スタディーアブロード(学部聴講)を選んだ理由は?
日本の大学でも英語を中心に学んでいたということもあり、単に英語を学びに行くのではなく、英語を使って何か新しいことを学びたい、日本の大学での勉強だとどうしても日本視点になるので、違った角度から物事を見てみたいと思いました。
また、「海外の大学は日本と違ってかなり勉強量が多く大変だ」とよく聞いていたので、自分を厳しい環境におくことで痛めつけておきたいと思い、学部聴講で留学することに決めました。
ブリッジング英語コースで学んだ内容は?
最初の10週間はクイーンズランド大学付属英語学校で、BEP(Bridging English Program)というブリッジング英語プログラムを受講しました。(受講前にIELTS6.0取得が必要でした)
私のコースは中国人の学生が圧倒的に多く、実際に私のクラスも18人中16人が中国人でした。(残り2人は私とチリ人学生)
月・火・水曜日はIntegrated Academic Skillsという授業で、文法・リーディング・ライティング・リスニングを総合的に勉強していきました。
基本的に授業で扱われる問題はIELTSの形式で、週1か2週間に1回ぐらいの頻度で250-300文字のエッセイを書いていました。リスニングやリーディングも毎週のようにIELTS形式の問題を解いていたので、IELTSの形式にはかなり慣れることができ、実際にコースの終盤に受けたIELTSでは全セクションでスコアが上がりました。(Reading 6.5、Listening 6.5、Writing 6.0、Speaking 7.0、Overall6.5)
木曜日はライティングの授業で、最終週に700文字のエッセイが課題としてあり、それに向けて、レファレンスの書き方、アカデミックなエッセイの書き方や構造を勉強していきました。
金曜日はスピーキングがメインで、これも最終週に個人プレゼンテーションが課されていたので、効果的なプレゼンの構成や方法を学びました。
また、スピーキングテストもあったので、その練習も毎週のように行っていました。最終週のプレゼンよりも前に、グループでプレゼンする機会もありました。フィードバックももらえたので、実際に次の機会に生かすことができました。
コース全体的に、最終週の課題やテストに向けて、形式や方法論を勉強していったという印象を受けました。そのため、宿題はほとんどなかったのですが、最終課題ではかなりレベルの高いものが要求されていたので、日々の積み重ねが大事だということを実感しました。
また、先生方はとても親身になってくださる方ばかりで、エッセイやプレゼンのアウトラインや、コース全体を通しての自主学習の計画を提出した際は一対一でフィードバックの時間が設けられ、的確なアドバイスももらうことができました。
留学当初は友達作りと課題に奮闘!
クラスメイトのほとんどが中国人だったため、最初は友達を作ることに苦労しました。中国人同士でかたまって中国語を話しているということもよくあったので、その輪の中に入っていくのは難しかったです。
そのため、何の話してるの?みたいな感じで英語で話しかけて、無理矢理話の中に入っていっていました。
また、中国人だけでなく他の国出身の友達を作るのにも苦労しました。学校のアクティビティに頻繁に参加したり、そこで知り合った友達を通して南米やアジアの他の国出身の友達を作ることができました。
また、課題はかなり形式が重視されていたので、その形式に慣れるのが大変でした。日本でも英語でのエッセイやプレゼンの課題は何度かあったのですが、それよりもかなり形式重視=進学をしても困らないように勉強をしたように感じます。
日本で勉強しておけばよかった・・・と思ったことは?
私はボキャブラリーが弱いので、もう少し日常会話で使えるボキャブラリーや会話表現の知識を増やしておけばよかったと思っています。
IELTSの勉強のためにアカデミックな単語は勉強していましたが、日常生活において会話するときに単語や言い回しがわからないということがしばしばあります。
実際、スーパーのセルフレジで会計をしていた時に、野菜を表す単語が全然わからず、店員さんに何度も聞いてしまい恥ずかしい思いをしたことがありました(笑)
あとは、リスニングの練習です。オージーの人たちは話すスピードが速い人がとても多いので、留学生の友達との会話はできても、ローカルの方々の言うことは何を言っているのかわからないということがよくあります。
クイーンズランド大学で履修している科目は?
