栄養士(Dietitian)とは
栄養士は、栄養に関する高い知識を持ち、人間が生活する上で欠かせない、栄養管理をサポートするのが主な仕事です。しかし、日本の栄養士制度とは若干仕組みが違い、オーストラリアでは食品衛生などを管理する栄養士はいません。全ての栄養士は、医療機関で働くための技術と知識を身につけます。具体的仕事内容としては、以下が挙げられます。
- 傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導
- 傷病者の身体の状況、栄養状態等に応じた高度な栄養知識の提供
- 傷病者の健康回復のための栄養の指導
- 特定多数人に対して継続的に食事を提供する施設における利用者の身体、栄養状態管理
- 施設利用の状況に応じた、特別な配慮を必要とする給食管理
- これらの施設に対する、栄養改善上必要な指導等
今、オーストラリアでは、この
栄養士(Dietitian)を目指す留学生が増えています。これはオーストラリアの栄養士需要が増えているほか、スポーツコーチングの分野を目指す方達の間でも、Dietitian(Sports)や、Sports Scienceとして、栄養士資格が注目されているためです。
オーストラリアで栄養士になるために
オーストラリアで栄養士として働くためには、オーストラリアの栄養士資格団体となる、
DAA(Dietitian Association of Australia)の技術査定に合格する必要があります。通常、Nutritionに関する学士コース(4年間)を就学すれば、この技術査定申請資格を取得することができ、この認可コースはいくつかの大学で開講されています。
ちなみに、栄養士の職業査定は他の職種よりも厳しく、DAAの査定合格条件として、英語力の証明としてIELTS7.0ポイント(全モジュール)以上もしくは、OET(Occupational English Test)に合格する必要があります。
栄養士の資格取得後は、オーストラリアで働くことができますが、先述したようにオーストラリアの栄養士は食品衛生などを行なう機会が少ないため、主に医療関係の職場につきます。
現在、もっとも就職率が高い(受入数が多い)のは、州立病院となり、次は個人開業医、民間医療センター、私立病院、教育機関、政府関連機関、介護関連企業と続きます。現在はSOLリストから外れている栄養士ですが、病院や教育機関のサポートを受け、永住権を取得された生徒さんもいます。
NutritionとDietitianはどう違うの?
オーストラリアでの栄養士資格はNutritionist、およびDietitian (最近はMedical Nutritionistと呼ぶこともあります)という職業があり、それぞれの資格、規定などが異なります。
Dietitianは通常大学の学位を必要とし、医療をベースとしている部分が多く総合病院などで資格を持ったセラピストとして働くことが可能です。
Nutritionistは一般的にもう少し自然療法よりの考えが強く、体全体へのアプローチをします。もちろん勉強が重複している部分もたくさんあります。
栄養士(Nutritionist)とは |
Nutritionist(栄養士)は一般的に自然療法の考えが強く、体全体へのアプローチをします。
Dietitianと勉強する内容が重複している部分もたくさんありますが、Nutritionのコースは専門学校にて学ぶことが出来ます。
栄養学(Nutriotion)では食事療法や医療用の食品・調理、生活習慣、デトックス、断食、サプリメントなどの食品に関する学習します。 |
食事療法士/管理栄養士(Dietitian)とは |
食事療法士/管理栄養士(Dietitian)は、オーストラリアでは医学レベルの職種とみなされ、責任も大きい職種として認められています。
医療をベースとしている部分が多く総合病院などで資格を持ったセラピストとして働くことが可能です。
Dietitianの資格取得となりますと、オーストラリアでの大学で学士号以上の学位を取得する必要があります。
大学でのDietitianのコースでは栄養学、プラス、臨床栄養学、医学的栄養療法、食事管理を主体として学ぶことができるので、「栄養士(Nutritionist)」と「食事療法士(Dietitian)」の両方をカバーすることになります。
Dietitianの資格を取れば、Nutritianとして働くことも出来ますから、オーストラリアで就職を目指されている方は「Dietitian」の資格取得を目指すことをお勧めします。
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栄養士(Dietitian)コースに進むための英語力(入学資格)
Bachelor(学士レベル)の栄養士コースに入学するためには、IELTSのアカデミックモジュールで
7.0ポイントが必要となり、各モジュールで5.5ポイント以下があってはいけません。Master(修士レベル)であれば、
6.5ポイントが必要になります。
栄養士(Dietitian)コースの授業内容
- 有機化学の基礎
- 母子栄養学
- 分子食品学
- 分子栄養学
- 病理学
- 病原微生物学
- 微生物学実験
- 調理学・実習
- 調理科学
- 調理科学・実験
- 生化学・実験
- 数理統計学基礎
- 食文化
- 食品有機化学
- 食品分析実験
- 食品分析学
- 食品微生物学実験
- 食品微生物学
- 食品産業論
- 食品機能学
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- 食品学実習・実験・各論
- 食品学
- 食品化学実験
- 食品衛生学・実験
- 食品安全学
- 食品レオロジー論
- 食生活と環境
- 情報処理演習
- 社会福祉概論
- 社会環境栄養学
- 細胞生物学
- 高齢者栄養学
- 公衆衛生学実習
- 公衆衛生学
- 公衆栄養学臨地実習
- 公衆栄養学実習
- 公衆栄養学
- 健康管理概論
- 基礎栄養学
- 解剖生理学実習
- 解剖生理学
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- 科学英語
- 応用栄養学実習
- 応用栄養学
- 栄養療法学
- 栄養総合
- 栄養情報処理演習
- 栄養実習事前・事後演習
- 栄養教育論・実習
- 栄養学実験
- 栄養カウンセリング論
- 栄養アセスメント論
- 運動と休養の生理学
- バイオテクノロジー概論
- 臨床検査実習
- 臨床検査学
- 臨床栄養学臨地実習
- 臨床栄養学実習
- 臨床栄養学
- 臨床栄養学
- 臨床医学概論
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コース費用は各教育機関によって変わるため、一概にはお伝えできませんが、4年間で、
65,000ドル~100,000ドルとお考えください。同じ4年間のカリキュラムが組まれている、教育学(Bachelor of Education)が平均45,600ドルほど考えると、期間としては高い授業料が必要になりますが、費用に見合う様々な知識を身につけることができます。
栄養士(Dietitian)コースの実習制度
栄養士の分野も、調理師コース同様、実習制度(ワークエクスペリエンス)が組まれています。この点も日本の実習制度と若干違いますが、
給食管理の実習や、衛生管理の実習よりも、医療機関でおこなわれる、臨床現場での実習期間が主になります。
全く英語が話せない状態から、本科コースに進むために必要な期間は?
