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【体験談】タスマニアでウォンバットやタスマニアンデビルなど野生動物の生態を学び研究する!

田村 樹理さん | ホバート | University of Tasmania | Biological Sciences
小さい頃から動物が大好きで日本の大学では動物資源科学科で動物全般について学んでいた田村さん。大学で勉強したことを更に生かし、今度は野生動物の生態について学ぶ為、2019年よりタスマニア大学で修士号コースを開始し、現在就学中です。

田村さんの留学プラン
・日本の大学卒業
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・2018年10月〜 
タスマニア大学付属語学学校に10週間就学
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・2019年2月〜 
タスマニア大学 Master of Applied Science (Biological Sciences)コースに入学 
  ↓
・2020年12月 卒業予定

オーストラリアの中でも自然と野生動物の宝庫であるタスマニアの大学のコース、そしてタスマニアの生活についていっぱい聞かせてもらいました。 動物&自然に興味がある方、そして動物について学び&研究したい方、必見です!

大学院にいくことにした理由

日本の大学では、「動物資源科学科」で、生態学も少し含む動物のことを全般的に学びました。

3年生になってから研究室に所属し、論文を書いて研究発表をしました。私が選んだ研究テーマは飼育されているペンギンの”鳥マラリア”についてで、約2年間研究を進めました。

オーストラリアには高校生の時から目を向けていたので、もともとどこかの段階で行く事は考えていましたが、大学に進学してからその思いはより強くなり、中退して行くか、大学卒業していくかは悩みましたが、結局悩んだ末、卒業してから、修士号(マスター)に進むことに決めました。

日本では家畜の勉強が主だったので、オーストラリアでは野生動物の生態を勉強したいと心が決まりました。

大学院でもしっかり知識を蓄えたいという思いから、敢えてコースワークを選びました。日本で私の分野を修士号で勉強するとなると、内容がリサーチ1本になることが多いですが、私が今勉強しているコースはコースワークですが、セオリー&リサーチの両方が出来ます。こういった授業体型は私にとってはとても魅力的でした。

タスマニアという街、そして選んだ理由

小さい頃から家族でオーストラリアの色々な都市を旅行していたので、留学するなら”オーストラリア”とずっと決めていました。

大学を決める際に、まずは希望する勉強分野がある都市で絞りました。各都市1校ずつ、3校の候補があったので、入学の2年前にオープンキャンパスに来てすべて見て回りました。ただタスマニアに来るのはその時が初めてで、最初の印象は8月でしたが、日本の冬と似ているな、でした。

ただ私自身、一年中夏より冬があるほうがいいし、田舎も好きなことから、このタスマニアのユニークな雰囲気にも好感を持ちました。その他にも「1.5年ではなく2年のコース」、「学費が比較的他の大学より安い」等、自分の条件と合致したので、タスマニア大学に決めました。

またタスマニア大学では、タスマニアしかない植物や動物の勉強ができる事も魅力的でした。

英語コースについて

UTASにて大学進学準備英語コースで10週間学びました。このコースは、大学進学準備なので、クラスメイトは皆大学もしくは大学院に進みました。特に私のクラスの殆どは大学院希望者でした。

クラスでは、レポートの書き方やプラジャリズム(Plagiarism)について教えてもらいました。Plagiarismとは、他人の文章や語句を、断りもなく自分の文章のようにして「引用」することです。

オーストラリアではレポートを書くときの引用の方法に関してとても厳しいので、どんなことをしてはいけないのか、引用の常識等を教えてもらいました。見たものをそのまま書くのではなくて、引用とはどういうことなのか、という深いところを教われたことは、今の大学院生活でも大変役に立っています。

日本の大学で日本語で論文で書いたことはありましたが、それを英語で書く書き方を教わる事は学びも多かったですし、引用の再認識を出来たことは、とても為になりました。

ユニット(教科)の履修方法

1年目は8教科履修し、2年目はリサーチプロジェクトに費やします。

1年目は必修科目はありませんので8ユニットすべてを、BachelorやPostgraduateで開講されているユニットリストの中から選びます。私の場合は7教科はBachelorコースから、1教科だけPostgraduateコースから履修しました。選択肢もたくさんありましたし、選ぶ時にコーディネーターがお勧めのものを教えてくれるので、そこから自分が興味があるものを履修することが出来ました。