私は3科目受講しています。本当は4科目受講する予定でしたが、授業を多く取るよりも1科目ずつに集中しようと思い、3科目の受講に決めました。
授業も基本的には、予習で授業内容をある程度理解しておいた上でレクチャーに臨み、その後のチュートリアルでのディスカッションやワークショップを通して理解を深めています。
1科目目 Introduction to Communication & Cultural studies
前半の数回は、主にテレビやインターネットなどのメディアを通したコミュニケーションに関する基本的な概念を学びました。また、前半のまとめの課題として、指定された広告と自分の自撮りの写真を分析・比較をして1000文字にまとめる課題がありました。
その広告や写真に描かれているもののバックグラウンドや、周りにあるものは何を意図しているかなど、普段何気なく見ているものを違った角度で分析したため、とても新鮮な気持ちになれ書いていて楽しかったです。
後半5回ほどはケーススタディで、文化に関するさまざまなトピックについて学び、毎週それに基づいた課題について500文字程のエッセイを書くという課題があります。トピックがファッションや映画など、日常生活に近いトピックばかりなので親しみやすいです。
2科目目 Introduction to Education
教育に関して、さまざまな社会学的なトピック(人種やジェンダーなど)の視点から学んでいます。
授業で学んだことに関するまとめのようなエッセイの課題と、それに加えて、チュートリアルで、2〜3人のグループでリーディングの内容に関して、アクティビティやディスカッションを交えながらプレゼンテーションを行うといった課題がありました。
チュートリアルの時間(50分間)のほとんどがプレゼンテーションの時間に充てられていたので、1つの授業を作るといった感じでした。その分、やり終えたあとの達成感も大きかったです。
この授業でもケーススタディが主で、現在の問題だけでなく、それに対する実践例なども勉強しています。
3科目目 World Religions
宗教学の入門的な授業で、最初の数週間は宗教学の基本的概念について学びました。後半は毎週特定の1つの宗教について、ゲストティーチャーのレクチャーを聞き、その宗教における問題などについてチュートリアルでディスカッションをするという形式で進んでいます。
課題の一つで、実際に教会などの宗教施設に行って儀式や行事に参加して、それについてレポートを書くという課題があります。あくまで自分の感想を書くのではなく、儀式の中での動作が参加者にとってどのような意味があるのかなど、客観的な視点で書かなければいけないので難しかったです。
しかし、この授業を取ってなければ絶対行っていなかったようなところに行けているので、貴重な経験になっています。
私ははキリスト教の教会とチベット仏教のお寺に行って、あとはバハーイー教という宗教の儀式にも参加する予定です。
また、他にも1000文字と1500文字のエッセイを書く課題がありました。長く感じますが、トピックは授業で習ったことがベースになっているので、普段の授業をちゃんと理解していたらそれほど苦ではなかったです。
1000文字のエッセイは、宗教における儀式の重要性、1500文字のものは、実際に訪れた宗教施設や行事でみたものを基に特定の一つのテーマを決めて分析していくものでした。
しっかり予習して授業へ臨む!
もともとリスニングが苦手なこともあり、授業についていくことにかなり苦労しています。チュートリアルのクラスでは留学生はわたし1人だけ。周りは全員ネイティブスピーカーなので、ディスカッションの内容を聞き取るだけで精一杯な状態です。
しかし、予習のリーディングの理解度で授業の理解度が大幅に変わってくるので、授業内で少しでも多く内容を理解できるように、予習には毎週かなりの時間をかけています。
また、スピードに慣れるために、普段からできるだけネイティブスピーカーの人たちと話す機会を作るように心がけています。
日本の大学との勉強量の違いにびっくり
日本の大学に通っている私が、クイーンズランド大学で勉強した感じたことは、勉強量の違いです。
オーストラリアの大学では1つの授業につき毎週20-30ページほどのリーディングの課題が課され、それに加えプレゼンテーションやエッセイの課題をこなさなければならないので、とにかく毎日きちんと勉強しないとついていけません。なので、時間の使い方がとても重要だと日々実感しています。
ただ、量は多いですが、その分日本の大学に比べて深く掘り下げて学べるので、得られるものも多いです。
将来の夢は英語教員!
単に英語そのものを教えるだけじゃなくて、それに加えて外国のことや異文化のことを教えられる教員になりたいです。
そのため、さまざまなバックグラウンドをもった人がいるオーストラリアで留学できていることはとても嬉しく思うし、ここで得た経験や知識を少しでも多くの人に伝えられたらなと思います。