【体験談】グローバルに働くために!~アデレード大学 MBA 留学

中本 大貴さん | アデレード | The University of Adelaide | Business and Management | 2年2か月

今回の留学でオーストラリアをお選びになられた経緯を教えてください

オーストラリアの大学院へ進学したいと思ったきっかけは、日本・アメリカの大学での経験からです。昔から英会話に強い興味があったため、高校で英語学習プログラムの「エンパワーメントプログラム」、個別英会話塾、短期留学などを通して英語を積極的に学習してきました。

その後、日本で受験する志望校を選ぶ際に「留学が必須である学部」へ進学しました。在学中には、アメリカのカリフォルニア州・サンノゼにある、サンノゼ州立大学へ交換留学をしました。 新型コロナウイルスの影響で予定より早く日本へ帰らなくなってしまいましたが、留学先では英語力を伸ばすことができました。

一方でカリフォルニア州のサンノゼは、日本人やアジア人の多い地域だったこと、自身のシャイな性格などが原因であまり積極的に文化交流をする事ができませんでした。

そんな大学の交換留学時代のリベンジの意味も含め、オーストラリアのアデレード大学への進学を決心しました。

アデレードを選んだ理由を教えてください

特にアデレードを選んだ理由は2点あります。
1点目は、多くの国籍・背景を持った人々と出会いたいと思った点です。留学前のカウンセリングでは、オーストラリアの中でも、特にアデレードは日本人の少ないエリアであると聞き、まさにアメリカ留学時に経験できなかった出会いの機会に恵まれているのではないかと考えました。
2点目は、アデレード大学が世界的に知名度が高く、質の高い教授・クラスメイトと共に高いレベルの講義を受ける事ができると思ったからです。アデレードは気候も穏やかであり、街がコンパクトで物価も他の都市に比べ低いため、かなり住みやすいというイメージがありました。実際に暮らしてみて、第一印象とあまりギャップがなく、とても快適に暮らすことができています。また、授業では多国籍のクラスメイトと授業内でのディスカッションや、グループ課題など、たくさんの交流機会があり、とても充実しています。


アデレード大学の MBA を選択した理由は?


日本の大学では国際社会科学部に所属し、経済学や経営学、社会学などの社会科学を幅広く学んできたため、どれかひとつの内容を重点的に学びたいと思ったからです。

特にアメリカの大学へ留学していた際、マーケティングの科目をいくつか履修しとても面白いと感じたので、マーケティングを自身の専攻として選ぶことにしました(詳しい理由は後述します)。
アデレード大学のMBAを選んだ最大のポイントとしてGroup of Eightの中で唯一アデレード大学のみ管理職経験なしの新卒でも入学できる MBAコースを開講していたからです。

Group of 8 の知名度の高い大学で、早い段階でMBAを学びたかったこと、MBAの中で、マーケティングを重点的に学ぶことができることは自身の今後のキャリアに貢献すると考え アデレード大学を選択しましたが、その選択は間違いなかったと思います。

MBAコースは一見学術的なコースに思われますが、クラスメイトの前でプレゼンテーションを行う機会が多くあるため、将来企業で働く際に必要となる、実践的なビジネススキルを身につけることもできると考えました。

2年生となった今学期は「eChallenge」という授業を履修しています。この授業では、グループを形成し、そのチームメンバーで「起業」を体験します。組織運営や企画作成、プレゼンテーションなど実際の業務に近い経験を通して、将来ビジネスパーソンとして働く際に必要となる経験を学生のうちに得ることができると思います。


アデレード大学の MBA について詳しく教えてください


MBAはMaster of Business Administrationの略で、日本語に翻訳すると「経営学修士」です。
MBAの名前自体は有名なので、ご存知の人も多いと思いますが、将来、会社を経営する際に必要となる全ての知識を幅広く学んでいくコースとなります。

アデレード大学の場合、1年間は3学期に分かれており、1学期間で3科目履修していきます。具体的な学習内容として、、、

■企業のトップとして組織を運営するための、
・組織論
・リーダーシップ
・経営戦略
■企業の内部運営のための
・ビジネス法
・会計学
・財務
■業界・他社・社会全体を分析するために、
・経済学
・マーケティング
・ビジネスリサーチ