これも栄養士(Dietitian)コースに限ったことではありませんが、挨拶程度の英語力からIELTS6.0ポイントを目指す場合、
18ヶ月以上は英語学校に通う必要があります。その他、大学のファウンデーションコース経由で入学することもできますが、ファウンデーションコースに参加するためにも、英語力は必要になりますから、やはり、18ヶ月を一つの目安にして頂くのが一番です。
もちろん、英語力の向上は個人差がありますから、余裕を持って英語コースをスタートしましょう。入学基準をギリギリクリアできる英語力で本科コースに入学しても、授業について行くのは大変です。
栄養士(Dietitian)コースについて
栄養士の資格取得を目指されている方で、進学先のコースを決める前に注意して頂きたい点は、一部の大学で開講している”
MASTERコース(修士課程)“についてです。
Master of ScienceやNutritionなどの修士コースは、入学条件として Bachelor of Scieceの学位を保持していることが条件とされます。「2年で資格が取得できるなら、2年で卒業したい」と考えるのは、もっともですが、入学条件となる英語力をクリアできても、Bachelor of Scienceの学位が無いために入学できないことが多々ありますから、ご注意ください。
しかし、栄養士の資格を取得するために「必ず4年間、大学に通わなければならない」と言うことではありません。日本で4年生大学を卒業されている方は、卒業した学部に関わらずオーストラリアの大学に”編入”という形をとることができます。何年目から編入できるかは、学校の査定次第ですから、一概にはお伝えできませんが、通常2~3年目に編入することが出来ます。つまり、最短2年で栄養士の資格を取得することが出来るわけです。
コース名 |
期間 |
入学基準 |
学費 |
ウーロンゴン大学/The University of Wollongong |
Bachelor of Nutrition and Dietetics |
4年間 |
IELTS6.5(全セクション6.5以上) |
$108,000/コース |
Master of Nutrition and Dietetics |
2年間 |
IELTS6.5(全セクション6.5以上) |
$53,600/コース |
グリフィス大学/Griffith University |
Bachelor of Nutrition and Dietetics |
4年間 |
IELTS7.0(全セクション6.5以上) |
$103,680/コース |
クィーンズランド工科大学/Queensland University of Technology |
Bachelor of Health Science (Nutrition and Dietetics) |
4年間 |
IELTS7.0(全セクション6.5以上) |
$109,600/コース
|
クィーンズランド大学/The University of Queensland |
Master of Dietetics Studies |
1.5年間 |
IELTS7.0(全セクション7.0以上) |
$57,870/コース |
サンシャインコースト大学/University of Sunshine Coast |
Bachelor of Nutrition and Dietetics |
4年間 |
IELTS7.0(全セクション6.5以上) |
$109,600/コース
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フリンダース大学/Flinders University |
Bachelor of Nutrition and Dietetics |
4年間 |
IELTS6.5(全セクション6.0以上) |
$101,200/コース |
Master of Nutrition and Dietetics |
2年間 |
IELTS6.5(全セクション6.0以上) |
$60,800/コース |
南オーストラリア大学/University of South Australia |
Master of Dietetics |
2年間 |
IELTS7.0(全セクション7.0以上) |
$53,800/コース |
ディーキン大学/Deakin University |
Master of Dietetics |
1.5年間 |
IELTS7.0(全セクション7.0以上) |
$38,700/コース |
ラトローブ大学/La Trobe University |
Bachelor of Applied Science and Master of Dietetic Practice |
4年間 |
IELTS7.0(全セクション7.0以上) |
$113,560/コース |
Master of Dietetic Practice |
2年間 |
IELTS7.0(全セクション7.0以上) |
$56,780/コース |