
毎年、悲しいことに多くの国で災害が増加している傾向にあります。それらの原因として、都市への人口集中、地球規模の気候変動、などが挙げられていますが、世界各地で災害により尊い人命や資産が奪われています。
オーストラリアでも過去には、台風による家屋の損壊、豪雨による水害、そしてブッシュファイヤーと呼ばれる山火事による災害、など毎年のように被害があります。2019年末のNSW州での山火事、2025年3月のサイクロンによるクイーンズランド州南東部の水没被害、など覚えておいでの人も多いでしょう。
自然災害や人為的災害が世界中で深刻化する現代において、危機的状況に的確に対応し、人々を導く専門家の需要はかつてないほど高まっています。オーストラリアのチャールズ・ダーウィン大学(CDU)が提供する「
応急・災害管理学修士(Master of Emergency and Disaster Management)」は、まさにこの時代の要請に応えるための最先端プログラム内容になっています。
日本でも地震、台風、豪雨で河川の欠壊による水害、など毎年のように災害による被害が起こっています。
また、発展途上国では、それらの災害の上、なかなか貧困から抜け出せないという悪循環に陥ることもあります。緊急時・災害時の管理はどうするのか? 国や政府機関だけではなく、医療機関、一般企業から地域コミュニティ、個人に至るまで、現代では緊急時・災害時の対策や管理は、とても重要な分野です。
本ページでは、オーストラリアのチャールズ・ダーウイン大学で学ぶ「Master of Emergency and Disaster Management(応急・災害管理学修士)」をご紹介します。
チャールズ・ダーウィン大学で学ぶメリット

オーストラリア北部のNorthern Territory準州に位置する
チャールズ・ダーウィン大学(Charles Darwin University)は、NT準州で唯一の大学になりますが、Diploma コースから Master まで様々な分野のコースを開設しています。メインキャンパスは、NT準州都ダーウィンに位置しています。
アジア太平洋の玄関口で学ぶ、次世代の災害対策
チャールズ・ダーウィン大学が位置するオーストラリア北部ノーザンテリトリー準州の州都ダーウィンは、もっともアジアに近いオーストラリアであり「アジアへの玄関口」と呼ばれる戦略的な拠点です。

「応急・災害管理学修士(Master of Emergency and Disaster Management)」は、地理的な近接性から、特に「
アジア太平洋地域における災害に焦点」を当てています。地震や津波、火山活動が活発なこの地域特有の課題や、多文化社会における支援活動の複雑さを深く探求します。
将来、国際的な人道支援機関やNGOでの活躍を目指す学生にとって、他大学では得られない貴重な視点と知識を養うことができます。
オーストラリア全土の大学の中でも修士課程(コースワーク)で 応急・災害管理学修士(Master of Emergency and Disaster Management)を受講できる唯一の大学院と言って良いでしょう。
理論と実践を融合させる機会
チャールズ・ダーウィン大学は、理論的な学習を実践に結びつけることを重視しています。
実践的なプロジェクト
コース内では、実際の災害シナリオに基づいたシミュレーションや、コミュニティベースのリスク管理計画の立案など、実践的なプロジェクトが数多く用意されています。
専門家による指導
チャールズ・ダーウィン大学の教員には、災害対策の現場で豊富な実務経験を持つ専門家や、この分野で世界的に評価される研究者が名を連ねています。彼らの直接的な指導のもと、理論が現場でどのように活かされるのかを深く理解することができます。
応急・災害管理学修士(Master of Emergency and Disaster Management)の内容