などを2年間かけて学ぶように設計されています。

組織を運営する際、正しく社員を導くことができなければ、組織として機能しません。会計・財務の知識がなければ、現在の企業の状況を正しく把握できません。法律はその国毎に異なり、それらを遵守する行動を取らなければなりません。マーケティングや経済学は、企業が商品やサービスを人々に販売する際、消費者の行動を分析するために必要不可欠な要素です。

アデレード大学の場合、上記のMBAの基本軸の授業に加え、自身の希望する専攻をより深く学ぶことができます。この最大のメリットを、私はMBAでマーケティングを専攻しています。


MBA で専攻 Marketingを選んだ理由を教えてください

マーケティングを専攻した理由は、大学時代に学んだ社会科学の科目の中で特にマーケティングに興味があり、面白みを感じており、大学在学時は、JAL、SONY、Final (日本のオーディオブランド)のブランディングやマーケティング戦略の分析に取り組んだこともありました。

MBAのマーケティング専攻は、理論に基づき、ある特定の商品・企業・ブランドの分析を行います。
一例ですが、マーケティング分析の基礎手法として、4P分析というものがあります。
4Pとは、Price、Place、Product、Promotionの4つの共有の頭文字のPから成り立っています。ある製品を、価格、流通(どのように生産し、どこで販売するか)、商品、プロモーション(どのような方法で販売するか。例‥初回購入特典、割引など)の4つの視点で分析する基礎的なマーケティング分析の手法です。

例えば、SONYのワイヤレスイヤホン(WF-1000XM5)を4P分析すると以下のようになります。
Price: 41,800円。平均的なワイヤレスイヤホンより価格高め。
Place: マレーシアで生産し、世界各地へ販売。
Product: 音質にこだわっている。世界一のノイズキャンセリング性能。
Promotion: 世界各地の家電量販店、自社オンラインサイト(アカウント保持者専用割引クーポンあり)

これらのようにマーケティングの面白い点は、自身の身近な企業や商品に関して分析をすることが可能なところです。

周りにある商品やサービスに関して、企業がどのような戦略をとっているかだけでなく、経営が難航している企業に対し、改善点を見つけ出すことが可能となります。文系科目の中でも、特にリサーチが必要な科目となりますが、その分、実際に自分で調べ、分析することが得意な方・好きな方にはピッタリの科目・専攻ではないかと思います。

MBA1年間で 特に面白かった科目、そして苦労した科目、その授業内容は?


■People and Organisation(組織論)
この科目は前学期(2023年5月〜、3学期目)履修した科目です。
この授業では企業で働く際、組織としてどのように働くのか、どのような点に注意しなければいけないかを学びました。

期末試験はないため、成績は週間の小テストと3つのエッセイ、出席点で決まります。特に3つのエッセイのうち、2つは個人課題、最終課題はグループ課題となっています。

私がこの授業を気に入っている理由として、この前学期に履修していたProject Leadership and Communication(プロジェクトのリーダーシップとコミュニケーション)で学んだ内容をさらに細かく分析し直すことで、質の高い論文に仕上げる事ができたからです。この授業の教授からいただいたフィードバックを基に、内容を改善することによって、高い評価をいただく事ができました。

この科目は日々の授業では、組織行動論、個人による仕事の取り組み方の違い、グループ・チームの特徴、組織文化、リーダーシップなど、様々な観点から組織運営の重要性をディスカッションと講義のハイブリッド型の授業で理解を深めます。実際に自分の考えをクラスで共有した際、教授に深く興味を持っていただけたので、とても内容の濃いディスカッションを行うことができました。

また課題では、まず個人の違いに関する論文を英文1000字で執筆しました。
ここでは、自身の過去の経験(塾講師のアルバイトを例に挙げました)、性格分析(16 Personalities)を基に、いくつかの理論と組み合わせ、自身の仕事に対する取り組み方を分析しました。
この課題で自身の今までの経験・性格分析の内容をうまく理論と結びつける事ができたためクラストップの評価をいただく事ができました。

