池田さんの留学プラン
2017年10月〜12月 | レクシス・イングリッシュIELTSコース10週間 |
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2018年1月〜7月 | カーティン大学付属語学学校進学英語コース24週間 |
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2018年7月〜11月 | カーティン大学付属語学学校英語ブリッジングコース17週間 |
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2019年12月 | カーティン大学Abbreviated Bachelor of Science (Physiotherapy)入学 |
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※池田さんが学ばれているAbbreviated Bachelor of Science (Physiotherapy)は通常4年間のBachelor of Science (Physiotherapy)コースを3年間で修了する、海外の理学療法資格保持者向けのコースです。池田さんはカーティン大学付属語学学校をトップレベルの成績で卒業し、理学療法コースに入学をされました。
理学療法学科で学ぶために必要なスキル
Abbreviated Bachelor of Science (Physiotherapy)をスタートしたものの、すぐ、このコースで学ぶには英語コミュニケーション力が欠かせないと感じ、とにかくマラソン大会や、バスケットボール、陸上のスポーツトレーナーのボランティアなど、学外での活動を頑張りました。
マラソン大会でのマッサージのボランティアは、カーティン大学の掲示板に情報が掲示されていたのですぐコンタクトをし、そのシニアフィジオの人からネットワークが広がり、オーストラリアの陸上全国大会がパースで開催された時には、西オーストラリア州代表チームのスポーツトレーナーとして参加しました。
またオーストラリアン・ルール・フットボールのスポーツトレーナーとしても仕事をし、試合中、肩、膝を怪我をした人のテーピング、マッサージなどの手当、その後チームのクリニックに症状を伝え、引き継いでもらうという仕事もしていました。
ネットワーク、コネクションが広がった理由の一つに、仕事のオファーをもらった時に絶対にNOと言わなかったことも大きかったと思います。後はハードワークをする人間性の部分も見て評価してもらえたと思います。
フィジオセラピーコースの授業
日本の理学療法の授業内容より、どちらかというと深く学びます。例えば、日本の心臓血管系の授業では心電図を読む、どんな症状が出るという大雑把な最初の入り口のみ学びますが、オーストラリアでは病理学的な知識を得るところまで学びます。
また日本では未だにフィジオ個人の経験やエビデンスに基づいていない治療などが多く、患者さんが受け身になることが多いですが、オーストラリアではいかに患者さんにアクティブにいてもらうか、そのためにどういうことをしなければいけないかなどを、エビデンスを元に論理的に説明を交えながら行います。
はじめは、「今までやってきたことはなんだったんだ」と日本で学んだことを否定された感じがしたものの、今は日本の個人個人を見て人と向き合って治療する方法とオーストラリアの統計やエビデンスベース、論理的にフォローを見て判断する方法の、お互い良いところを取り入れようと前向きな気持ちで取り組んでいます。
実際の授業内容を仕事で活かせた!
筋骨格の授業、Peripheral Musculoskeletal Science(末梢筋骨格科学)で学んだベーシックな知識が実際の患者さんにマッチし、自分の日本のフィジオセラピーの知識を応用できた、自分の中で発見のあった科目でした。勉強の中には現場で使えないこともあるけれど、その中でも応用ができた楽しい学科でした。
池田さんが1年目後期にとっていた科目一覧
特に、今の仕事上、スポーツから起こる、筋肉系、外傷、脳震盪、脊髄系の怪我など、タックルから起こるフレッシュな怪我の対応が多く、そこからどうトリートメントしたか、レポートを書いてシニアフィジオセラピストに送り、引き継ぎます。
トリートメントした人がコンディションよくプレイしてくれ、「よかったよ、有難う」と言ってくれる人もいて、やりがいを感じています。
コロナ禍でのオンライン授業で一苦労
コロナウィルスのため、オンラインでの授業が導入されましたが、英語のハンデからオンラインでのディスカッションに入っていけなかったことがショックでした。留学生も公用語が英語のシンガポールやマレーシアからの留学生で自分よりずっと英語ができ、基本第二言語でフィジオセラピーコースを学んでいるのは自分だけという環境。
でも、友達にずいぶん助けられました!夏のコースで仲良くなったオーストラリア人とシンガポール人の学生に課題の文法をチェックしてもらったり、実技の英語の表現を「こう言ったらいいんじゃない」と直してもらったり、助けてもらってばかりです。
周りの学生は優しい対応をしてくれる学生が多く、留学生活を通してよい出会いに恵まれています。
英語に関しては今も難しく感じることがありますが、実技のテスト(オスキー)で自分が患者さん役をやっていた時、相手の学生が自己紹介で震えて、全く口が動いていない、指も震えていたのを見た時、オーストラリア人学生も同じコースを学ぶ学生で緊張するのは同じ。
英語が完璧じゃなくてもやることができていたら大丈夫なんだと、患者役になって初めてわかりました。
自分にとってこの気づきは大きく、大学や学外での活動にも自信が持てるようになりました。
実力を認められるフィジオセラピストになりたい
最初はコミュニケーションで苦労していても、自分の患者さんのスポーツ選手にいいトリートメント、正しい処置をし、いいプレーができるようなコンディションになったら理学療法士としてのスキルが認められる。
今はカーティン大学での初年度が終わり、あと2年間、学外での活動にもより力を入れ、フィジオセラピー業界でのネットワーク作りを積極的に行っていきたいと思います。