日本の「聞く」中心の授業に物足りなさを感じ、
メルボルン大学大学院へ進学。お父様がサンドブラストの職人で、日本のレベル高い職人技を海外へ伝えたい!と、Master of Management(Marketing)で勉強をする、荒矢晃司さんに学生生活をお話頂きました。
メルボルン大学進学を考えたきっかけを教えて下さい
日本の大学在学時、座って聞いてる授業が多く、それに物足りなさを感じていました。
そこで、双方向のやりとりが多い海外の大学院進学を考え、アメリカやカナダ等も調べましたが、心理的な距離の遠さを感じて惹かれるものがありませんでした。
メルボルンは親戚が住んでいるということもあり、せっかくなら名門大学を目指したい!と思い、メルボルン大学進学を決めました。
留学前の英語の勉強方法を教えてください
まずは、高校の英語の参考書を使って文法をしっかりとやり直しました。そして、リスニング教材をBGMにして家事をしたりしていました。
日本の高校英語は、十分オーストラリアの大学院で通じると思いますが、アカデミックな場面での英語を学ぶわけではありません。大学提携の語学学校ホーソン・メルボルンのブリッジングコースで最初は学びましたが、日本語では同じ意味の単語でもどう使い分けるかを学んだり、特にアカデミックライティングを学んだことは、大学院の勉強で役立っています。
日本にいた時に弱いと言われていたのは、ライティングとスピーキングでした。ホーソンの時は大丈夫だったのですが、大学院に入るとリスニングが全然できなくてリスニング力の弱さも感じました。
メルボルン大学で学んでいる授業内容について教えてください
最初のセメスターで受講した科目は、Marketing Research, Marketing Management, Managing for Value Creation, Retail Managementの4科目です。
授業は、大人数のレクチャー、そしてグループワークといった構成になっており、グループワークは、特にどんな人と一緒になるかによって大変さが違います。
例えば、Marketing Researchのグループワークで、集めたデータの分析をしなければならなかったのですが、一人がデータを出してきませんでした。提出期限直前にようやくデータが出てきて、慌てて課題を仕上げるなんてこともありました。
また、ミーティングに来ない、連絡が全く取れないなんて人も時々いて、その時はグループメンバーで猛プッシュします。
読む量や課題も多く、毎日4~5時間は勉強しないとついていけませんが、授業で学んだことが実生活に直結する面白さがあります。例えば、Retail Managementは小売業について勉強しており、スーパーとかに買い物に行くと、掲示してあるサインの意味、立地の特性、従業員数等、どのような経営体制・経営戦略なのか、日常生活の中で見えてくるようになりました。
クラスメートは、中国系やインド系の人が多いです。中国人は若い人が多く、東南アジアやインド系、白人系の人は全体的に年齢層が少し上です。学ぶ人のバックグラウンドは様々で、社会人経験を持っている人は、理論と実際を結びつけることができるので、勉強をしていく中でとても頼りになります。
大学院で楽しいことややりがいを感じることを教えてください
授業やグループワークで、特に自分の意見や主張が通った時は、「やった!」と思います。会話は英語なので、言いたい英語表現がすぐに浮かんでこなくて、話が進んでしまうこともありますが、「意見を持つ」ということに難しさを感じます。
「どう思う?」と聞かれて「いいんじゃない?」というと、絶対「なぜ?」と聞かれます。「なんとなくそう思う」とか「どっちでもいい」というのは通じません。何事にもしっかりと意見をもって臨まないと大学院では通用せず、この点がまだ自分の中で弱い部分だと思います。
そして、自分の意見をしっかりと持っていて、それを押し通そうとする人が多いので、自分の意見が通った時は嬉しいですね。
プライベートでの生活を教えてください
メルボルンはカフェの街、コーヒーが好きなのでカフェによく行きます。そこでも、このカフェはこういったコンセプト、こういった戦略、みたいなことを見てしまいます(笑)。
コーヒーを買って近くのガーデンやパークでのんびりしています。息抜きスポットとして、フリンダース駅周りの川沿いも好きですが、シティよりかはちょっと郊外のほうが好きです。
あと、好きな時に気軽に参加ができる日本人のテニスクラブがあるので、時々テニスをしに行きます。テニスは小学生の頃からやっていて、大学院の勉強や英語に疲れたりしたら、日本語環境を求めてテニスをします。
今後の将来の計画・目標を教えてください
まずは次のセメスターで、もっと効率的に勉強ができることを目標にがんばります。試験期間前はどうしても課題やテスト勉強が集中するので、普段からしっかりと計画を立てて勉強に取り組もうと思います。
メルボルン大学大学院卒業後は、日本の職人の魅力を伝えられるような仕事をしたいと考えています。
私の父がサンドブラストの職人で、日本の職人はすごくレベル高いことを実感しています。海外でも十分通じる技術や作品だと思うので、日本の職人技をどんどん外に向かって発信していきたいです。