2つ目の個人課題では、チームで働く際、個人の成長とチームワークのバランスのどちらを優先するかという内容の論文を1500字で書き上げました。前回の課題と異なり一般的な内容の論文だったため、理論と自身の意見を紐づけるのに苦労しました。そして最後のグループ課題では実際のビジネスパーソンを1人取り上げ、なぜリーダーとして失敗してしまったのかを分析しました。2000字を5人で執筆したため1人あたりの作文量は個人課題に比べ減ったものの、皆の取り上げた理論・意見を1つにまとめ上げるのに難航しました。
このように以前習った内容を再活用し、他の科目にも応用できる点がMBAの面白い部分の1つだと思います。

■Economic Principles(経済学基礎)
2つ目に面白いと感じた科目は経済学です。
経済学は主にミクロ経済学・マクロ経済学に分かれています。
ミクロ経済学では消費者の需要・供給、それを基に市場価格の決定や企業の意思決定の仕方を分析し、マクロ経済学ではGDP、失業率、金融・財政政策、成長率など、経済全体を分析します。

日本の大学とアメリカの大学では経済学を中心に学んでいたため、もう一度学び直す形で履修しました。授業は完全に講義でしたが、毎回の授業ではグループで練習問題に取り組みます。この授業では週間の小テストと2つの個人エッセイ、出席点、そして期末試験で成績が決まります。

今回特に面白いと感じたのは2つの論文にて、ある特定の商材・企業に関して分析することができた点です。1つ目の論文では日本のスマートフォン市場の需要と供給の分析を1000字で記述しました。

コロナ禍(2020〜2021年)においての価格弾力性を集めた価格や販売量のデータを基に計算して求め、その理由を実際の日本市場に当てはめて考察しました。簡単にまとめると、需要曲線が右にシフトし、供給曲線が左にシフトしたため、均衡価格の上昇につながるという事象をデータを用いて証明する事ができました。今までは需要と供給の分析を自身で行った事がなかったため、さらに理解を深める事ができたと思います。

2つ目の論文は、日本の国内線における航空市場を分析しました。ここでは、大手2社の日本航空(JAL)と全日本空輸(ANA)を主たる要因とし、航空会社の数、サービス帯の違い、市場参入の難易度から、寡占市場(ある商品やサービスにおいて少数の売り手しかないこと)であると定めました。また「囚人のジレンマ」という理論を用い、寡占市場の特徴と日本の航空市場がどの程度一致しているかを考察しました。日本の航空業界にとても興味があったためこのトピックを選んだものの、仕組みが少し複雑だったため理論とのすり合わせに苦戦しました。

期末試験は、授業で習った理論を正しく覚えられているかを選ぶ選択肢式の問題と習った理論を用いてケーススタディを説明する事ができるかを問う小論文問題の二段構成でした。
小論文問題では、「与えられた状況において、今後どのような金融ないし財政政策を取るべきか」を問われ、今まで習った知識をアウトプットする練習を日頃から行うことの重要性を痛感しています。

■Accounting Essentials(会計学)
アデレード大学のMBAコースで一番苦労した科目は会計学です。
会計学は私がアデレード大学へ進学して初めて履修した科目で、さらに大学で会計学を学んだ経験が浅かったので、理論を覚えるのにとても苦労しました。

成績は中間試験、グループ論文、そして期末試験で決まります。特に期末試験は成績の半分を占めており、資料の持ち込みが可能となっていますが、多くの情報を限られた時間の中で処理する必要があります。

日々の授業は講義と練習問題を繰り返す形で行われました。基礎的な会計理論から学び、学期の後半では実際に習った理論を用いてどのように貸借対照表を作成するかを学びました。

オーストラリアでの初めての講義だったため、日々の授業に慣れるのがとても大変でした。習っている内容自体も日本語で習っても難しい内容だったため、会計用語を日本語で検索するだけでなく、それらがどのような意味なのかを理解するまでにかなり時間を要しました。


中間試験はオンラインで行われました。選択式の問題で、理論を確認するのみだったため、そこまで難易度は高くありませんでした。ここで高い成績を取ることができたため、なんとかこの授業をパスできたのではないかと思います(笑)

