【体験談】VFX技術者として現地就職 〜 南オーストラリア大学〜

山下 千遙さん | アデレード | University of South Australia | Film and TV, Screen and Media | 6か月
南オーストラリア大学のGraduate Certificate コースを卒業後、オーストラリア現地のVFX映像会社へ就職を果たした 千遥 さんに 大学院の感想と就職活動についてお聞きしました。

千遥 さんがアデレードに来た経緯、TAFE SAで Diplomaを終えた段階でのコース体験談はこちら をご覧ください。TAFEで学んでいた当時の夢を叶えた頑張り屋さんです。

千遥さんの留学プラン
・2019年1月〜2019年12月 
TAFE SA アデレード Diploma of Screen Media(CGI & VFX)
  ↓
・2020年1月〜2020年12月 
TAFE SA アデレード Advanced Diploma of Screen Media(CGI & VFX)
  ↓
・2021年1月〜2021年6月
南オーストラリア大学 Graduate Certificate in Dynamic Effects and Lighting

南オーストラリア大学のコースではどんなことを勉強しましたか?


修士号の一部 Graduate Certificate in Dynamic Effects and Lighting というコースで学びました。
この Graduate Certificate in Dynamic Effects and Lighting は、とても実践的で 現地企業のRising Sun Pictures (以下RSP)にあるクラスルームで行われます。 

RSPは、オーストラリアのVFX企業でも老舗的な存在で、とても評価の高い会社であり世界的にトップスキルを持つ有名なVFXアーティストが何名も在籍している会社です。

南オーストラリア大学に進学前は、TAFE SAで Screen and Media(VFX)を学んでいたので、同じように 大学でのキャンパスライフを思い描いていたのですが、キャンパスに行く機会が全く無かったので正直、大学院生である自覚はほとんど無かったです。大学のキャンパス(西、東とも)に行くことは一切ありませんでした(笑)。

その代わり、Graduate Certificate in Dynamic Effects and Lighting は RSP との企業コラボコースなので、毎日、月曜日〜金曜日、朝から夕方まで実際のVFXアーティストたちからたくさんのことを学び、その学びをもとに毎週1つ作品作りをします。その道のプロたちの現場で学ぶことができるので毎日が刺激的であることに違いはありません。

しかも、RSPの社内チャットをVFXアーティストスタッフと同じように使うことができるのです!
自分の作品について聞きたいことがあればすぐにメッセージを送ってRSPのアーティストから フィードバックをもらったりすることができるのは、将来 VFX技術者としてのキャリアを望む方には、とても恵まれた環境だと思います。

コースはとても充実していて、開始の最初の頃は17時に帰宅していましたが、最後の方は学生みんなで23時過ぎまで残ってそれぞれの作品に集中していました。

Visual Effects Professional Practice

毎週いろんなVFXアーティストたちのプレゼンテーションを見たり、実際の仕事のミーティングを傍聴できる教科です。しかも傍聴だけじゃなくて質問もできるんです。実際にVFXを職業としているアーティストに気になることがあれば個別で話を聞いてくれることもあるので、とても刺激的な授業です。


Look Developing and Lighting

VFXには様々な分野がありますが、Lighiting という部門のアーティストたちから、HoudiniとNukeというVFX専門のソフトウェアを使った Lightingやレンダリングについて学びます。

Digital Effects Developing

Houdiniを使って毎週一つの作品を作る授業です。学期やタームで1つではなく「毎週1つ」作成します。「物凄い速度」で授業が進むのですが、録画された授業を見返すことは出来ます。それでも授業の進行に間に合わないので、クラスメイト同士で助け合いつつ、毎週定められた期限内に作品を提出します。

Digital Asset Development

VFX専門のソフトウェア HoudiniやNukeなどを使って、自分のプロジェクトを作成する授業です。


1番苦労した教科、1番楽しかった教科は?


