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オーストラリアは世界でも有数の、医療福祉先進国といわれています。まず、オーストラリアでは看護教育の中で、患者の権利、プライバシーについて、道徳的・人道的観点にもとづく非常に徹底した訓練がされます。近年、日本の医療現場でも問題にされている 病気の告知、病状の把握、治療の選択(インフォームド・コンセント)などの重要性についても、早くから注目されていることからも、オーストラリアの医療水準の高さを知ることができるといえます。
さらに、「コミュニケーションやケア」といった、看護をする上で必要な{理解と経験」を重視しており、例えば、日本の看護教育に比べると、平均 25パーセント程、臨床研修時間数が多く必要とされます。この他、看護士コース内の、選択科目の幅も広く、日本では医療行為と認められていないアロマセラピー、指圧、リフレクソロジ-、アートセラピーなどの分野もコースの中に含まれています。
また、看護師が医師の指示を待たなくても受け持ちの患者の状態を把握し、自らの判断で責任もって看護行為ができるようカリキュラムが組まれています。そういった看護教育制度がプロフェッショナルでやる気のある、質の高い看護師を送り出しているのです。
日本の看護師資格を保持していない
オーストラリアで看護師(Registered Nurse)の資格を得るには、大学か同等の高等機関において、学士号(Bachelor Degree)以上の学位を取得しなければなりません。看護学士号を習得すれば修士、博士課程など、その上の高等教育機関で学ぶことも可能ですから、高い学歴を目指す人にとって非常にいい環境です。オーストラリアの看護学の学士課程 (Bachelor of Nursing)は3年、修士課程(Postgraduate、Master)1~2年、博士課程(Doctor)2~5年となっています。
看護学士課程では、看護についての理論や概念を学ぶほか、日本の同様のコースに比べるとかなり多くの時間の臨床研修がプログラムに含まれていて、授業だけでは学ぶことの難しい患者とのコミュニケーション・スキルを実習のなかから習得します。 3年間の学士課程を修了し看護学士号を取得したあと、各州の看護登録機関で登録すると看護師としての資格を与えられます。ただ、新卒は実習経験が少ないため、通常卒業後1年間、病院の新卒者プログラムに参加しないと就職は難しいといわれています。
現在では、オーストラリアにある 39校の大学のうち31校が、Bachelor of Nursing のコースを提供しており、コース修了後に看護協会に看護師として登録することができます。 また、看護師に準ずる準看護師 (Enrolled Nurse)の資格は、専門学校、TAFEなどの養成コースで取得が可能です。
日本で看護士資格を保持している
すでに日本で看護師資格を保持している場合には、コンバージョン・コース(Conversion Course)、プレレジストレーション・コース(Pre-registration Course) を修学することにより、オーストラリアの看護師の資格を取得することができます。コンバージョン・コースへの入学資格は、高校卒業資格、英語力(IELTS 6.5程度)、日本での看護経験、日本の正看護資格などですが学校によりことなります。大学によっては日本での専門学校や短大の単位も、ある程度認められるため、最短半年で卒業可能な場合もあります。
例えば、RMIT Universityで開講している、看護学部編入プレレジストレーション・コース(Nursing Pre-registration Course) などは、1年間の修学で卒業後は看護士登録の権利が取得できます。
しかし、注意して頂きたいのは、コンバージョン・プログラムは看護学士の学位をとるためのコースです。同コースを修了したからといって、オーストラリアの看護師の資格が得られるわけではなく、あくまで看護士資格を取得するための条件を一つクリアできるとお考え頂くのがよいでしょう。
オーストラリアで看護師として登録することを希望せず、大学院課程に進学することを目的として、大学の看護学士課程を修了する場合には臨床実習課目を免除されるなど、大学のコースによってはプログラムの内容が異なる場合もあるので事前に確認した方がよいでしょう。
また、オーストラリアの学士号課程に修学せず、オーストラリアの看護師資格を取得する方法もあります。その場合、日本での看護師としての資格、経験、英語力(IELTS 7.0)などを証明する書類を看護協会に提出します。各州の看護協会は提出された書類を審査後し、申請者が登録するのに必要な条件(オーストラリアで臨床実習を含むコースを受講しなければならない、など)を伝えてきます。けれども、この方法は非常にレベルの高い英語力 (IELTS 7.0またはOET: Occupational English Test B)を必要とするため、実際にオーストラリアで学士号を取得せず看護師の資格を取るのはかなり難しいといえます。
先述させていただいたように、各コース終了後は看護師の登録資格が取得できます。しかしコース終了時は、正看護師としての"登録資格"を取得したことになり、その場で看護士として登録されるわけではありません。あくまで働く州にて、看護師登録をする必要があります。
オーストラリアにおいて看護についての規制、規則の統括・管理業務を行うのは看護・助産協議会 (Australian Nursing & Midwifery Council)と呼ばれる団体で、首都キャンベラに位置します。このANMCが中心となり、各州には、それぞれの看護師を統括する看護協会(Nurse Board)が運営され、各看護師(RN:Registred Nurse)は自分の働く州の看護協会に登録する必要があります。
つまり、クイーンズランド州で看護師として働いていても、引越しなどでニューサウスウェールズ州などに移った場合、新たに登録が必要になります。一度どこかの州の看護協会に登録してあれば、別の州に移る際の手続きは比較的簡単に済みますが、切り替え手続きをしなければ、別の州では看護士として働くことは出来ません。また、看護師の登録は毎年の更新が必要で、 5年以上のブランクのある場合には新規登録をしなければならず、大学などで用意されているリフレッシャーズ・コースを受講する必要があります。
