【体験談】オーストラリアで理学療法士を目指す!

上山顕志さん | パース | Curtin University | Rehabilitation
日本で理学療法士として働いた後、オーストラリアで理学療法士を目指すべく、まずはワーキングホリデーで渡航した上山顕志さん。ワーキングホリデー中に英語力をアップさせ、大学付属の大学進学につながるブリッジングコースを経て、カーティン大学の理学療法コースの2年次に編入しました。カーティン大学で2年目を開始した顕志さん(現在3年生)に、これまでの大学生活の様子を伺いました。

オーストラリアで理学療法士を目指そうと思ったきっかけを教えて下さい。

はじめにオーストラリアの理学療法の大きな特徴を少し紹介させて頂くと、オーストラリアでは痛みや機能障害がある患者さんがまず訪れる場所は、病院ではなく理学療法士が開業しているクリニック(Physio Clinic)です。

そして、クリニックで働く理学療法士が、痛みや機能障害のある患者さんを診断し、理学療法士が患者さんにとってベストな治療法か否かを判断し、理学療法による回復が見込まれれば理学療法士が治療します。骨折などにより手術が必要であると判断すれば、医師に紹介します。

個人の話になりますと、日本での大学生時代、オーストラリアで博士課程を修了した教授から、オーストラリアの理学療法に関して多くの話を聞きました。そのことがきっかけでオーストラリアの理学療法に興味を持ち、留学も漠然とですが視野に入れていました。

最終的に、オーストラリア行きを決断したのは、以下の理由です。総合病院で理学療法士として働いていた時代に、手術を必要としない患者さんのリハビリ(保存療法)を担当させて頂く機会があったのですが、何をしていいかわからず無力感でいっぱいで本当に悔しくて、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。このような患者さんを絶対に治せるようになりたい、という気持ちがオーストラリア行きを決めました。

英語力アップの方法を教えて下さい

英語力は今でも理想とは程遠いレベルであり、この程度の英語力で、英語力アップの方法を話すには抵抗がありますが、私は以下のような方法を取りました。ちなみにIELTS は渡航前 (R:6.0, L: 5.0, S: 5.0, W: 5.0)→ 1年後 (R: 8.0, L: 7.0, S: 6.5, W:6.0)です。

IELTS all 6.0 が大学付属のブリッジングコース入学への必要条件でしたので、この成績をもらうまで、3回IELTSを受けました。以下の方法で、なんとかブリッジングコース入学の英語力に到達したので、参考にして貰えばと思います。

大学に入るまでのワーキングホリデー中の1年は、最初は語学学校に通いアカデミック英語、IELTS解法のテクニックを学び、その後は自分で英語力向上に専念しました。「どうやったら英語力をいかに効率良く伸ばせるのか」という疑問を持ち続け、解決しようと努めました。

様々な文献を調べて見つけた言語学者の一人、Stephen Krashen、の第二言語取得理論は賛否両論ありますが、自分にしっくりきており、非常に参考になります(YouTubeでStephen Krashenの沢山の動画がありますので、是非興味のある方は見てみて下さい)。Stephenの理論を雑にまとめると、下記2つのポイントがあります。

・赤ちゃんの言語習得の順序に従う。つまり、リスニング→スピーキング→リーディング→ライティングの順序。
・70~80%理解ができる英語を聞き続ける。

オーストラリアでの1年目は、ひたすら自分の英語力の範囲内でPodcast を聞き込んでいました。英語学習者向けのPodcast (Luke’s English Podcast, Real Life English Podcastsなど) は難易度が高くなくおすすめです。自分の興味のある内容で、70~80%ほど理解できればどんな音源であれ、上達すると信じています。スピーキングは、週2日で個人教師およびほぼ毎日1時間オンライン英会話で勉強をしていました。

最初の1年間の大学生活はいかがでしたか?