グループ論文はある1つのオーストラリア企業の年次報告書を教授から与えられ、その企業に関しての会計的分析をするというとても難しい課題が与えられました。企業の年次報告書から必要な情報を抽出し、この企業の会計的収益性、効率性、流動性、負債比率、投資を計算・分析しました。これらのデータを用い、企業がどの程度のパフォーマンスをしているかを考察しました。

今まで会計学をここまで深く学んだことがなかったため、この課題はとても貴重な経験となりました。
特に苦労したのは期末試験です。

先程も述べましたが、資料を持ち込むことのできる試験ではたくさんの情報を限られた時間内に処理しなければなりません。最終週の授業では、期末試験に出てくる問題の類題に取り組みました。しかし授業全部が試験範囲であり、1授業あたりのパワーポイントのスライド数がとても多いため、授業内容の復習だけでさえ膨大な時間を費やす必要がありました。また中間試験と異なり、選択肢問題は一切出ず、キャッシュフロー、損益計算書、投資に関する計算問題と小論文で構成されていました。特に理論を述べる問題は少数で、ほとんどはケーススタディが中心でした。あまり良い点数は取れませんでしたが、中間試験と課題に助けられ、なんとか乗り越えることができました。

■Business & Corporations Law(ビジネスと会社法)
2番目に苦戦した科目はビジネスと会社法の授業です。
の科目では、企業を運営するための法律を学びます。

オーストラリアにて企業を設立する際の手順、ルールが決まっているので、それらを学ぶことにより、将来オーストラリアで起業する際や企業を運営する際の最低限の知識を身につけることができます。この授業は他の授業と異なり、スケジュールが不規則でした。

奇数週はオンラインで講義を聞き、偶数週は対面で前週に習った内容をより実践的に理解するための演習を行います。

成績は小テスト2回、中間レポート、そして期末テストで決まります。
小テストはビジネス法に関する理論や法律が制定されるまでの経緯(歴史)に基づいた選択式の問題が出題されました。難易度は高くなく、成績に占める割合も大きくありませんでしたが、今思えば、ここで成績を落とさなかったのがこの授業をパスできた要因だったと思います。

講義では、基本的な法律の内容、その内容を制定した経緯を学びました。オンラインで行われたため、授業時間外でも授業を受けることができたのが利点な一方、教授に直接質問できなかったのも難点です。

ただ、演習にて、具体的なケーススタディをいくつか与えられたため、どのように法律の何条・何項を参照しなければならないのかを理解することができました。

学期の前半はあまり授業内容を理解できていなかったため、課題の論文にあまりうまく取り組むことができませんでした。

課題の内容は、いくつかの与えられたビジネスのケースに対し、法律の何条・何項に違反しているか、それに基づいて企業は何をしなければいけないのかを分析するというものでした。あまり法律の内容を理解できていなかったため、うまく条項を当てはめられず、良い評価を得ることができませんでした。


期末試験は会計学と同様に資料の持ち込みが可能で、多くの情報を処理する必要がありました。ただし、この授業に関しては2週間ごとに授業内でケーススタディをしており、試験問題がその内容と類似していたため、そこまで苦戦することなく取り組むことができました。

具体的な内容は中間試験のような簡単な選択肢問題が少し、そしていくつかの会社法に関するケーススタディに対しどの法律のどの条項を当てはめるかを述べる小論文問題がほとんどでした。試験前は友人と共に協力し、ケーススタディをディスカッション方式で理解し合うことにより、頭の中でそれぞれの法律の意味を理解することができました。この授業の教授は特に生徒に対し積極的に指導してくださり、皆にとってあまり馴染みのない法律の授業をよりわかりやすく、想像しやすく教えてくださったのにもとても感謝しています。