単純計算すると1学期毎に4教科を履修するという事になるのですが、コーディネーターの先生に相談したところ、1学期は3教科のみ履修して、ブレーク中に1教科履修したほうが、余裕を持って勉強できるというアドバイスをもらったので、そのようにしました。それが今考えると大正解でした。

大学院1年目について

1年目に履修した教科は以下の8つです。

・Population and Community Ecology
個体群(一定の時間,同一空間内で生活する同じ種類の集団)と生物群集(ある場所に生息する全生物を一つの集団とみなしたもの)の生態構成

※フィールドトリップで引網による魚のサンプリングをした時の様子

・Scientific Methods in Biology
生物学の調査と解析の理論と方法

・Advanced Conservation Physiology and Disease Ecology
生殖学、生理学、野生動物医学の側面から動物保護保全する為にどのようなことができるかを3人の専門家と共に考える。

※野生動物の病気に関して1つ議題を選び、ポスター発表を行うという実習で特別賞をもらった時にグループメンバーと一緒に記念撮影。

・Statistical Analysis Using R
統計ソフトRを使った統計学

・Functional Biology of Animals
哺乳類だけでなく無脊椎・脊椎動物を含む動物全般の生理学

・Biodiversity Conservation
生物保全のために、世界で行われている手法や理論や考え方、歴史を学ぶ生物多様性保全学

・Biological Research
大学の研究者にスーパーバイザーについてもらい実際に題材を決めて、レポートを提出するリサーチ

・Tasmanian Plants and their Ecology
植物科学。国立公園で植物を採取し、その地形にどういう植物があるかなどを学び標本を作る。

※フィールドトリップにて

一番のお気に入りの授業は「Population and Community Ecology」でした。私は実践的な授業が好きなのですが、この教科ではクラスメイト全員と先生でキャンプに出かけ、そこでポッサムやネズミ捕獲の罠を仕掛けて調査をしました。実際に捕獲してその後マイクロチップを埋めて放す、を何回か繰り返すこの方法自体を”捕獲再捕獲”法と呼びますが、この方法を行うことでその土地にどれだけの動物が生息しているのかを調査しました。実際そのデーターを持ち帰って、統計して個体数を見積もるところまでやりました。

その土地にどんな動物がどれだけいるかを調べることは、保全にも役立ちますし、生態を調査することも同時に出来ます。何度も繰り返し行って調査&解析することで生息地はずっと同じなのか、移動したのか、何年行きているのか、また絶滅寸前にいるのか、など細かいデーターを見ることが出来ます。この”捕獲再捕獲”の手法はタスマニアデビルにも使われているようで、毎年個体数の調査が行われています。

1年目についてリサーチ科目も履修。タスマニアデビルについて研究。

2学期目に選んだBiological reserchでは、タスマニアデビルの研究を専門している大学の研究者にスーパーバイザーになってもらい、約4ヶ月彼の研究室で、一緒に研究しました。彼は、デビル顔面腫瘍性疾患(DFTD)と呼ばれているタスマニアンデビルの”癌の病”について研究しています。


この癌はタスマニアンデビル内だけで感染するもので、繁殖期の求愛行動などで互いにかみつき合ううちに伝染しそこから顔面に腫瘍が出来、臓器不全や二次感染を引き起こし死に至るとても深刻な病です。これによって個体数も昔に比べて激減しており、絶滅の危機も心配されています。

私のプロジェクトは「噛み傷の数と個体数の関係」をテーマにし、病気が感染する可能性の指標となる噛み傷が全体の個体数に影響されるのかどうか(生息数に対して規則的に変化するかどうか)を統計的に解析、研究し、最終的には論文形式でレポートにして提出しました。

病気の背景を調べたりして文献を探す能力がついたり、先生と考えをディスカッションしたり一緒に解析をすることは、とても興味深く勉強になりました。

普段の授業体型のレクチャーだと、グループの中でなかなか発言できなかったりするんですが、これは一対一なので自分の意見を述べることも出来たことは自信にも繋がりました。 

