英語で「伝える力」を鍛える1年。UNSW College メディア・ディプロマ

UNSW Kensingtonキャンパスの校舎UNSW CollegeのDiploma of Media and Communicationsは、1年間学んで条件を満たすと、ニューサウスウェールズ大学(UNSW)のBachelor of Media(メディア学士)の2年次へ進むルートです。科目、進学条件、学費、UTS Collegeとの違いをまとめました。


ジャーナリズム、広報・広告、映像制作。UNSWでメディアを学ぶ前に、英語で「伝える」ための1年間です。

メディアの分野は、「映像を作りたい」「記者になりたい」「広告の仕事に興味がある」など、ご相談の入り口が人によってかなり違う分野です。UNSWのBachelor of Mediaは、そのどれにもつながる専攻を持つ学位です。

ただ、日本の高校から1年次に直接入るには、高い成績と英語力が求められます。そこで選択肢になるのが、UNSWのキャンパス内で大学1年次に相当する内容を学び、2年次に合流するディプロマ(Diploma)のルートです。

ファウンデーション(大学進学準備コース)を経由する場合と比べ、卒業までの在学期間を1年短くできます。ただし、修了すれば自動的にUNSWへ進めるわけではありません。この記事では、進学の条件や英語の負担も含めて、自分に合うかを判断する材料を整理しています。

UNSWのキャンパスで、少人数で学ぶ1年間

UNSW Sydneyの看板UNSW Collegeは、UNSWへの進学準備を担う教育機関です。ディプロマの授業は、シドニーのUNSW Kensingtonキャンパス内にある校舎(Building L5)で行われ、UNSWの学生と同じキャンパスで1年間を過ごします。

授業は1クラス約20人の少人数制で、週あたりの授業時間は約20〜25時間です。UNSWの1年次よりも授業時間が少なくとも20%多く設定されていて、毎週のチューター(個別指導役)によるセッションや、学習会(Study Club)も用意されています。

メディアの授業は、英語で読み、英語で書き、英語で発信することの連続です。日本の高校からいきなり大教室の講義に入るより、まずこの規模のクラスで英語での議論や課題に慣れておけることが、ディプロマを選ぶ大きな理由になると私は考えています。

なお、このコースは2024年8月にDiploma in Media and Communication(CRICOS 107827A)から、現在のDiploma of Media and Communications(CRICOS 113048M)に切り替わっています。

古い情報を見かけたときは、コース名とコードを確認してください。

必修5科目と、4つから3つを選ぶ選択科目

映画のシーンを撮影する撮影クルーディプロマは全8科目・48単位(1科目=6単位)で、1年を3つの学期に分けて学びます。内訳は、英語での学び方の科目を含む必修5科目と、4科目の中から3科目を選ぶ選択科目です。

科目コード 必修科目(5科目・30単位)
AELC1304Communication and Academic Literacy 4(アカデミックな英語コミュニケーション)
MEDA1301Media and Communication Contexts(メディアとコミュニケーションの背景)
MEDA1302Public Relations and Advertising Foundations(広報・広告の基礎)
MEDA1307Media, Society and Politics(メディア・社会・政治)
MEDA1308Working with Data(データの扱い方)

必修科目では、メディアが社会や政治とどう関わるか、広報・広告の考え方、そしてデータの扱い方まで、どの専攻に進んでも土台になる内容を学びます。メディア系のコースでデータの科目が必修になっている点は、意外に感じる方が多いかもしれません。

科目コード 選択科目(4科目から3科目・18単位)
MEDA1303News Fundamentals(ニュース報道の基礎)
MEDA1304Media Entrepreneurship(メディアビジネスと起業)
MEDA1305Introduction to Film Studies(映画研究入門)
MEDA1306Screen Production 1(映像制作1)

選択科目は、UNSWで進みたい専攻に合わせて選ぶ仕組みです。どの専攻にどの科目が対応するかは入学後の履修相談で確認することになるため、進みたい専攻がある程度見えている方は、出願の段階から当社にお伝えください。

「メディア」という名前から、カメラや編集ソフトの操作を中心に学ぶ専門学校のような授業を想像される方もいます。

しかし、このコースは大学1年次に相当する学びで、映像制作はあくまで選択肢の一つです。読む・書く・分析する比重が大きいことは、あらかじめ知っておいてください。

UNSWの2年次に進むための条件

UNSWキャンパスの並木道ディプロマを修了し、条件を満たすと、UNSWのBachelor of Mediaの2年次に進みます。条件は次の2点です。

2年次に進むための条件 内容
英語での学び方の科目(Communication and Academic Literacy)「Satisfactory」の評価で70%以上(IELTS 6.5相当とされています)
そのほかの7科目すべての科目で合格

