【体験談】理学療法士だからこそ活かせる!マッサージ留学

野口美紀さん | シドニー | TAFE NSW | 1年
以前、TAFEでリメディアルマッサージを受講中の美紀さんの体験談をご案内したのですが、今年6月に無事ご卒業をされました。いよいよご帰国をされる美紀さんに、Diplomaコースの詳細と合わせて理学療法士としての視点でお話を伺いました。リメディアルマッサージを学びたい方はもちろん、留学を考えていらっしゃる理学療法士さんにもご参考にして頂ければと思います!
Certificate4マッサージの体験談はこちらから。

Diplomaコースのクラスメートや先生はどうでしたか?

半年のCertificateⅣのクラスが終わり、数名がDiplomaまで残りました。留学生は3人、他8名は現地の生徒で年齢は21歳から40代までの少人数クラスでした。
やる気がある人たちばかりで、時間を見つけてはクラスメイトから誘われてフレキシブルラーニングセンターでマッサージテーブルを借りてマッサージの練習をしたり、授業の休み時間にアサインメント(提出課題)を助けてもらったり、学校にいる時は積極的にコミュニケーションをとり仲良くなりました。
私は理学療法士という背景から、クライアント(患者)の評価をする際のテストや、筋肉の名前やストレッチ方法などを教えるのが得意だったので、私はそちらをクラスメイトに教えたりしました。





先生たちはCertificateⅣの時と同じで、引き続きリメディアルマッサージのスキルと理論を教えてくれました。

授業の中で一番印象に残っている科目は、教員歴50年くらいの70代のおじいさん先生・フィリップが教えてくれた「ファンクショナルアセスメント」という科目です。この先生は博識で、一番最初の授業で「どうやって人間は記憶を残していくのか」という事を、4時間かけて授業してくれました。科目とは関係ない話なのですが、その話をした理由は、毎年この授業を落としてしまう生徒がいるので、それを懸念したフィリップなりの優しさからでした。
こんな事を授業の第1回目で話す事に対して、最初は”古臭くて面白くない授業だ”という印象を受けましたが、その理由を知ってからは、毎回授業で得られる機能解剖学の内容が深く理解できました。最終的にはこの先生の魅力に引き込まれ、この授業のテストでDistinction(成績Bグレード)を取れるぐらい、いつの間にか大好きな授業の一つになりました。



Certificateの時とDiplomaのクラスの大きな違いは?

授業も課題も突然レベルが上がったことです。
先生たちが話す事もより専門的になり、またオーストラリアの保健衛生面の一般常識などもおりまぜながらの授業になるので、ついていくことが大変でした。課題も一つの質問に対し、A4一枚以上や2000文字以上などの長文を指定される事が多くなり、また、それに加えプレゼンテーションをする機会が増えました。



私が一番Diplomaになり頭を抱えてしまったのが「プロフェッショナルエキスパーティーズ」という主にリサーチをする授業です。
統計学で使う専門用語に統計のやり方、文献のエビデンスレベル(根拠のレベル)を評価する方法、文献の良し悪しの判断方法など、私には一度で理解するのが難しいものでした。最初は質問内容自体を全く理解できなかったので、それをクラスメイトにもう一度説明してもらったり、簡単に意訳してもらったり、先生に何度も質問したり、理解するまでが大変でした。
しかし、何度も考えて調べて質問して、やっと出来た課題を提出した時は“やり直しだ”って思っていたけど、先生からのフィードバックで“意見がまとまっていて素晴らしい課題だった”と言ってもらえた事や、プレゼンテーションの時、先生に“Miki, it was fantastic!, well done!! (美紀、素晴らしかったよ!良くやったね!!)”って言われた事など、苦労した分達成感のある授業でした。





マッサージの技術面に関してですが、Certificateではリラクセーションマッサージだけだったのが、Diplomaになりリメディアルマッサージの技術とその理論を学ぶ様になってから、実際にスチューデントクリニックで患者さんを施術する際に“治せる”という自信がつき、クリニックも楽しくなって行きました。