2年目に研究プロジェクトがあるので、その前の準備として色々学ぶことが出来ましたし、自分にとって貴重な経験が出来ました。

大学院2年目について

2年目はレクチャー形式の授業はなく、1年間で1つの研究プロジェクトに携わり、4つの課題に取り組みます。

研究プロジェクトのテーマは「ウォンバットとカンガルーの競争関係」です。ウォンバットとカンガルーは食べるものや生息域が重複していると言われています。

※Bonorong Wildlife Sanctuary でボランティアの時の写真

あるタスマニアの国立公園では、ウォンバットが疥癬という伝染病で個体数が減ってしまい、代わりにカンガルーが増えていると考えられています。この状況に関するお互いの個体数に相関関係があるかどうかを調べて、数学的モデリングをしています。来月にはその国立公園にいって、個体数をチェックして調べる予定もしています。

このリサーチを一年かけて行い、最終的に論文を提出して、12月に卒業予定となります。

苦労したこと

オーストラリアの授業をうけてみて、日本に比べて実践的な授業が多いと感じました。ですが、私は実践的な授業が好きなので逆によかったです。

苦労したのは英語です。書く量がいっぱいいっぱいになる事も多く、慣れてない言語でやるのはほんとうに大変なことだと改めて思いました。

特に去年の一年間はただただ苦しかったです。ただでさえレポートが多いので、余裕が常になく辛かったのも事実です。今年ももちろん大変ですが、精神的に少し心のゆとりがもてたように感じます。今年から周りと比べることをやめて、自分と比べることにしました。去年より、先月より、昨日より、どれだけ自分自身が理解、上達しているかに目を向けることで、ポジティブになっている気がします。

また、Language Exchange(語学交換)のイベントで、日本人や日本語を勉強している外国人と出会い、彼らと違う言語を学ぶということの大変さをお互いに分かち合えている事は精神面でも大きな助けとなっています。困った時にサポートしてくれたり、助言をくれる、とても大事な友人達が出来ました。

※語学交換の仲間たちとピクニック

大学生活とプライベート

2年目のプロジェクトになってからは、授業はないのですが、それでも大学には毎日行ってプロジェクトのリサーチを行っています。私の一日は”大学の研究への取り組みがメイン”の生活となりますが、週2回はアルバイトもしています。1年生のときからアルバイトはしていて、生活バランスがとれていると思います。

タスマニアには、日帰りで行ける島がいくつかあります。休暇中には「マライア(Maria)島」や「ブルーニー島」、そして野生動物を保護している「ボノロングワイルドライフサンクチュアリー」にもに行きました。マライア島は野生のウォンバットがたくさんいるので、オーストラリアの中でも珍しく、間近で見ることが出来ます。

※マライア島の野生のハリモグラとウォンバット

日本の大学時代からずっと動物の勉強してますが、野生動物とはしっかり距離をとって、尊重することも大事だなと思っています。タスマニアではたくさんの野生動物をあちこちで見ることが出来ますが、「動物と共存する」という意識はこれからも大事にしていきたいと思います。

※寮の周り、夜になるとワラビーやパディメロンが沢山出てきます

タスマニア、タスマニア大学の魅力

タスマニアは他の都市に比べて、娯楽も少ないですが、田舎が好きな人にはとても住みやすい場所だと思います。悪く言えばなにもないですが、私は静かなところが好きなので、そういう人には向いていると思います。気候は日本に似ていると思うので、寒さが苦手ではなく、暑いのは苦手な人にはお勧めです!

またホバートの東、サラマンカプレイス沿いでは300ものストールが出店する「サラマンカマーケット」が毎週土曜日に開かれていて、地元の人にも愛されている場所です。 日常の食材からお土産まで買えますよ。


またタスマニア大学は、生態学や自然科学を学びたい人にはお勧めの大学だと思います。大学自体も小規模ですし、教授とも関わりやすいし、質問もいつでもしやすい環境にあります。

留学生も年々増えてきていると思うので、大学側も留学生への理解があります。アカデミックサポートは大学内でもちろんありますが、教授が皆とても協力的なので、評価する人の評価に沿った書き方をするほうがより効率的かと思い、私は提出物などで不明点があればいつも直接聞いています。

都会の大学と雰囲気は違うとは思いますが、静かな環境で自然の中で勉強できるので、とてもいい大学だと思います。
豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号I138)
メルボルンは、市内に行くとおしゃれなカフェやレストランがたくさんあり、少し車で走ると自然が広がるオーストラリアのいいところを凝縮した街です。様々な国籍の方と一緒に学んだり、働いたりできる機会がたくさんありますので、是非一度いらっしゃってください! このカウンセラーに質問する

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