【体験談】大学とラジオの両立で培った勇気と発信する喜び

前田歩さん | ブリスベン | The University of Queensland | Sport and leisure
日本の高校を卒業後、クイーンズランド大学付属語学学校(英語コース)、付属カレッジIES(ファウデーションコース)を経て、現在クイーンズランド大学に在学中の前田歩さん。

父親の影響で選んだSport Science(スポーツ科学部)に入学後、途中からArts(人文社会学部)へ変更した経緯、ブリスベンでの留学生活について話を伺いました。
歩さんの留学プラン
・日本の高校卒業
  ↓
・UQ クイーンズランド大学付属語学学校(英語コース)
  ↓
IES ファウンデーションコース (10ヶ月)
  ↓
UQクイーンズランド大学入学(3年間)

父親の影響でExercise and Sport Sciencesコースへ進学


私はUQ(クイーンズランド大学)に入学した当初、Bachelor of Exercise and Sport Sciences(スポーツ科学)を勉強していました。このコースを目指したきっかけは、小中高通して体育が好きだったこと、そして父親がスポーツに関連した職業に就いているためその影響もあって比較的身近な学問だったことです。

このExercise and Sport Sciencesとは、どのようにアスリートのパフォーマンスを向上させるか、その知識とスキルを学ぶ学問で、例えば「怪我のリスクを最小限にしたトレーニング方法などをSports Sicenceの分野の中でもバイオメカニクスや運動生理学、そして解剖学の観点から探し出す」といったような感じです。

そのため、周りにはスポーツチームの専属トレーナーを目指している人や、Exercise & Sports Science Australia (ESSA)というオーストラリアのスポーツ団体での活動・就職を目指したい人が多くいました。オーストラリア人が多い学部なので、私が在籍していた際、自分以外に日本人には会ったことがありませんでした。日本人が1人ということもあり、学部の人たちと馴染むまでに時間がかかりました。

Exercise and Sport Sciencesコースで履修した授業内容

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Biomecanics
バイオメカニクス
物理の運動力学を元にどう効率よく力をパフォーマンス伝達させるかを学びます
Anatomy
解剖学
骨、筋肉、神経、臓器などの名前、機能、場所などを全て覚えます
Sport Psychology
スポーツ心理学
選手にやる気を出させるためにはどうしたらいいか、など心理的にスポーツを分析します
Olimpics and Paralimpic history
オリンピック・パラリンピックを政治的・セクシュアリティの側面から分析したり、その歴史を学びます

2年生後期からArtsコースへ変更(人文社会学部)


2年生前期までの3学期間 Exercise and Sport Science を専攻していたのですが、2年生の後期にBachelor of Arts (BA 人文社会学部)に変更しました。

Exercise and Sport Sciencesを学ぶこと自体はすごく楽しかったし、知らなかったことを知ることができ勉強していてすごく好きな学問だなと思っていたんですが、やっぱり勉強に費やす時間は他の学部に比べて多く、ストレスになることもありました。

そんな時、自分の将来についてふと立ち止まって考えたとき、Exercise and Sport Sciences だけをこのまま続けるよりも、スポーツの勉強を継続しつつ、且つ、他に興味のあることに時間を割くことができるBacherler of Artsコース(人文社会学部)への変更を決意しました。

ボランティアでラジオのパーソナリティーをやっていたこともあり声の仕事にも興味があったし、高校生の時は心理学の分野にも興味があったので、Bacherler of Artsコースに入ってSports studies と Physchologyの2つを専攻することにしました。

日本の大学では学部変更は難しいイメージがありますが、オーストラリアの大学はそうでもなく、更に私の場合はもともと勉強していたExercise and Sport Sciencesと、現在勉強しているSports Studiesで被っている科目があったので、期間が延びることなく3年で卒業することができます。

Bacherler of Artsコースに変えたことでプレッシャーが減り、時間と心に余裕が出来たので、ラジオで1人生放送にチャレンジしてみたり、今まで一緒に食事に行く時間もなかった人たちと出かけてみたりと、勉強以外のフィールドで新しいことに挑戦したり交友関係の幅を広げることが出来ました。

とは言え、Bacherler of ArtsコースでもSports Studies専攻の日本人はとても少なく私の他に2人しかいないので、友達と協力しながら毎日頑張っています。

科学的・文化的観点で学ぶスポーツ学の面白さ


Exercise and Sport Sciencesが科学的観点から考察するスポーツの学問であることに対して、Sports Studiesは文化や社会学的観点から学ぶスポーツ学です。

更に分かりやすく言うと、スポーツ選手に直接的に関わるのがExercise and Sport Sciencesです。科学的に分析するこの学問では医学的要素を含んでいることもあり、ただ覚えるだけでなく、それを理解、応用して次に繋げる、ということが大事になってくるのでずっと勉強を継続しなければなりません。そのため、それ相応の熱意がないとやり遂げることができないハードなコースであることを身に沁みて実感しました。

一方、間接的にスポーツ選手と関わる分野がSports Studiesです。この学問は何が起こっているのかを理解し、さらにCritical Anaysisとして自分の意見、考え方も同時に考える必要があるので、勉強勉強と追われるExercise and Sports Scienceに比べて楽しく勉強を続けることができると思います。

また、Sports Studiesは Bachelor of Artsコース(人文社会学部)の中の1専攻なので、Sports Studiesと並行してJournalismや Businessを取っている学生もいます。このようにBachelor of ArtsコースでSports Studies+他の分野を組み合わせて勉強している周りの学生は、将来スポーツジャーナリストを目指していたり、スポーツに関連する事業・チャリティーに興味のある学生が多い印象です。

以前、履修した科目の中でスポーツに関する壁画や銅像の分析をする授業があったのですが、それらを見ただけでそのスポーツ選手の功績や歴史のみならず、その時代背景なども答えることができるほど”スポーツオタク”な学生もいて(笑)、周りの知識量に圧倒されましたが、とても興味深く面白い授業でした!

