい選択肢がかなり多いので、
幅広く⾃分の興味関⼼に沿ったことを学ぶことができます。⽣物を含む環境系のことについて詳しい先⽣も多いように感じられるので、その分野に興味があったら⾮常に良い学校だと思います。
さらにエンジニアやコンピューターサイエンス系などと⽐べたらだいぶ環境系を専攻する学生数は少ないように感じられるので、その分
先⽣がじっくり教えてくれるといった機会も多く、深く学びたい⼈にはぴったりの大学です。
また、
⾄る所に勉強スペースや図書館があるので、授業の合間に少し勉強を進めるにも最適な環境が整っています。メインのキャンパスの⽴地もメルボルンの中⼼街から徒歩で約10分程度のところなので、どこに住んでもアクセスが⽐較的良いことは魅⼒的だと感じています。
悪いところ
学生数がかなり多い学校なので、
⼀⼈⼀⼈のサポートが⼿厚いとは決して⾔えません。
履修登録の相談をしたくても常に⼀杯なので、相談の予約をいつでも取ったり、早いメールの返信を期待したりすることは今のところできません。また、
勉強するもしないのも全て⾃⼰責任であり、学校からも勉強をしないことに対しての⼲渉はほぼないので、⾯倒⾒が良いとも⾔えません。
ただ、⾃分から積極的に質問したり、⾯談をお願いしたりするとスタッフや先⽣⽅が丁寧に応えてくれるので、結局は
この環境を活かすかどうかは⾃分次第だと思います。
卒業後のキャリアプランを教えて下さい
今のところ、⼤学卒業後は⽇本で就職することを考えています。
前セメスターで勉強した天気・気象が楽しかったので、
気候変動と天気の両⽅についての知識が活かせるところで働き、経験を積みたいと思っています。周りでは結構⼤学院に進学して興味を突き詰めていくことを検討している⼈も多いですが、今のところは⼀度社会に出て関⼼のある分野の仕事に就きたいと考えています。
⼤学進学を考えている⾼校⽣にアドバイスをお願いします
オーストラリアの⼤学に進学をして⼀番強く感じたことは、
進学先を⽇本国内に限定する必要は全くないということです。
もしかしたら海外進学に消極的な⾼校に所属しており、国外に出ることを反対されている⽅もいるかもしれません。だけど、
留学が少しでも魅⼒に感じ、⾃分ならやっていけそうと⾃信(根拠がなくても⼤丈夫)がある⼈は、どんどん挑戦してみても良いと思います。
現に、⾼校では授業に全くついていけず、定期テストでも再試常連だった⾃分がなんとかやっていけているので、今は努⼒さえすれば全てやり直せると感じています。
特に
環境系に興味があるならば、オーストラリアの⼤学はものすごく良い選択だと思います。
⾼校では勉強が苦⼿だったとしても、海外に⽬を向けることで、浪⼈せずともファウンデーションコースで⼤学の準備をしながら英語で多くのことを学び直すこともでき、しかも⽇本ではきっとできなかった体験も同時にすることができて、⾃分の経験値を⼤幅に上げることもできます。
是⾮オーストラリアの⼤学進学も⼀つの希望のある選択肢として考えてみてください!
不安でも、頑張ればきっとなんとかなる!
上記の体験談インタビューをさせていただいた後、実際に日本での就職を決めたKazukiさんに、どのように就職活動をしたかを伺いました。
就職活動を意識し始めた時期は?
大学2年生の後半から就職活動を意識し始めました。
メルボルン大学では環境科学を専攻していたため、まずは地球環境に関連する職種について幅広く調べました。そして、
キャリアサイトやスカウト型の就職活動サイトにも登録し、さまざまな企業や仕事について学びました。
いくつかの就活エージェントから「どのように就職活動を進めていくべきか」というアドバイスを受け、その指導は私の就職活動の大きな助けとなりました。また、スカウト系サイトでは、プロフィール登録後に企業からの連絡やインターンシップの案内も頂きました。
実際に就活を真剣に考え始めたのは大学卒業の約1年前からでした。
最終学年になる前にインターンシップを経験しておくことが日本では一般的らしいのですが、卒業まであと約半年の時期にその事実を知ったため、日本の大学生と比べてかなり就活では出遅れてしまったと痛感しました。
少しでも遅れを挽回すべく、最後の一時帰国をしたタイミングで短い期間でできるインターンシップに申し込みました。また、企業説明会やインターンシップは、コロナ禍であっても海外に滞在していてもオンラインで参加できるプログラムが数多くあったので、地方(一時帰国していた実家)にいても短期間に集中して就活を進めることができました。さらに、就職活動関連のSNSをフォローし、積極的に会社説明会に参加しました。
最終的には理想としていた企業から内定を頂きましたが、就活を始める前まではその企業が位置している業界を考慮していませんでした。なぜならば、環境科学の専攻がどのようにその業界と結び付き得るかを知らなかったためです。
就職活動を進める中で、環境とその業界の関連性に気付ける機会があり、その業界の会社説明会に参加したことで視野を広げることができました。
就職活動で苦労したこと
メルボルン大学の卒業時期が8月で、日本の大学とスケジュールが異なっており、就職活動をどのようにそしていつ始めるべきか当初は全く分かっていませんでした。
大学側も日本の就職活動については全く詳しくなかったので、相談できる場所が限られていました。なので、少しでも多くの正確な情報を集めるためには日本のキャリアサイトに登録する、就活エージェントの方々に相談してみる、留学センターの方々に相談してみるなどの行動は非常に重要だと感じました。
特に
インターンシップに関する情報をもっと早く知っていれば、たくさんの業界を知った上で余裕を持って就活を進められると痛感しました。
最初は「海外大学卒は不利」という就職エージェントの言葉に戸惑いましたが、実際には正解でも不正解でもありました。結局どの
企業の選考に参加するかが最も重要であり、ナビサイトに載っている採用実績が参考になりました。
説明会に参加し、気づいたことは最終面接は対面で行われることが多く、全ての選考期間に日本に滞在することは日程の都合上参加が難しい場合もありました。
そのため、会社説明会では
オーストラリアでも面接をすべてオンラインで進めていただくことが可能かどうかを確認しました。これを怠るとセメスター中に一時帰国をすることになったり、最終選考に進めないなどのことが起こり得るので要注意です。
就職活動のアドバイス
何よりも早めに行動を開始することが重要です。
日本で就職したければ「なんとかなる」と後回しにせずに、大学の授業と並行して早めに就活を行うことが大切です。
日本の大学生の友人に就職活動の状況を尋ねたり、インターンシップに早期に参加することで、企業に関する情報を得たり、自分が考えていなかった分野への興味が湧くかもしれません。
特にオーストラリアにいる場合、日本の就職活動情報はなかなか簡単には入手できません。自分の専門性をどのように活かせるかを考え、一人で進めるのではなく、友人、家族、エージェント等の助けを借りながら就職活動を進めることをお勧めします。頑張ってください!