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【体験談】UQ卒業生が送る、これから実践開発学を学ぶ方たちへのメッセージ

白石あすかさん | ブリスベン | The University of Queensland | Development Studies
日本の大学を卒業後、クイーンズランド大学に留学された白石あすかさん。修士課程Master of Development Practiceコースを勉強して2020年11月に卒業。社会科学の中でも特に日本人にも人気の「開発学」を実際に学んだ白石さんに、具体的な学習内容と、これから留学する方へのメッセージを頂きました。

Development Practiceコースとは?

白石さんが勉強されたDevelopment Practiceコースについて教えて下さい

クイーンズランド大学のウェブサイトでは、Development Practice(実践開発学)は以下のように説明されています。

”UQ’s Master of Development Practice program addresses key challenges in the world today, including the rights of Indigenous peoples, inequality, gender, health, violence, alternative economics, climate justice and environmental sustainability.

Local communities in Australia and overseas are situated within rich and complex global dynamics. Our program equips you with theoretically informed skills to embrace the challenges of understanding, practising and rethinking development at different scales.

Drawing from anthropology, community development, planning, political science, sociology and related fields, Development Practice offers you a unique, multidisciplinary and practice-based learning experience.”

つまり、Development Practiceは今日の世界に蔓延る(はびこる)さまざまな社会問題について、学問的および実践的観点の両方から議論し探究する課程です。

具体的には:

• 持続可能な開発目標(SDGs)
• 南北問題
• 貧困とスラム街
• 地球温暖化と環境問題
• 教育開発
• 公衆衛生
• 災害対策
• 女性をとりまく問題と男女平等
• 地域開発
• 現在および将来における先住民族の人々との関係

などについて、掘り下げて学ぶことができます。

ほかにも、実践開発学の課程で学べるトピックはたくさんあります。もっと詳しく知りたい方は、実践開発学の履修授業リストをチェックしてみてください。

卒業後のキャリアについて

Development Practiceコースは将来どんなキャリアを目指す方におすすめだと思いますか?

「開発」という言葉にビビっと反応する人にはおすすめの課程です(笑)。私自身、日本で学部生だったときに開発入門学という授業を履修し、そのときに学んだトピックのいくつかに興味をひかれたことがきっかけで、クイーンズランド大学で実践開発学を学びたいと思いました。「開発」の分野でキャリアを築いていきたいと思っている人には、実践開発学はとても良い入口になると思います。

私の場合、地域開発教育開発という2つのトピックにとくに興味があります。似ているようで似ていないような、関係しているようで関係していないようなトピックですが、私にとって2つは切っても切れない関係にあります。2つのトピックを並行的に追究できる枠組みを整えてくれたのが、実践開発学だったというわけです。
一方で、私のクラスメイトのなかには、キャリアチェンジのために実践開発学の課程を選んだという人も多くいました。さまざまな社会問題について幅広く学ぶことができるということで、「自分は何に興味があるのか」「自分が本当にやってみたいことは何なのか」など、「自分探し」のようなイメージでこの課程を選ぶ人が多いようです。私の親しい友人であるコロンビア人女性は、母国で弁護士として数年勤めたあと、「もっと社会に役立つことがしたい」と一念発起して、クイーンズランド大学で実践開発学を勉強することにしたそうです。彼女のように、キャリアの軌道修正をしたいと思っている人にも、実践開発学はおすすめできると思います。

具体的な学習内容について

白石さんが実際に履修して興味深かった科目を教えて下さい

Community Development: Local and international practices (SOSC7288)
地域開発のいろはから、オーストラリアおよび近隣国における地域開発の例まで、広く学ぶことができる科目です。地域開発に興味のある人にはおすすめです。
学期末のグループプロジェクトでは、自分の興味のある分野における地域開発活動について調べ、プレゼンテーションをまとめました。私は、クイーンズランド州で2011年に起こった大規模洪水を例にとって、災害管理および災害対策の分野における地域開発活動についてリサーチしました。ほかにも、政治経済や社会、文化などの分野について学ぶ機会もあります。