Diplomaコースで印象に残っていることを教えて下さい。

前半はリメディアルの技術と理論を学んだのですが、「患者さんの訴えをどのように解決していくのか」といった事や、マッサージのことだけでなく、人間をホリスティック(統合的)に見てアドバイスができるようになるための授業が楽しかったです。
「栄養や運動の大切さ」、「精神的なストレスをどのように解決していくのか」などのアドバイスをする事もセラピストとして求められるため、実際にセルフエクササイズプログラムを立て実行し、それに関してレポートを書いたり、栄養学では「妊婦に対する食事面の指導をするためにはどんな栄養素を含まなければならないのか?」といった内容のレポートとメニューを考え、実際にそのメニューで一品作りみんなに食べてもらったりしました。



基本的に授業は全て楽しかったですが、先に述べたリサーチの授業とリメディアルマッサージのケーススタディのプレゼンテーションと課題に頭を悩ませました。
プレゼンテーションは出来るだけ内容を暗記して行いましたが、やはりみんなの前で話すことになれていないので、とても緊張しいつも最後から2番目に発表するのが私の定位置になっていました。また、Diplomaでは200時間のクリニック実習があり、実際に患者さんをマッサージする機会がありますが、これも最後の半年で行わないといけなかったので週3回は学校のクリニックに行っており、最後の半年はクリニック、課題、授業、そして自分の仕事と忙しすぎる時間を過ごしました。





その他楽しかったことと言えば、ポートマッコーリーにトライアスロンのマッサージボランティアとしてクラスメイトと行ったことです。前々日から旅行がてらポートマッコーリに行って3泊4日一緒に過ごしました。
毎日楽しく、ボランティアの休憩時間に昼間からお酒を飲んで騒いでしまったところ、それまでは“素晴らしいクラスだ”と褒められていたのが、ボランティアから帰ってきた翌週からヘッドティーチャー(教務主任の先生)に、「このクラスは周りの事を考えない、なんて最悪なクラスなの!!」と激怒され、卒業するまでもう何をしても褒められることはありませんでした。。。今となってはいい思い出でみんなの記憶に残る旅になったことは間違いありません。



理学療法士としてマッサージのコースを受けてみて、どんなところが良かったですか?

一番は医療に関する専門用語を全て英語で勉強出来たことが良かった事、筋骨格系に関する授業の内容が濃いことです。
日本の理学療法士の養成校(私が卒業したのは10年前ですが)でもここまで詳しく教えてくれませんでしたが、TAFEではマッサージコースであっても、日本の理学療法士養成校以上の事をやっているという事にビックリし、そしてそれが勉強になりました。一度日本で人体に関しては勉強しているので、授業を理解するのも早かったですし、先生が言う豆知識的な所まで理解出来たので良かったです。
また、私は日本にいた時から栄養学にも興味があり独学で勉強をしていましたが、実際に栄養学の授業を受け、人間は全て自分の入れた食事が血となり肉となり人間を作っているということを深く勉強でき、栄養と運動のバランスの大切さを改めて勉強できました。
さらに一番苦労したリサーチの授業でも、英語で文献検索のやり方を細かく先生から指導してもらえた為、英語で書かれた文献も読める様になったことが良ったかと思います。





理学療法士としてマッサージコースは、どのように活かせると思いますか?

リメディアルマッサージはさまざまな種類の技術(ディープティシュー、筋膜リリース、トリガーポイント、ソフトティシューリリース、マッスルエナジーテクニック、ディープトランスバースフリクションなど)を使い、筋肉にアプローチし疼痛を取り除く事が可能です。また、呼吸器疾患や悪性腫瘍に対する緩和マッサージ、高血圧予防やストレス緩和、スポーツ選手に対してや子供から高齢者まで、あらゆる人に対してアプローチができます。
理学療法とは人に触るという観点では同じですが、マッサージを学んだ今では、理学療法士としてもう一度働くなら、1単位20分という時間の中で効率良く治療ができ、精神面も身体面のサポートの両面を出来ると思います。また、夢を持つ高校生や大学生にも、広い視野で話して行く事ができると思います。





この留学を活かして今後どんなことをされる予定ですか??