ビジネスのディプロマでは英語の科目に80%(IELTS 7.0相当)と全体の平均60%以上が求められますが、メディアは70%(IELTS 6.5相当)で、平均点の基準は設けられていません。

ただ、これは「楽に進める」という意味ではありません。メディアの授業はレポートや記事の執筆など英語で書く課題が多く、2年次以降はさらに量が増えます。進学の基準を満たすことと、その後の授業を余裕を持ってこなせることは別だと考えてください。

UNSWに進んだあとは、次の5つの専攻から選んで学びます。

映画研究(Cinema Studies)、コミュニケーション・ジャーナリズム(Communication & Journalism)、メディア研究(Media Studies)、広報・広告(Public Relations & Advertising)、映像制作(Screen Production)です。

UNSW Collegeは、ディプロマ修了生の約90%がUNSWの2年次に進学しているとしています。ただ、これはディプロマ全体の数字であり、一人ひとりの結果を約束するものではない点は押さえておいてください。

卒業後の進路と、在学中に準備したいこと

カメラを手に撮影現場に立つ撮影監督Bachelor of Mediaから考えられる進路の例として、広告ストラテジスト、コピーライター、ブランドマネージャー、広報担当(パブリシスト)、ジャーナリスト、映像制作者、脚本家などが挙げられています。

関連する専攻 進路の例
広報・広告広告ストラテジスト、コピーライター、ブランドマネージャー、パブリシスト
報道・発信ジャーナリスト、メディアアドバイザー、企業広報の責任者
映像・映画映像制作者、脚本家、アニメーター
メディア全般コンサルタント

もちろん、これらは学位から考えられる進路の例であり、卒業すれば就けると保証されるものではありません。メディアの仕事では、学位そのものより「何を作ってきたか」「何を書いてきたか」を見られる場面が多いと考えています。

そのため、在学中に記事や映像、SNSの運用実績などを作品として積み上げておくことが大切です。学内の学生メディアや制作プロジェクト、インターンシップに早めに関わり、目指す仕事の求人票で求められる経験を確認しておくと、専攻や選択科目の選び方もはっきりしてきます。

このディプロマが向いている人、別のルートも比べたい人

会議でアイデアを出し合う若いビジネスパーソンたちこのディプロマが向いているのは、UNSWでメディアを学ぶことを目指していて、英語で文章を書くことや、自分の考えを発表することに前向きに取り組める方です。社会や政治のニュースに関心があり、「なぜこの情報はこう伝えられたのか」を考えるのが好きな方には、特に合う内容だと思います。

また、「報道か、広告か、映像か、まだ決めていない」という方にも、悪くない選択肢です。最初から完璧に合う分野を探し当てようとするより、この1年でメディアの基礎を一通り積み上げ、手応えのあった分野を伸ばしていくほうが現実的だと考えています。

一方で、機材の操作や映像の技術だけを集中して学びたい方は、授業内容とのずれを感じるかもしれません。その場合は、制作の実技を中心にしたコースも比べたほうがよいでしょう。

また、英語力がまだIELTS 5.5前後という段階であれば、英語で書く課題の多さが大きな負担になります。先に英語コースやファウンデーションを経由するほうが、結果的に遠回りにならないこともあります。

入学条件と、ほかの進学ルート

UNSWキャンパスの広場と校舎留学生の入学条件は、所定の英語力と学業成績を満たすことです。

日本の高校の成績で、どの程度が目安になるかは一律には示されていません。高校の種類や成績の推移まで見て判断されるため、当社では成績証明書を拝見したうえで目安をご案内しています。入学に必要な英語のスコアも、出願時期に合わせて当社でご案内します。

ルート こんな方に UNSWでのスタート
UNSWに直接入学成績・英語ともにUNSWの基準を満たしている方1年次
ディプロマ経由ディプロマの条件を満たし、直接入学の条件には届かない方2年次
ファウンデーション経由ディプロマの学業条件に届かない方1年次