この看護士登録には国家試験や資格試験などはありませんが、英語力の証明は必要です。
オーストラリアの永住権を取得したいと考えている人にとって、オーストラリアで看護師の資格を取得することは永住権申請のために非常に有利です。オーストラリアでは現在、看護師の人材が不足しています。そのため、需要の高い職業のひとつとしてIT関連、会計士、通訳などとともに専門職業リスト(Skilled Occupation List)にあげられています。オーストラリアの看護師資格保持者は、技術独立移住ビザのカテゴリーで永住権を申請する際に必要な技術査定で、最高点の60点を取ることができます。
ただし、2003年の改定で、技術独立移住ビザのカテゴリーで永住権を申請する場合、今まで1年間だった高等教育機関での就学という申請のための条件が2年間就学に伸ばされました。1年間の看護学部コンバージョンコース修了ではビザ申請のための条件を満たすことができません。永住権の取得を考えている人は学校選びの際に注意してください。
新卒者技術独立永住権の申請についてのくわしい情報はこちらをご覧下さい。
オーストラリアで学べるNursingコースは、いくつかのレベルにわかれ、それぞれ入学基準となる英語力と修学期間が変わります。具体的には下記コースが用意されており、看護師資格を取得できる、Bachelor of Nursingであれば、IELTS6.5レベルの英語力が必要です。Diploma of NursingやAdvanced Diploma of Nursingであれば、IELTS5.5レベルの英語力が必要とされ、「特に看護師資格は必要ないけど、看護に関して勉強してみたい」という方は、Diploma of Nursingなどがオススメです。このほかTAFEで、CERTIFICATE 4 IN ENROLLED NURSING(日本の准看護師レベル)を学ぶことも出来ます。
| コース名 | 期間 | 入学基準 |
|---|---|---|
| 看護英語(English of Nursing) | 4週間~ | IELTS4.5~5相当 |
| 看護学ディプロマ(Diploma of Nursing) | 1年間 | IELTS5.5 |
| 看護学アドバンスド・ディプロマ(Advanced Diploma of Nursing) | 1年間 | IELTS5.5 |
| 看護学士号(Bachelor of Nursing) | 3年間 | IELTS6.5(TOEFL575) |
| 看護修士課程(Master of Nursing) | 2年間 | IELTS6.5~7.0 |
コースの名称は学校によってことなります。
| 日本の看護資格を保持していない場合 | |||
IELTS 4.5以下 ↓ |
IELTS 4.5-5.5 ↓ |
IELTS 5.5-6.5 ↓ |
IELTS 6.5以上 ↓ |
英語学校 (12ヶ月) |
英語学校 (6ヶ月) |
↓ | ↓ |
| ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
大学看護コース(1年間) Diploma of Nursing |
↓ | ||
| ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
看護学士号(3年間) Bachelor of Nursing |
|||
| ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
州の看護師登録(RN) |
|||
| ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
新卒者技術独立永住権の申請 |
|||
| ↓
合計 5年間 |
↓
合計 4年半 |
↓
合計 4年間 |
↓
合計 3年間 |
| 日本の看護資格を保持している場合 | |||
IELTS 4.5以下
↓ |
IELTS 4.5-5.5
↓ |
IELTS 5.5-6.5
↓ |
IELTS 6.5以上
↓ |
英語学校 (12ヶ月) |
英語学校 (6ヶ月) |
↓ | ↓ |
| ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
大学看護コース(1年間) Adv Diploma of Nursing |
↓ | ||
| ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
看護学士号コンバージョン・コース(1年間) Bachelor of Nursing(Conversion) |
|||
| ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
州の看護師登録(RN) |
|||
| ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
新卒者技術独立永住権の申請 |
↓ | ||
| ↓
合計 3年間 |
↓
合計 2年半 |
↓
合計 2年間 |
↓
合計 1年間 |
| 州 | 各州看護登録機関(State & Territory Nurse Regulatory Bodies) |
|---|---|
| QLD州 | Queensland Nurse Councilhttp://www.qnc.qld.gov.au/ |
| NSW州 | Nurses and Midwives Boardhttp://www.nursesreg.nsw.gov.au/ |
| ACT | Nurses Board of the ACThttp://www.nursesboard.act.gov.au/ |
| VIC州 | Nurses Board of Victoria http://www.nbv.org.au/ |
| TAS州 | Nurses Board of Tasmania http://www.nursingboardtas.org.au/ |
| SA州 | Nurses Board of Sauth Australia http://www.nursesboard.sa.gov.au/ |
| WA州 | Nurses Board of Western Australia http://www.nbwa.org.au/ |