1番苦労した教科であり1番楽しかった教科は Digital Effects Development と Look Developing and Lightingです。

どちらも、自分のプロジェクトを最終的にはクラスメイトとアーティストの前でプレゼンテーションします。 プロジェクトのアイディアを練る時点から、先生たちと何度も話し合う必要があるので、私はノートにイラストを描いて説明をしたり、実際に動画を撮ってそれを参考動画にしたり、試行錯誤の繰り返しでした。

夜遅くまで残ったり、いろんなひとからフィードバックをもらって何度も凹んで、何度も作り直したり、とっても楽しかったけど、苦労もたくさんある教科でした。


コロナ規制の中での就学となりましたが、課題で苦労したことはありましたか?


南オーストラリアは他州に比べるとコロナ感染者を抑え込んでいるので、RSPで勉強している時にコロナ規制が就学の妨げになることはありませんでした。

2020年にTAFE SA(Advanced Diploma Screen and Media)で勉強しているときはロックダウン期だったのでオンライン授業になり、思うように作品が作れず、パソコンしか使わない私たちのコースは逆に、教室復帰(Face to Face)に戻るのが一番遅かったのでモチベーションを保つことが難しかった記憶があります。


授業を乗り切る秘訣、取り組み方をおしえてください


非常にシンプルで秘訣、取り組みとは言えないかもですが(笑)、TAFE SAで2年、大学院を終えた私から言えることは 「わからなくなったら、とにかく聞きまくること」です。


卒業後の就職活動について教えてください。


大学で Graduate Certificate コースが終わるころに「Industry Night」というイベントがありました。

そこには、実際の現地企業リクルーターやマネージャーたちが来て、学生(私たち)の作品を見てもらう機会があります。そこで すぐにでも現場で使える スキルがあるクラスメイトはその場でリクルーターから仕事のチャンスを持ちかけられたりします。

私の場合は、学生ビザで滞在期限がある留学生であること、企業によるビザサポートが必要なこと、ビジュアルエフェクトの仕事の経験がまだ無い、などをリクルーターたちに相談し オーストラリア内でビザサポートをしてくれそうな会社を何社か教えてもらいました。

他にもLinkedIn などのビジネスSNS、TAFEの先生に教えてもらったサイトなどを使い、オーストラリア以外にも、カナダなどを中心に会社のリストを作り、応募できるだけ応募しました。

その中で2社からジョブオファーをもらったのですが、RSPのアーティストなどにもジョブオファーの内容などを相談した上で、1社に決めて無事に就職先を得たことになります。


大学で出会って刺激を受けた人、影響を受けた授業、など教えてください


RSP はオーストラリア国内でも1番と言っていいほど規模の大きな仕事を受注しているので、公開前の映画のミーティングを傍聴できる授業があったりします。VFX技術者としては、とても刺激になります!

アーティストたちが細部までこだわって、いろんなアイディアが飛び交う空間に身を置ける授業は 南オーストラリア大学と Rising Sun Picturesのコラボのコースでしか体験できないと思います。


これから留学する方たちへメッセージを!


コロナの状況において、留学したくても困難であったり、留学しても絶望的に思える時がたくさんあると思います。でもそのぶん楽しいことも待ち構えているので、自分の勉強したいことを追い求め、自分のなかの芯をしっかり持ち、勉強にたくさん打ち込んでください。

スタッフからのコメント

TAFE SAで学んでいる間は、私は全くの初心者から始めたので・・・と言っていた千遥 さんが、オーストラリア大学院を終え、現地企業からジョブオファーをもらうまで頑張られたことに感激しています。あと少しでSA州アデレードを離れ、NSW州バイロンベイに移動されます。VFXアーティストとして道を歩まれる 千遥 さんを今後も応援しています!
豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号I009)
オーストラリア歴は24年目になりました。QLD州、NSW州、SA州の主要都市で仕事と生活していましたので、都市の違いから皆さまの目的に沿ったベストなアドバイスを心がけています。 このカウンセラーに質問する

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