ディプロマの学業条件に届かない場合は、先にUNSWのファウンデーション(大学進学準備コース)で学んでからUNSWを目指すルートがあります。

日本国内で受講するルートは日本で受けるUNSWファウンデーションの記事、UNSW College全体の進学ルートはUNSW Collegeの解説記事で紹介しています。

英語力が足りない場合は、UNSW Collegeの大学進学英語コース(University English Entry Course/UEEC)を先に受講する方法もあります。どのルートが近道になるかは、今の成績と英語力の組み合わせで変わります。

UTS Collegeのコミュニケーション・ディプロマとの違い

緑に囲まれたUNSWキャンパスの校舎シドニーには、シドニー工科大学(UTS)のBachelor of Communicationなどにつながる、UTS CollegeのDiploma of Communicationもあります。

どちらも1年前後で大学の2年次へ進む仕組みですが、期間の選び方と、進学の条件の示し方が異なります。

項目 UNSW College Diploma of Media and Communications UTS College Diploma of Communication
進学先UNSW Bachelor of Mediaの2年次UTS Bachelor of Communication、Bachelor of Creative Productionなどの2年次
期間12か月(3学期)12か月(3学期)。8か月の短期版もあり
科目必修5科目+選択3科目(英語での学び方の科目を含む)8科目(英語の科目を含む)
進学の条件英語での学び方の科目で70%以上(IELTS 6.5相当)、ほかの全科目合格留学生は不合格科目が2科目以内で修了
入学時期1月・5月・8月2月下旬〜3月・6月・9月
学費A$46,290(日本円で約5,184,480円)(2027年度・コース全体)当社でご案内

UNSWで映画研究や映像制作も含めた5つの専攻から選びたい方はUNSW College、8か月の短期版を含めて期間を柔軟に選びたい方や、UTSの広報・デジタルメディア系の専攻に関心がある方はUTS Collegeが候補になると考えています。

どちらが上かではなく、進学先の学位で何を学びたいか、今の英語力でどの条件が現実的かで選ぶ学校が変わります。

2026年度・2027年度の学費とその他の費用

オーストラリアドルの紙幣と電卓学費は1科目ごとに設定されていて、メディアの7科目と英語での学び方の科目1つで単価が異なります。ディプロマは1年間のコースなので、下の「コース全体」の金額が、ほぼ1年分の学費にあたります。

年度 内訳 コース全体(8科目)
2026年度メディア7科目×A$5,610(日本円で約628,320円)+英語の科目A$6,060(日本円で約678,720円)A$45,330(日本円で約5,076,960円)
2027年度メディア7科目×A$5,730(日本円で約641,760円)+英語の科目A$6,180(日本円で約692,160円)A$46,290(日本円で約5,184,480円)

学費は毎年見直される目安額で、授業料のみの金額です。2027年度の場合、メディア7科目でA$40,110(日本円で約4,492,320円)、英語の科目を加えてA$46,290(日本円で約5,184,480円)になります。

このほかに、学生サービス・アメニティ費(Student Services and Amenities Fee/SSAF)として、2027年度はフルタイムの場合1学期あたりA$129(日本円で約14,448円)がかかります。

さらに、留学生用の医療保険(Overseas Student Health Cover/OSHC)、学生ビザの申請料、渡航費、生活費も必要です。シドニーは生活費が高い都市なので、住まいの選び方も含めて、総額は個別にお見積りしています。

コース概要

項目 内容
教育機関UNSW College(CRICOS 01020K)
コース名Diploma of Media and Communications(CRICOS 113048M)
期間12か月(3学期・8科目48単位)
学費A$46,290(日本円で約5,184,480円)(2027年度・コース全体の目安額)
入学時期年3回(1月・5月・8月)。正確な開始日は当社でご案内
授業時間週約20〜25時間・1クラス約20人
キャンパスニューサウスウェールズ州シドニー・UNSW Kensingtonキャンパス(Building L5)
進学先UNSW Bachelor of Mediaの2年次(条件あり)

情報の最終確認:2026年10月31日(当社にて最新情報を確認)

出願前によくいただく質問

このコースについて、日本の高校生とその保護者の方からいただくご質問をまとめました。

修了すれば必ずUNSWに進めるのか、英語はどこまで必要か、そして映像制作を中心に学べるのか——実際に多いのはこの3つです。

Q. ディプロマを修了すれば、必ずUNSWの2年次に進めますか?
A. 自動的に進めるわけではありません。英語での学び方の科目で70%以上(IELTS 6.5相当)を取り、ほかの7科目すべてに合格する必要があります。1年間を通して、英語で書く力を計画的に伸ばしていくことが大切です。