授業は週5日あり、レクチャーと実技で構成されています。レクチャーは録画されているので、学校に行けないことがあっても、後で確認をすることができます。実技の授業では先生が行う理学療法テクニックのデモンストレーションの観察および2名1組での練習を繰り返します。試験は筆記と実技があり、学期中満遍なく予定されており、一学期を通して継続して学ぶ必要があります。

大学外での生活の様子を教えて下さい。

大学外では生活を本当に楽しんでいます(笑)。

大学の先生の1人に紹介してもらい、ある高校のラグビーチームの試合前後の理学療法を担当させてもらっています。おおまかな内容は、試合前のテーピング、試合中の応急処置、試合後の怪我のマネージメントです。怪我の程度の判断および、プレー続行の有無も決めることになります。

Perth Glory(パースのプロサッカーチーム)の14, 15歳のサッカートレーニングも、ボランティアですが、週に1度で担当および、違う日を見学させてもらっています。他にも、オーストラリアンフットボール(AFL)の中学生,ホッケーの社会人チームでもアルバイトで担当しています。

スポーツ以外にも、ある脊髄損傷の高齢者の、大きな庭のガーデニングもさせてもらっています。自分が全く興味がなかったエリアですが、非常に喜んでもらえるので人のためになっているという幸福感が得られ、楽しくお手伝いをさせてもらっています。

理学療法をオーストラリアで学ぼうと考えている人へのメッセージをお願いします。

オーストラリアの理学療法システムは、運動器理学療法に関して言えば、理学療法の理想に近い形であると思います。患者さんとの相互関係の中で何が原因で痛みが起こされているのかを一緒に考え、問題解決方法を提供します。それは手術が最適なら手術ができる医者に託し、手術を行わない程度で、理学療法により改善が求められると判断すれば、自ら理学療法士が治療を行うという具合です。

この意思決定の責任を理学療法士が持ち、医療行為を行うということは、リスクも高いですが、患者さんにとっても理学療法士にとっても非常に良い場所ではないでしょうか。

まだ何も成し遂げておらず、何も言える立場ではありませんが、自分が本当にやりたいことがあれば、日本であれ海外であれ、迷わず挑戦してほしいと思います。海外留学の最大の難関は、コミュニケーションの壁です。その中でも英語力に関して言えば、日本人は圧倒的に不利であり、個人的にも一番のハードルとなっています。

しかし、外に出る前から日本で将来の心配をしても仕方がありません。あえて自分を厳しい環境に身を置きもがくことで、言語力だけでなく人間力として大きく成長することは間違いなく、非常に良い自己投資であると思います。

ラグビーを例に取ると自分もはじめは足首のテーピングさえ巻けずに恥もかきました。それに加えて言語の壁は非常に大きいものです。しかし、失敗・練習を通して確実にできることが増えており、非常に今の挑戦を楽しんでいます。今では、同じ先生から、オーストラリアンフットボール、他にもサッカーまで任せてもらえるようになりました。これからもこのような失敗、恥を通して理想の理学療法士になるべく急成長していきたいと思います。

最後になりますが、私の目標の一つに、日本国内においても理学療法士が患者さんを診断し、治療行為を行う環境を整備する、または整備することに貢献するというものがあります。そうすることで医療費は削減でき、理学療法士の職域を確保でき、患者さんにとっても症状が悪化する前に治せるというメリットがあります。

「私の」と書きましたがこう考えている人、またこのような環境で仕事をしたいと思う人は日本中、本当にたくさんいるのではないでしょうか。 近い将来、海外で理学療法を行う日本人が増え、一人一人がこの制度で行う理学療法の重要性、喜びを伝えることが、システム改変の第一歩であると考えます。

将来の日本の理学療法士の職域の維持・拡大のためにも、今この文章を読んでくださっている方々の中から、実際にオーストラリアに来られて、共にこの制度で行う理学療法の楽しさを将来の後輩に伝えていけることを切望します。

スタッフからのコメント

理学療法に対しての熱い想いを持っている顕志さん。

渡航前からワーキングホリデー中、そして現在と、勉強に対しても非常にストイックな姿勢をつらぬいています。特に、英語の勉強においてはここまでIELTSをアップさせることができたのは、顕志さんだからこそだと思います。

理学療法コースは、オーストラリアの中でも大変な学部の1つ。これからも応援しています!!
豪政府認定留学カウンセラーPIER資格保持
(QEAC登録番号H297)
現在はメルボルンからオーストラリア全土の留学相談をしております。色々な情報をインターネットで探せますが、やはり実際はどうなのか、何が本当なのか不安はつきまとうもの。まずはお気軽にご相談ください。考え過ぎて立ち止まるなら、一度動いてみませんか? このカウンセラーに質問する

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