現在、MBA2年生で取り組んでいることについて詳しく教えてください

現在は2科目のみ履修中です。
通常は3科目履修するのが基本ですが、今学期と来学期のみ2科目だけ取るようにあらかじめデザインされています。

今回履修している科目は、Strategic Brand Management(戦略的ブランド経営)とeChallenge(インキュベータープログラム)です。

ブランドの戦略的経営の授業では、前学期に履修したMarketing Management(マーケティング経営)の内容に関して、企業のブランド戦略に特化した科目となっています。例えば、オーディオ商品では、世界の中で特にBOSEやSONYが上位のマーケットシェアを誇っています。これらのブランドを利用している顧客は、ブランドの持つ長所や特徴に対して既に信頼が確立されています。そのような中、新たな企業・ブランドが市場に参入する際、破壊的イノベーションが必要となってきますが、そのブランドという観点から企業のマーケティング戦略を学ぶ科目になっています。

そして「eChallenge」はアデレード大学のMBAコースの目玉授業と言って良いと思います。

eChallengeを簡単に説明すると、クラス内で2〜4人のグループを作り、起業や新規企画を0(ゼロ)から創り出すという授業です。

他の科目では幅広い経営学の知識や自身の専攻内容の知識を蓄えるインプット中心の授業スタイルでしたが、アデレード大学のMBAの eChallenge では、新しく起業・新しい企画立ち上げを促すアイデアを作るための座学を講義式に学ぶだけでなく、グループ内外の様々な初対面の人々との円滑なコミュニケーション・組織運営を支えるためのアイスブレイク活動も行いますので、 ビジネスにおけるアウトプットもかなり鍛えられます。

メインとなる授業内容は、グループで新しい企画を立ち上げる活動内容です。そのためには週に3時間の授業内だけでなく、それぞれの可能な時間に集まり、綿密に話し合う必要があります。

また、誰とグループを組むのかもとても重要になってきます。企業や新規企画を立ち上げる際、グループメンバーの得意不得意を理解し、互いの得意な部分を発揮し、苦手な部分を補い合うことが求められます。

そのため本学期が始まる以前に既にグループを組むようにしていました。私のいる eChallenge のグループメンバーは、それぞれとても多彩な経験を持っています。
ITコンサルタント、ソーシャルワーカーなどといった既に社会の最前線を経験してきたメンバーなので、多角的な視野を持っているので新卒でMBAに進学した私にとってはとても心強いメンバーです。

また私自身はマーケティング専攻のため、企業・企画のマーケティング戦略を練る際は、グループに貢献していけるよう取り組んでいます。

アデレード大学のMBAの教授陣についても詳しくおしえてください

教授方は全員とても知識量が多く、難しく複雑なビジネス科目を、生徒が興味を持って積極的に学ぶことができるよう、努力して教えてくれます。

アデレード大学のMBAの教授は必ず、授業内に生徒同士でディスカッションを行う時間を設けられており、グループ内で出た意見を発表する機会があります。
日本の大学では1人の発表に対し、複数の質問ないしフィードバックを行う教授は多くない一方、アデレード大学の教授陣は、会話をするように生徒の意見に対して何かしらのリアクションを必ずとってくれます。

そのような何気ない会話の中から、自分自身、ある理論に対する新しい視点や考え方を得ることができたりします。

例えば、組織論の授業で私がディスカッションで発言したアイデアをクラス全体に共有した際の話になりますが、日本人の視点で企業におけるチームワークの特徴を分析したため、とても教授が興味を持ってくれたことがありました。
その教授は香港の方で、日本の企業文化に理解のある方で、私の分析に共感してくださると同時に、周りのクラスメイトにも伝わりやすく噛み砕いて説明してくれたことです。

特に印象に残っている教授は、ビジネスと会社法の教授です。これは1年目で特に苦戦した科目です。

この教授は法学部の所属なんですが、MBA向けに開講されている本科目のコースコーディネーターのため、生徒のほとんどが法律を学んだことがないことを把握済みでした。
課題の採点に関してはとても厳しくチェックしていたものの、期末試験前最後の授業では、期末試験にてどのような内容・問題が試験範囲となるかを詳しく解説してくれたり、希望者に対しては、対面・オンライン両方の形で教授に直接質問する機会がありました。

もちろん個人質問の機会は利用させてもらったのですが、試験範囲でわからなかった内容を聞くことができただけでなく、どの内容が重点的に問われるか、試験範囲をどの順序で勉強すればより効率よく準備できるか、私が期末試験への不安を抱いていることに共感し、緊張せずに臨むことの重要さを教えていただきました。

