TAFEへの進学(Screen and Media コース)を目指そう!と思ったキッカケを教えてください
日本で高校卒業後、4年間社会人として働いていましたが、やっぱり好きな英語を話す環境に身を置きつつ、日本でも海外でも活躍できるスキルを身につけたいと思ったことがきっかけです。いまの時代、英語ができるひとはたくさんいるので、
英語メインではなくスキルを身につけるための留学にしようと思いました。
映画が好きで、いろいろ調べていくうちにCGIやVFXなら興味があるし、映像が発展してきているこの時代に必要とされるスキルだと思ったのでScreen and Mediaコースを選択しました。
TAFE SA Diploma of Screen and Media(CGI and VFX) コース1学期目はどんな内容でしたか?
Create 3D Digital Models
Mayaというソフトを使って3Dモデリングの基礎を学び、最後には課題としてチェスセットを作りました。初めて自分で作った作品だったので、完成したときは達成感があって嬉しかったです!
Creative Titles for Screen
After Effectsというソフトを使って
ニュースのオープニングを作る授業でした。実際に、アデレードにある
Channel 9という放送局に行き、どのように作られているか見ることができました。海外のテレビ局の見学はあまりない機会だと思ったので楽しかったです。
放送局にはTAFE SAの卒業生がたくさんいたので、卒業後のキャリアについて考える良い機会でもありました。
Establish and Maintain Safe Creative Practice
VFXスタジオなどでアーティストとして働くにあたって、どんなことに気をつけて働くかを考える授業でした。長時間パソコンに向かうことで身体にどんな悪影響があり、どのような環境が望ましいかをリサーチします。
Shoot a Wide Range of Screen Content
昼間に学校の近くで撮影した後に、
After Effectsというソフトで夜に撮影したように編集する授業でした。しっかり考えずに撮影してしまったので、建物や車の照明を作り、うまく夜にみえるよう編集するのが大変でした(笑)
Create Digital Visual Effects
After Effectsというソフトを使った授業でした。主に、簡単な合成を基本として作品を作ります。最後の課題は、2Dの状態の鳥を3Dにして、自分の選んだ好きな風景の写真に合成し、アニメーションも作るというものでした。
Extend Experts in Specialist Fields
クラスを2つのグループにわけ、作品を作る
大きなグループプロジェクトに向けた話し合いでした。それぞれ、どんな作品を作りたいか、モデリング、テクスチャー、アニメーション、ライティング、編集、音声、など自分はどの役割が良いか、など2学期に向けてグループごと話し合いました。
TAFE SA Diploma of Screen and Media(CGI and VFX) コース 2学期目はどんな内容でしたか?
Create Advanced 3D Digital Models/Create 3D Digital Environments
1学期で話し合ったことをもとに、2分程度の3Dモデルを使った映像をつくる
グループプロジェクトでした。自分のグループは、マジックツリーハウスをテーマにゲームスタイルの映像を作りました。アイディアを出し合って、互いに助け合いながらのプロジェクトでした。
授業がない日も学校に来て、みんなで作品を作り上げることは想像以上に楽しく、一番記憶に残った授業でした。
Create 3D Digital Animations
アデレードにある
ResinというVFXスタジオからアニメーターの方が来て、3Dアニメーションの授業がありました。
Mayaソフトを使って、ボールや人間が歩くアニメーション作りをしました。最後の課題は
3Dモデルでピタゴラスイッチに出てくるようなコースを作成して、そこにボールが自然に走るようアニメーションを作るというものでした。
Shoot Material for Screen Productions Under Special Conditions
好きな映画もしくはドラマのワンシーンに自分自身を合成する授業です。好きなシーンを選んだら、グリーンスクリーン前でシーンに合う照明を考えながら自分を撮影し、
Nukeもしくは
After Effectsというソフトを使用してシーンに合成させます。簡単そうに思えますが、
グリーンスクリーンでの撮影の照明をしっかり考えないとうまく合成できないので大変でした。
Implement Lighting Designs
あらかじめ3Dモデルで作られたロックコンサート会場に、自分の好きな曲を挿入してコンサートライトとライトのアニメーションを作ります。曲に合わせた光の強弱、タイミング、どう動かすか、などを考えるため、YouTubeでたくさんのコンサートを見てライトがどう光って、どう動いているのかを何度も確認しました。最後はクラスメイト全員で作品を見せ合って、
自分にはなかったアイディアをたくさん吸収できたので刺激的でした。
Design Animation and Digital Visual Effects
Houdiniもしくは
Mayaというソフトを使って、映画に出てくるような魔法のエフェクトを作る授業でした。好きな映画やゲームをもとに、みんなでかっこいいと思うエフェクトを作ったので楽しかったです!
Originate and Develop Concepts
CGやVFXなどの技術をもとに、どんなサービスがどんな客層に需要があるのかを考える授業です。このサービスには、どのくらいの費用がかかるのか?そのサービスの開発のためにスタッフは何人雇うのか?保険はどうするのか?などなど、細かいところまで設定して、
クラスメイトと互いのアイディアをプレゼンします。
Diplomaコースでの 1週間の生活のスケジュール
月曜日から水曜日までの週3日、朝の9時30分から夕方の16時30分まで授業がありました。制作物に割く時間が多いですが、先生の都合で 15時に終わることもありました(笑)
Diplomaコースを乗り切る秘訣は?