応急・災害管理学修士(Master of Emergency and Disaster Management)は 2年間の修士課程で学びます。
必須科目 (Core Units)
災害管理の基礎理論、リーダーシップ、異文化間のコミュニケーション、研究手法など、分野の根幹をなす8科目を学びます。
災害サイクル(予防、準備、対応、復旧)の全段階を管理するために不可欠な知識とスキルを固めるように構成されています。
専門分野 (Specialisations)
学生の興味やキャリアパスに合わせて、以下の8つの専門分野から1つ以上を選択し、専門知識を深めるように構成されています。
[1] 人道支援の実践 (Humanitarian Practice) |
紛争や自然災害の現場で必要とされる、人道支援の原則と実践的なスキルに焦点を当てます。支援活動の効果的な計画、実行、評価の方法を学び、複雑な状況下で人々の命と尊厳を守るための専門知識を深めます。 |
{2} 地球規模の課題と社会活動 (Global Challenges and Social Action) |
気候変動、貧困、不平等といった地球規模の大きな課題が、いかに地域社会の脆弱性を高め、災害リスクにつながるかを分析します。社会変革を促すためのアドボカシー(政策提言)や、コミュニティ主導の活動について学びます。 |
[3] 先住民の知見に基づく実践 (Indigenous-Informed Practises) |
何世代にもわたって受け継がれてきた先住民の伝統的な知識や土地管理の方法が、現代の災害対策や環境管理にどう活かせるかを探求します。文化的な感受性を持ち、先住民コミュニティと協働するためのアプローチを学びます。 |
[4] トラウマとメンタルヘルス (Trauma and Mental Health) |
災害が個人やコミュニティに与える心理的な影響(トラウマ)を理解し、適切なメンタルヘルスケアや心理社会的支援を提供するための知識を学びます。支援者自身の心の健康を保つ方法についても探求します。 |
[5] 健康危機と対応 (Health Emergencies and Response) |
パンデミック、感染症のアウトブレイク、生物化学兵器テロなど、公衆衛生を脅かす健康危機への対応に特化します。疫学的な調査、リスクコミュニケーション、医療体制の構築といった、公衆衛生の観点からの危機管理を学びます。 |
[6] 環境ハザードと管理 (Environmental Hazards and Management) |
洪水、サイクロン、森林火災、地滑りといった自然現象(ハザード)のメカニズムを科学的に理解し、そのリスクを評価・管理する手法を学びます。持続可能な開発の観点から、環境への影響を最小限に抑える防災・減災対策を探ります。 |
[7] 高度ハザード分析 (Advanced Hazard Analysis) |
地理情報システム(GIS)やリモートセンシング、統計モデリングといった先進技術を用いて、災害リスクをより精緻に分析・予測する専門技術を習得します。データに基づいた科学的な意思決定能力を高めます。 |
[8] 組織的リーダーシップと戦略的管理 (Organisational Leadership and Strategic Management) |
災害対応機関や支援団体といった組織を、危機的状況下で効果的に率いるためのリーダーシップとマネジメント能力を養います。資源の配分、チームの統率、関係機関との連携といった、戦略的な組織運営について学びます。 |
コース名 | Master of Emergency and Disaster Management(修士課程) |
期間 | 2年間 |
学費 | 2026年度:年間 A$36,480(約368万円) |
入学 | 2月、7月 |
英語 | IELTS Academic overall 6.5(各セクション 6.0)以上
または、
PTE Academic Overall 58以上(各セクション 50)以上
または、
TOEFL iBT overall 79以上(Writing 21)以上 |
学力 | 日本で学士過程を終えていること(学部不問) |
チャールズ・ダーウィン大学への進学をご検討中の方へ
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期待されるキャリアについて
Emergency and Disaster Management(緊急・災害時の対策と管理) では、緊急時および災害時における管理とリーダーシップの役割、災害に対する備えや予防、復旧までにおける健康、環境、社会福祉、人道への支援 など、多岐にわたる分野を組み合わせて学びます。
そのため、災害管理のサイクル全般にわたる高度な知識と実践的なスキルを身につけることを想定されていますから、修士課程の修了生は国内外の多様な分野で活躍することが期待できます。
政府機関: 国や地方自治体の危機管理・防災担当官、政策立案者
国際機関・NGO: 国連人道問題調整事務所(OCHA)、赤十字社などの国際機関や、国境なき医師団のような国際NGOのプログラムマネージャー、フィールドワーカー
民間企業: 企業の事業継続計画(BCP)やサプライチェーンのリスク管理を担当する危機管理コンサルタント
研究・教育機関: 大学や研究機関での研究者、教育者
国・自治体・NGO・人道支援団体・教育機関や各民間研究所、防災対策部署などでの雇用が見込まれ、防災・危機管理コンサルティング、や、企業の危機管理に関するイベントのコンサルティング、事後だけでなく、事前の予防や対策におけるリーダーシップ的な役割を目指しましょう!
留学カウンセラーより「こんな人にオススメ!」
■国際的なキャリアを目指す学生
将来、国連機関、国際NGO、政府開発援助機関などで、人道支援や国際協力の分野で活躍したいと考えている方。特にアジア太平洋地域での活動に関心がある方には最適です。
■キャリアアップを目指す社会人
現在、地方自治体の防災担当者、消防士、医療従事者、企業の危機管理担当者として働いており、より高度な専門知識とリーダーシップスキルを身につけてキャリアアップを図りたい方。
■社会課題の解決に情熱を持つ学生
気候変動や社会の脆弱性がもたらす課題に関心があり、専門知識を身につけることで、より安全な社会の構築に貢献したいという強い意欲を持つ方。
上記に当てはまるなら 応急・災害管理学修士(Master of Emergency and Disaster Management)」はオススメです!
出願に向けての準備
1. まずは英語試験を受けましょう
まずは
IELTS(アイエルツ)試験を受験しましょう。日本では下記3つの機関がIELTS試験を開催しています。
現在、チャールズダーウィン大学は大学付属英語学校での英語コースは開講しておりません。
IELTSスコアをお持ちの方のみ出願を受け付けておりますのでご注意ください。
2. 出願に必要な書類4点を準備しましょう
出願には下記4点の書類が必要となります。IELTSの受験が終わったらこちらの4点を揃えて担当カウンセラーにご提出ください。
- 最終学歴の卒業証明書(英語版と日本語版1部ずつ)
- 最終学歴の成績証明書(英語版と日本語版1部ずつ)
- IELTS(Academic)またはTOEFLスコア結果
- パスポートコピー
3. 出願手続きスタート
最後に、
オンライン申込みフォームを送信してください。その後、正式に出願手続きへ進みましょう。
留学相談&お問い合わせ

当社オーストラリア留学センターは チャールズ・ダーウィン大学を含め
全豪29大学の公式出願窓口となっており、ご相談から出願手続き、更に現地サポートまで
全て無料で提供しております。
※備考※
・本記事は2022年7月現在の情報に基づいており、コース概要や入学基準は変更されることもございますのでご留意ください。
・学費は毎年改定されます。本記事では2023年度学費をご案内しております。
・学費の日本円額は、現在のレート1豪ドル=95円換算しておりますが、実際にはお支払い時のレートが適用されます。