ビジネスと会社法の教授は学生目線に立って面倒を見てくださったため、とてもリラックスした状態で試験に臨むことができました。中間課題で足を引っ張ってしまったものの、期末試験で挽回することができたのは、教授による手厚いサポートがあったからだと強く思います。

もちろん、どの教授も、授業内容に真摯に向き合ってくださりますし、こちらが熱意を持って質問・相談すれば全力で答えてくれる方々ばかりです。

2年生の今学期に 履修している戦略的ブランド経営の教授も、今までの教授以上に積極的に生徒の意見を取り入れる講義スタイルをとっておられます。

また、eChallengeでは、複数の教授が一丸となってグループワークをより良いものに仕上げていくために数々の視点を生徒に共有してくれます。

このような積極的で献身的な教授の元で経営学を学ぶことで、いかに本学が質の高いビジネススクールであるかを再認識させてくれます。海外大学に進学したことがなく、不安に思っている方でも、安心して学生生活を送れるのではないかと思います。

普段どのくらい勉強していましたか?授業でわからないことがあったらどうしてますか?

普段勉強する際は、授業を除き1日3時間程勉強するようにしています。ほとんどの授業が週単位で小テストがあるので、授業の復習に1時間費やします。

次週の予習には2時間かけます。教授が既に共有している授業スライドを読み、わからない部分を日本語で確認し、細かい内容を教科書から理解を深めます。

大学の図書館のウェブサイトから教科書を確認できるため、購入することなく学習できるのはとても大きなポイントです。試験が近づいてきた際は、追加で2時間から4時間程準備に費やしています。

私は大学生用アパートに住んでいるため、大学の図書館だけでなく、アパートの自習室で勉強することができます。そのため日によって勉強する場所を変えて気分転換しています。

授業では周りの生徒に比べて英語力に差があるため、わからない部分が出てきます。その際は教授に積極的に質問しています。

授業は1科目あたり基本3時間なので10〜20分の休憩を取るので、その間にわからなかった部分を洗い出し、その日中に解決するようにしています。
また英語力が高く、知識量の多いクラスメイトとディスカッションをすることで互いの理解を深めるようにしています。私は大学で経済学を学んでいたので、経済を友達に教える代わりにあまり経験のない会計学や財務を教えてもらいました。

(MBAのクラスメート達)

アデレード大学での1年目を振り返ってどうでしたか?一番うれしかったこと(驚いたこと)は?


自分自身を見直すきっかけがあっただけでなく、学業以外の内容に関して深く話し合う機会がありました。そのため、自分の長所短所を見つめ直し、得意な部分は活かし、苦手な部分は克服することができるようになったと感じています。特に自分自身が変わったと思う点が2つあります。

1つ目は、より多くのアイデアを思いつくようになったことです。アデレード大学への進学を通し、自身を見直す事ができたため、今年の6月から日本企業のオンライン短期インターンシップに応募し、いくつかのプログラムに選ばれる事ができました。

大学時代は自分の意見を頭の中でまとめ、相手にわかりやすく伝えることが得意ではありませんでしたが、今回のインターンシップでは、積極的に意見を発信し、自身のグループに貢献する事ができたのではないかと感じました。このようになったきっかけは、周りの友人の積極性を日々の授業で目にしたからだと思います。日頃の会話からも常に周りを観察し、考えることができるので、私自身それができるように日々の授業の中で試すように心がけました。

母国語でない英語で行うため、始めはうまく自分の意見を伝える事ができなかったですが、今年の3学期目(5月〜)から徐々に即興で聞かれた質問に対しても、自身の意見を発信できるようになりました。その日々の積み重ねがインターンシップでも発揮されたのではないかと思います。


2つ目は、観察力が身についた点です。
チームで何かに取り組むことにやりがいを感じていたため、周りを見渡す力を養いたいと進学前から考えていました。

特に仲の良い友人は全員観察眼に優れており、何が重要なのかを何度か訪ねました。すると一貫して言っていた事は、「相手のことをより深く知ろうとする事が重要」という内容でした。