お互いを高め合える友人との知識交換


UQに入ってスポーツの勉強をしていて「これぞ私の憧れていた大学生活!!」となった瞬間があります。UQの同期であるIT専攻の友人がHealthアプリを作るというプロジェクトをしていたのですが、フィードバックが必要ということで私も被験者として参加しました。

その際、日本とのエネルギー量の単位の違いやユーザーのモチベーションを上げる方法など、HealthやExercise、そしてスポーツ心理学のを勉強していた私だからこそできるアドバイスを提供できたのがとても嬉しかったですし、良い経験になりました!

また、Mediaの授業を取っている友人とは、Sports Studiesで勉強した壁画について私自身が学んだ知識と、友人が知っているメディアの表現の仕方における法則などを話して、更にお互いの理解を深め合うことが出来たりもしました。

このように、自分とは違う分野を学んでいる学生と話をすることで情報交換になると同時に、自分がどこまで理解しているのかを表現できる機会にもなります。お互いの知識を交換しあってお互いを高め合うことができるのはとても刺激的です。

UQに入ってから実感した「役に立ったFoundationコースでの授業」とは?


私は、2015年に高校を卒業してブリスベンに来て10ヶ月ICTE-UQ(クイーンズランド大学付属語学学校)で英語を勉強し、2016年にIES College でファウンデーションコースを1年間勉強してからUQに入学しました。

ファウンデーションコースで勉強して今役に立っていることは多くあります。English(英語)とMathmatics (数学)は必修科目ですが、選択授業では私は Biology (生物)、Physics (物理)、そしてBehavioural Science (行動科学)を選択していました。

特にBiologyの授業は、UQでExercise and Sports Scienceを勉強するにあたってすごく役に立ちました。大学一年生の後期にAnatomy (解剖学)を履修したのですが、この科目が大学生活で一番辛い科目でした。もし、この科目を大学に入って初めて触れていたのであれば、私が体験した以上に大変だっただろうなと思います。

基礎である臓器の名前や働き、専門用語をファウンデーションコースのBiologyで学んで知識を習得していたことはUQに入ってからの自信とモチベーションにも繋がりましたし、とても役に立ちました。

Behavioural Scienceの授業は、UQに入ってから履修したSports Psychologyに繋がるものが多くありました。いきなり大学の講義で習っていたら理解するのに苦労していたと思いますが、ファウデーションコースで基礎から分かりやすく教わっていたことは、他の学生に比べてすごくアドバンテージになったと思います。

また、Englishの授業ではEssayを書く上で必要不可欠なReadingとWritingスキルはもちろん、文書の引用の仕方やParaphraseの仕方など、今の大学生活に欠かせないアカデミックな英語のスキルを養うことができました。

これからファウンデーションコースを受講する皆さん!大変で忙しいかもしれないけど、絶対にためになるので休まずIES に行き、わからなかったらとことん先生に質問して行ってください!そのスキルは確実に大学で役に立ちます!

ラジオのブロードキャスターとして学んだ「発信する楽しさ」


2016年8月からカンガルーポイントという場所にある「4EB」というコミュニティーのラジオ局にて、ボランティアでラジオのブロードキャスターを務めています。

4EBは政府のサポートによって運営しているコミュニティーラジオ局で、およそ52ヶ国語の言語で放送されています。

私がブロードキャスターを務める4EB Japanwave 98.1FMというのはその中の日本語放送のプログラムです。友達に紹介されたことをきっかけに始めたラジオなのですが、今では私に取って欠かせないものになっています。

自分の声を公共の電波に乗せて発信することで責任感が生まれると同時に、生放送をやり遂げる度胸もアドリブ力も身につきました!

ラジオを始めて4年が経ちいつしか古株のメンバーになっていたため、2019年からは日本語組のラジオのconvinour (組長) を担当しています。

昔は自分の意見を発言するのは苦手だったのですが、ラジオを通していかに分かりやすく楽しく情報をお届けするかの術を学び、何事にも恐れずチャレンジしていく勇気と、自分で何かを発信する喜びと楽しさを知ることができました。

4年間の留学生活で感じた自身の成長


UQでの大学生活とラジオの経験を通して、自分とはバックグラウンドが全く違ったり、志が高かったり、性別・年齢・国籍に関わらず色々な方々と出会うことが出来、人間的にも成長できたと感じています。

自分が持っていない尊敬できるものをたくさん持っている方達と出会えたことで考え方も変わったし、大人になろう!変わろう!と思うきっかけも多くあったのと同時に、逆に「ここは私のいいところ!」と開き直って強みにすることもできるようになりました。

大学生活も残すところあと1学期間、これからの人生も私自身の好きなことに向かって存分にチャレンジしていこうと思います。
豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号H318)
13歳でのメルボルン短期留学をきっかけに「英語」と「海外」に目覚め、その後カナダ(語学留学)とアメリカ(大学留学)にも留学。卒業後、ワーキングホリデーでオーストラリアへ再渡豪し、オーストラリア留学センターでワーペリ。帰国と同時にオーストラリア留学センター日本窓口が開設され現職へ。留学生を現地オーストラリアで「迎え入れる立場」と日本から「送り出す立場」、両側での勤務経験を通して、双方の視点からアドバイスすることを心がけています。 このカウンセラーに質問する

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