当たり前かもしれませんが、
わからない時はわからないとしっかり声を上げることはとても大事です。わからないまま進むことは自分を苦しめるだけ。
あとは疲れた時に自分が何をしたら?どこに行ったらリラックスできるのか?を把握すること、自分をコントロールすることはとても大事です。
Diploma of Screen and Media(CGI and VFX) コース を学ぶ中での驚きや発見は?
語学学校では英語を学ぶ 留学生がたくさんいて、先生たちがゆっくりはっきり話してくれます。
Diploma of Screen Media(CGI & VFX)コース進学後は、留学生が自分しかいない、、オーストラリア人だらけのクラスでしたから、
英語のレベルが桁違いで最初は圧倒されました。しかも、
CG初心者が自分含め数人しかいないので、レベルや持っている知識の差にも圧倒され、最初の数か月はうまくやっていける自信が全くありませんでした。
時間がたって、みんなと少しずつ話していったり、グループプロジェクトを通していくうちに、
クラスメイト全員がとってもクリエイティブで、アイディア交換するたびに「
そういうアイディアもあったんだ!」と毎回驚かさ、知識が増えるだけでなく、自分のアイディアの幅がとても広がってきていると思います。
Screen and Media(CGI and VFX)のコースは、エッセイなどの課題は他のコースと比べて少ないですが、その代わり、
スキルが必要な作品を作る課題が多く、英語力というよりは作品を指示通りしっかり作れるか、の方がしっかり見られていると思います。
Diploma 修了、そしてAdvanced Diploma へ。Advanced まで目指すことにした経緯、そして、2月にスタートしたばかりですが1学期目に学んでいる教科を教えてください
Advancedに進むか、進まないか、の話は先生と何回も何回もしました。
決め手は、Diplomaは
Maya,
Nuke,
Houdiniなどのソフトの基礎しかやらないけど、Advancedでは自分の専門技術を決めてとことん突き詰めることができるし、大きなプロジェクトに関われることで
就職にも有利なる(より高度なスキルが使える)かもしれない、ということでした。
1学期の教科は、
Engage in the Business of Creative Practice
Evolve Ideas for Professional Creative
Direct Cinematography for Screen Productions
Design Digital Simulations
の四つがメインですが、実は、去年卒業したAdvanced Diplomaの学生たちが残した
学校ぐるみの大きなプロジェクトがあり、そっちの作業をメインに今は授業が進んでいます。大きなプロジェクトなので大変ですが、実際の
映画やドラマはこんなふうに作られているんだ!と思うとモチベーションが上がります!
今年の12月にコースが終了するにあたって、
自分の就職用作品も作らなければならないので、それに向けての準備も始めています。
勉強以外の時間は何をしている?
自分はクラスでも
数少ないCG初心者の一人なので、
授業がない日も学校に行って制作作業をすることが多いです!
あと、アデレードに来てコーヒーのおいしさに目覚め、アルバイトは バリスタとして働きたいと思ったのでロイヤルアデレードショーやコミュニティセンターで
バリスタボランティアを経て、カフェでバイトも始めました。
オーストラリアのカフェはとってもフレンドリーなバリスタさんが多いので、カフェに行ったときはバリスタさんにどうやったら美味しいコーヒーが作れるかを聞きまくっています(笑)
時間があるときは大学のスポーツクラブに遊びに行ったりして気分転換をしています。
今後の目標
TAFE SA の は Diploma of Screen and Media(CGI and VFX) は、
CG、Visual Effectを 学ぶ環境としてはとても恵まれています!
たくさんの知識を吸収して、卒業生のように映画会社で
クリエイター/技術者として働くことが目標です!
これからオーストラリアのTAFEへ進学を目指す学生にメッセージを!
放送局で実際の現場を見学したり、本職のアニメーターが講師だったり、最新のソフトウェアで課題作成など、実践的なスキルを身に着けたい!現場に即した使える英語も身に着けたい!という人はTAFEで勉強することを強くお勧めしたいと思います。
もちろんコースによってエッセイが山ほどあったり、授業が毎日朝から夜まであったりするので、できるだけ同じコースの人から話を聞く機会があれば積極的に話してみると良いと思います。
スタッフからのコメント
今回、体験談の寄稿をお願いをしたところ「他の学生みたいに充実してる感じではないのですが…!大丈夫でしょうか…?!」とお話ししてた 千遥さん。
Diploma of Screen and Media(CGI and VFX) コースでは留学生が自分一人、CG未経験者としてとても苦労されたことかと思います。それを乗り越えることが「充実している証拠」です。キラキラすること以上に苦労の連続が留学ですから、充分以上に充実していると思いますよ!
最後に今回、千遥さんのお写真は、同じTAFE SA にて Photography(写真)コースに通う Fumikaさん(Photo@Fumika Takagi)に撮影をご協力いただいています。