Q. 英語はどのくらいできる必要がありますか?
A. 入学時には所定の英語スコアが必要で、出願時期に合わせて当社でご案内します。より大事なのは修了時で、UNSWへ進むにはIELTS 6.5相当の英語力が求められます。メディアの授業は書く課題が多いため、スコア以上に英語で文章を組み立てる力が問われます。

Q. 映像制作を中心に学ぶことはできますか?
A. ディプロマでは、映像制作(Screen Production 1)や映画研究入門を選択科目として選べます。ただし必修科目は社会・広報・データなど幅広い内容です。映像制作を専攻として深めるのは、UNSWに進んでからになります。

Q. ファウンデーションとディプロマは、どちらを選べばよいですか?
A. ディプロマはUNSWの2年次、ファウンデーションはUNSWの1年次につながります。ディプロマのほうが在学期間を1年短くできますが、そのぶん求められる成績も高くなります。今の成績と英語力でどちらの条件に届くかを確認してから決めるのがおすすめです。

Q. 卒業後は、オーストラリアでメディアの仕事に就けますか?
A. 学位を取れば就職が保証されるわけではなく、在学中に作った作品や実績、インターンシップの経験、英語での発信力が重要になります。なお、ビザ制度や申請資格は変更される場合があります。最新情報はDepartment of Home Affairsで確認し、個別のビザ相談はRegistered Migration AgentまたはAustralian legal practitionerへご相談ください。

カウンセラーから一言(オーストラリア留学センター シドニーオフィス 大越 麻結)

メディアを学びたいというご相談をいただいたとき、最初に伺うのは「作りたいのか、書きたいのか、伝え方を考えたいのか」ということです。

同じメディアでも、映像を作る、記事を書く、広報や広告の戦略を考えるでは、必要な力も、選ぶべき専攻もかなり違いますよね。ディプロマの選択科目は4つから3つなので、ここが少しでも見えていると、1年目の過ごし方がぐっと具体的になります。

次に伺うのは、英語で文章を書くことへの抵抗感です。進学の基準はIELTS 6.5相当で、ビジネスのディプロマより一段低く設定されています。ただ、メディアは英語そのものが「商売道具」になる分野です。基準の数字だけで安心しないほうがよいかもしれません。

もちろん、「英語で書くのはまだ自信がない」という方を最初から止めるつもりはありません。英語コースを先に挟む、ファウンデーションから入る、UTS Collegeのルートと比べるなど、選べる道は一つではありません。

まだ迷っている方は、こうしたルートを一度並べて比べてみてくださいね。当社では、成績証明書とスコアを拝見しながら、その比較を一緒に進めています。シドニーで作品や記事を発信したい方の不安が、少しでも和らげば嬉しいです。

UNSW College・ニューサウスウェールズ大学(UNSW)への進学相談はオーストラリア留学センターへ

ディプロマとファウンデーションのどちらの条件に届くか、修了時のIELTS 6.5相当に向けて英語をどう準備するか、UTS Collegeのルートとどちらが合うかまで、成績証明書を拝見しながら一緒に考えます。お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。すべて無料でサポートしています。
豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号G175)
留学カウンセラー歴23年。高校時代の短期留学をはじめ、ワーキングホリデー、学生ビザでの専門学校進学など、私自身もシドニーでさまざまな留学を経験してきました。留学は一人ひとり目的も状況も異なり、「正解」が一つではないことを実感しています。こうした経験が、現在のカウンセリングの土台になっています。 インターネットには多くの情報がありますが、同じ留学プランがすべての方に合うわけではありません。留学の目的や英語力、ご予算、これまでの経験、将来の希望などを丁寧に伺いながら、選択肢を一緒に整理し、その方に合った現実的なプランを考えることを大切にしています。 過去には東京オフィスにも勤務し、現在はシドニー現地で、ワーキングホリデーから長期語学留学、専門学校、大学・大学院進学まで、幅広い留学に携わっています。日本で留学を考え始める段階から、現地での生活や学び、そして卒業までを見据えてサポートしています。何から考えればよいか分からない段階でも大丈夫です。一緒に情報を整理し、ご自身に合った留学への第一歩を見つけていきましょう。 このカウンセラーに質問する

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