Participatory development practice (SOSC7093)
上記、SOSC7288科目の実践編にあたるような授業で、同じ教授が教えています。この授業では参加型地域開発について学ぶことができます。座学式の授業よりも実践型の課題を通して能動的に学ぶスタイルなので、自分で調べものをしたりプロジェクトを遂行したりすることが好きな人には、とても楽しい授業だと思います。

Indigenous politics within and beyond the state (POLS7190)
この授業は、オーストラリアに留学するすべての人が履修するべき授業といっても過言ではありません。オーストラリア全土に住む先住民の人々(Aboriginal and Torres Strait Islanders; Indigenous Australians)が被った、植民地時代からの文化的・政治的・社会的・経済的抑圧について、Aboriginal and Torres Strait Islandersの立場から学ぶことができます。かなり鮮明な殺戮の描写などもありますが、オーストラリアに短期でも住む以上は、知っていなければならない重要なことだと思います。

Gender and the global politics of development (POLS7509)
女性はもちろんですが、男性にぜひ履修してほしい授業です。なぜ真の男女平等が現代においても実現されないのか、政治的・経済的・社会的・文化的視点から議論する授業です。男尊女卑の風潮がいまだに残る日本についての批判も、山ほどあります。批判と議論のくり返しを通して、性とはなにか、ジェンダーとはなにか、男女平等とはなにを意味するのか、深く考えさせてくれます。

修士課程の授業や課題への取り組み方

修士課程の授業や課題へはどのように取り組んでいましたか?
私は毎学期、4つの授業を履修していました。日本で学部生だったころは、毎学期10単位(授業数5)以上修得しなければなかったので、当初は「8単位なんてヨユウだわぁ」と浅はかにも思っていました(苦笑)。しかも、授業履修型(コースワーク)の修士課程だったので、「学部時代と同じようなもんでしょ、ヨユウだわぁ」とも思っていました(苦笑)。

しかし実際に始まってみると、「ヨユウだわぁ」と考えるヨユウさえありませんでした。学部生と修士学生とでは、授業の難易度が違うということをすっかり忘れていたのです。学部生と一緒になる授業もありましたが、課題で要求されるレベルに違いがあり、学部生よりも高いレベルでの議論が求められました。

授業のほとんどは、教授と学生が対等の立場で議論をする形式で、発言をしないと出席点を引かれるものもありました。有意義な議論をするために、毎週の課題図書(教授が指定する論文や書籍、記事など)を読んで予習をしたうえで、授業に臨むことが求められます。読み解くのが難しい課題図書が指定されることもあり、そんなときには友達と一緒にスタディーグループを組んで予習していました。授業後に授業内容や課題図書について議論するディスカッショングループもありました。

どの授業も毎学期最低3つの課題があり、どの課題の成績もその授業の最終成績に大きく影響するので、気を抜くことができませんでした。

課題は:

• エッセイ
• レポート
• プレゼンテーション
• グループプロジェクト
• テスト
• クイズ

などさまざまなものがあり、私はとくにテストやクイズが苦手だったので、期末テストの時期にはストレスでよくお腹を壊していました(笑)。修士課程では期末テストがある授業は少なく、ほとんどがエッセイやレポート、プレゼンテーションでした。私にとっては良いことでしたが、それでもテストやクイズと同じくらいストレスフルだと思います。学期の早いうちからきちんと計画を立てて取り組んでおかないと、最後の最後で泣きを見ることになります。締切延長(Extension of Due Dates)を申請することもできますが、気苦労を長引かせるだけなので、おすすめしません。 

難易度の高い授業ばかりでしたが、同期生と協力してお互いに助け合いながら学ぶ環境を整えていたおかげで、ストレスに圧倒されることなく無事に修了できたのだと思います。

周りの学生たちについて

同じMaster of Developent Practiceコースには、他にどんな学生がいましたか?