今までは初対面の人に対し、自身のシャイな性格が相手のことを知ろうとする行動を抑制していました。そこで常日頃から新しく出会う人々に積極的に話しかけるように心がけました。すると、その人がどのような性格なのか、どのような物事の考え方を持っているかを推察する事が段々とできるようになりました。

この成長が感じられたのは、日本企業のオンラインインターンシップでのことです。
特に1日〜2日のオンラインでのインターンシップでは、初対面の人と短時間で1つの企画を練ることが求められるので、相手のことを短時間で知ることは大切です。
日本企業のインターンになるので、日本語になるのですが、グループメンバーの性格・特性を理解することができ、質の高い企画を練ることに成功しましたことが、観察力がアップしたと実感しました。
(オンラインなので対面の会話やワークと勝手が違ったため、苦戦したことは確かですが、今までの自分から考えれば大きな成長です。笑)

次の1年は、これらの力だけでなくより多くのビジネススキルを、日々の授業だけでなく海外での日常生活からも得ていきたいと思います。


アデレードでの生活について。週末などお休みの日はどのように過ごしていますか?


アデレードでは学生用アパートに住んでいます。普通のアパートに比べ料金は高めですが、家賃に光熱費が含まれているのでお湯の量や電気代を気にせずに使えるのが気にいっています。

他の大学寮に比べはるかに家賃が安いのにも関わらず、自習室やムービーシアター、屋上テラスなど、様々な施設へのアクセスがあるのも特徴です。

(日本のカレーを作って友人に振る舞いました笑)

休日は1人で過ごすこともあれば、友人とどこかへ出かけることもあり様々です。普段休日に出かける際は、ビーチに行ってノンビリ、リラックスしに行くことが多いです。


卒業後はどんなキャリアを考えていますか?その理由は?


まだ具体的な卒業キャリアを想像できていません。
ただ、アデレードにきて1年を終えた今言えることは、「グローバルに働きたい」というのが自分の中でいちばん重要な軸だということです。

「グローバル」というと、海外で英語を使って働くということを思い浮かべることがほとんどだと思いますが、アデレードでの大学院生活、普段の生活、そして日本企業での短期インターンシップを通して感じたことは、「様々な経験を持つ人と働くことの新鮮さ・楽しさ」こそがグローバルに働くことの真髄だと自分は考えています。

現在、卒業後のキャリアプランとして大きく分けて2つ考えています。日本を軸に就職か、オーストラリアを含めた海外で就職か?ですが、この1年間、尊敬すべき教授陣とクラスメート、そしてインターンシップなど、そのすべてが 今後の選択において、とても貴重な経験だったのではないかと思います。2年目の今学期からは、オーストラリア企業の中長期インターンシップやアルバイト経験を積んでいくことを重点的に、学業と両立していこうと思っています。


最後に、オーストラリア留学を検討中の方へメッセージをお願いします

留学は楽しいことだけでなく、辛いことも多いです。

それでも、多くの困難を乗り越えることで手に入れることのできる貴重な経験は、みなさんの人生をより鮮やかに彩ってくれると思います。

また、一生交流を持ち続けたいと思うかけがえのない友人と巡り合うことができます。

苦楽を共にし、支え合い、理解し合うことのできる友人を持つことは、みなさんの英語力向上につながりますが、それよりも大事なのは、人と繋がることの充実感、楽しさ、嬉しさをより感じることができる点です。

オーストラリア、アデレードに留学したいと思うきっかけはなんでも良いです。英語力を伸ばしたい、多国籍の友達を作りたい、将来は海外で働きたい。みなさんがそれぞれ持っている「自分のやりたいこと」を忘れずに、それを達成することができるよう「自発的に、積極的に」行動することができれば、みなさんのオーストラリア留学は必ず成功します。

私のアデレード大学MBAでの経験が今後のみなさんのオーストラリア留学の参考になれば幸いです。Have a wonderful journey in Australia!!
豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号I009)
オーストラリア歴は24年目になりました。QLD州、NSW州、SA州の主要都市で仕事と生活していましたので、都市の違いから皆さまの目的に沿ったベストなアドバイスを心がけています。 このカウンセラーに質問する

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