いつまでも学ぶ姿勢を怠らないように、自分を高め理学療法士に戻り経験を積むと同時に、リメディアルマッサージセラピストとしても勉強したことを必要な人に還元していけたらと思っています。また、自分が40代になった時にマッサージとアロマの小さなお店と教室のような形ができればと考えてもいます。



理学療法士さんでマッサージのコースを受けてみたいと考えている方にメッセージをお願いします。

TAFEのリメディアルマッサージコースは“厳しい”というのが売りですが、もともと理学療法士であれば授業について行くのは容易だと思います。
TAFEの良いところは、他校に比べ留学生の数は圧倒的に少ないので英語の勉強になる事です。先生たちは留学生に特別扱いなどなく、ほぼ現地学生と同じ扱いです(テストの際に辞書の持ち込みと、教科により30分だけ多く書く時間をくれことはあります)し、授業も予習必須なので、授業数は週2日と少ない割に時間に追われる日々となります。
英語を理解する事は嫌でも求められるので、英語力が高いほど楽しいと思います。ただ英語力が高くなかったとしても、素直に分からない事はそれを表現し助けを求める事で周りも動いてくれますので、留学を終えて、理学療法士として再度働く際に役立つ技術や知識を高めるのに、このコースはとても良い思います。



理学療法士なら恐らくマッサージ経験がなくても、解剖学の知識だけでまずマッサージはできると思います。しかし、マッサージセラピストの場合は、自分の目の前にいる患者さんの痛みをどのぐらい理解し本人の希望を満たせるか、その積み重ねでお客さんが喜びまた予約をしてくれて、それが結果的に自分の利益となります。全ては自分次第ですが、チャレンジをすれば確実に自分自身の技術と精神面の成長を感じる1年半になると思います。





理学療法士さんで留学を考えている方に、何か伝えたい事があれば教えて下さい。

私は英語でとても苦労しました。“英語じゃなかったら”と何度も考えました。そのため「英語の勉強は絶対だ」という事が言えます。そして、英語力は簡単に手に入るものではなく、私は習得までの苦労があったので、英語面も精神面でも成長できたと思います。また、私の留学生活は“あの人の様になりたい”というところからスタートしました。私はその人のおかげで目標がブレずに、課題もテストも現地学生に負けずに修了出来たと思います。



今の時代、留学は特別な事ではないし、海外で勉強したからそれが将来直接的に役立つという保証もありません。ただ、海外が好きでなんとなく自分の今の生活に満足していないのなら、海外で何かを勉強することはチャンスになると思います。自分のお金と時間を何に使うかは自分次第ですが、どんな選択をする事が自分を大きく成長させられるのかよく考え留学をされることをお勧めます。また、留学は色々な誘惑も待っています。自分の芯が強くなければ周りに流されてしまうので、是非目標を持った有意義な留学にしてください。
オーストラリアは海も空も広く、至る所に日本では見た事のない植物や動物がいて、リラックスして勉強するには良い環境です。是非、一歩海外へ出る勇気を持って、海外で暮らし勉強してみてください。去年の自分とは違う、新たな自分を発見することができることだけは保証します。



スタッフからのコメント

帰国の直前にインタビューのお時間を作ってくださったのですが、以前と比較して一番変わったなと思った事は、「自信に溢れている」ということでした。
多文化の中でやりきった自信だけでなく、理学療法士として、マッサージセラピストとしてプロフェッショナルに対応ができる自信が言葉の端々に感じられ、美紀さんにマッサージしてもらっておけば良かったな、と思った瞬間でした。
日本ではお仕事の幅も広がりますし、帰国後はたくさんの経験を積んで、是非夢のマッサージアロマショップオープンを叶えてくださいね!その時こそマッサージのお願いに行きます!楽しみにしています!!
豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号G176)
英語の習得はもちろん、様々な経験やチャンスを得られるシドニー。最終的な目標を是非お知らせ下さい!時間もお金も無駄にしないよう、効率的な方法をご案内します。もちろん、留学中は自分の方向性を見失った時、辛い時にもしっかりサポート。一緒に頑張っていきましょう! このカウンセラーに質問する

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