私の周りには、本当にいろいろな学生たちがいました。国籍についていえば、オーストラリアはもちろん、パプアニューギニア、シンガポール、インドネシア、アメリカ、コロンビア、アルゼンチン、チリ、カナダ、インド、モンゴル、ネパール、ブータン…などなど、世界のあらゆるところから学生が集まってきていた印象でした。一方で、日本人はあまりいませんでした。

学生の年齢層も幅広かったです。社会人として働いてから大学に戻って修士課程で勉強する人が多いようで、30代、40代、50代の学生がたくさんいました。私のように、学部課程を修了してすぐに修士課程に進むケースは逆に少ないようで、同期生でも同年齢の人はあまりいませんでした。とはいえ、違う年齢層の人たちと議論することで、異なる考え方や新たな視点に気づくことができるので、私にはとても刺激的でした。

留学生活を乗り切る秘訣

これから留学する方たちへ、留学生活を乗り切る秘訣をおしえてください

学習面では、学期ごとに計画的に勉強に取り組むことを強くおすすめします。どの学期も、やる気に満ちあふれている時期やすこしだらけてくる時期、友達と遊びたい時期など、モチベーションに起伏があるものです。それを知ったうえで、予習復習や課題への取り組みをあらかじめ計画しておくと、あまりストレスをためることなく過ごせると思います。

また、どんなに難しくても諦めないこと。「もういいや」「これでいいか」と言ってしまったら最後、それがクセになってしまいます。自分が納得できるところまでやり切ることが大切です。分からないことがあれば、教授はもちろん、同期生に相談するといいと思います。私のように、リーディンググループやディスカッショングループを組んで一緒に勉強するのもいいと思います。

それから、授業中に積極的に発言すること。分からないことを質問するのでも議論に付け加えるのでもいいので、とにかく自分から能動的に授業内容にアプローチしていくことが重要だと思います。加えて、発言することで教授やクラスメイトの記憶に残りやすくなります。勉強で困ったときに頼れるコネクションをつくることにもなりますから、ぜひ積極的に発言してみてください。

生活面では、すでに耳タコだとは思いますが、オンとオフをきっちり分けること。仕事と違って勉強は明確な始まりと終わりがないので、下手をすると朝早くから夜遅くまで机にかじりついている、なんてことにもなりかねません。留学生の本分は勉強だけではありません。新しい友達をつくったり、自分が住んでいる都市を散策したり、アルバイトをしてみたり、パーティーに行ったりすることも、留学生活の大切な一面です。一日のスケジュールをつくって「今日は〇時間勉強する」と決め、〇時間が過ぎたらもう今日は勉強しない、ということにしておくといいです。
また、つらいことや大変なことがあれば誰かに相談すること。クイーンズランド大学のStudent Servicesやキャンパス内にあるクリニックなどのサービス(無料!)に頼ることをためらわないでください。私もたびたび利用していました。また、クリニックでは、セラピストや臨床心理士を紹介してもらえることもあります。自分のメンタルヘルスを大切にできるのは自分だけですから、自分が必要だと思うことやサービスはためらわずに利用してくださいね。

これから留学する方へのメッセージ

最後に、これからオーストラリア留学を目指す方へ心構えとアドバイスをお願いします
授業や課題への取り組み方のところでも書きましたが、修士課程の勉強はけっして楽ではありません。最後までやり遂げる覚悟が本当にあるかどうか、心の準備をしておくことをおすすめします。覚悟さえあれば、そのほかはなんとかなると思います(笑)。

それから、しいて言うとすれば、夏の暑さに負けないように体力づくりをしておくことでしょうか。オーストラリアは1月後半から2月にかけて、気温が35℃近くになる日(場所によっては40℃近く!)が多くあります。夏バテには要注意です。外出するときには帽子、サングラス、日焼け止め、水筒を必ず忘れないように!

あとは、せっかくの機会なので、何事も楽しんでください!


豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号H318)
13歳でのメルボルン短期留学をきっかけに「英語」と「海外」に目覚め、その後カナダ(語学留学)とアメリカ(大学留学)にも留学。卒業後、ワーキングホリデーでオーストラリアへ再渡豪し、オーストラリア留学センターでワーペリ。帰国と同時にオーストラリア留学センター日本窓口が開設され現職へ。留学生を現地オーストラリアで「迎え入れる立場」と日本から「送り出す立場」、両側での勤務経験を通して、双方の視点からアドバイスすることを心がけています。 このカウンセラーに質問する

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